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第16話「かえるの声」

 夜、布団に入ったら、外からかえるの声が聞こえた。


 ケロケロ、ケロケロ。田んぼの方からだ。一匹が鳴くと、また一匹が鳴いて、だんだん増えていく。


「うるさくて眠れない」


 チビが布団の中でもぞもぞした。


「慣れるよ」とコン。


「慣れない」


「夏になるともっと鳴くよ」


「えっ」


 チビはしばらく黙って、かえるの声を聞いていた。ケロケロ、ケロケロ。よく聞くと、声の高さがみんな少しずつ違う。


「なんか……たくさんいるね」


「田んぼにいっぱいいるんだよ」


「みんな何しゃべってるんだろ」


「さあ」


 ポンがとなりで、すうすうと眠っていた。かえるの声なんてまるで聞こえていないように、気持ちよさそうに。


「ポンはいつ寝たの」


「さっき」


「はやい」


 チビはまたかえるの声に耳をすませた。ケロケロ、ケロケロ。うるさいはずなのに、聞いていたら、なんだかだんだん眠くなってきた。


 気づいたらチビも眠っていた。かえるたちは、朝まで鳴いていた。


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