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第20話「麦わら帽子」
タキさんが、麦わら帽子をくれた。
三つ、まとめて。コンとポンとチビの分。
「夏になる前に、ちゃんと日よけしなさいよ」
タキさんはそう言って、うふふと笑った。
チビはさっそくかぶった。大きくて、目のところまでずれてきた。
「見えない」
「サイズが合ってないね」とコン。
「でもかわいい」
コンのはちょうどよかった。ポンのは少しきつかった。頭が丸いから、とコンが言った。ポンはむっとしたが、否定できなかった。
三匹で帽子をかぶって、坂道を歩いた。チビはときどき帽子がずれて、つんのめりそうになった。
田んぼのそばを通ったとき、苗がだいぶ根付いてきたのが見えた。先週より、すこし大きくなっている気がした。
「育ってるね」とチビが言った。
「うん」
「ぼくも育ってるよ」
「帽子がずれてる人が言う?」
「うるさい!」
チビが帽子を押さえながら走ると、麦わらがふわりと揺れた。初夏の風が、三匹のあいだを通り抜けた。




