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第13話「夕方のおつかい」
かあさんに頼まれて、チビが集落のお豆腐屋さんへ行くことになった。
「ひとりで行けるよ!」
胸を張って言ったが、コンがついてきた。
「ひとりって言ったのに」
「心配だから」
「子どもじゃないもん」
「三つでしょ」
ふたりでぷつぷつ言いながら、夕方の坂道を下りた。西の空が橙色に染まって、影が長く伸びている。
お豆腐屋のじいさんは、タヌキの老人だった。丸くて白くて、豆腐みたいな顔をしている、とチビはいつも思う。
「いらっしゃい。お使いかい」
「うん!かあさんに頼まれた」
「えらいねえ」
チビはお金を渡して、豆腐を受け取った。ずっしりと重い。
帰り道、豆腐を抱えて歩いていたら、石につまずいた。コンがすっと手を出して、支えた。豆腐はこぼれなかった。
「……ありがと」
「どういたしまして」
チビはちょっとだけ悔しそうにして、でもすぐに前を向いた。夕焼けの坂道を、ふたりで並んで登った。
家の明かりが見えたとき、チビが言った。
「つぎはほんとにひとりで行く」
「うん」とコンは笑った。




