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寄るなイケメンっ!私は私の道を行くー覇道を極めし悪役令嬢ー  作者: 折若ちい
第9章 隠密カイル、世界諜報網「ローゼン・リークス」の構築

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56話 アルヴィス、ついに「神」とスクワットする

聖女リリィを「Vチューバー兼エナジードリンクの広告塔」としてM&Aし、信仰という名の不透明なキャッシュフローを完全にクリーン化した翌日。ついに、セシリアの独占禁止法違反なみの事業拡大に対し、世界の「システム」そのものが警告を発した。


空が割れ、黄金の光の中から「世界の意思(ゼウス的な何か)」が実体化し、ローゼン・タワーの屋上に降臨したのである。


「……マックス。あの、空から降りてきた『著作権デザイン的にギリギリな白髭の老人』は誰? 我が社の屋上占有許可証は発行済みだったかしら?」


セシリアが冷徹に、ティーカップを片手に空を仰ぐと、マックスは冷静にスカウター(魔導眼鏡)を調整した。


「……CEO。あれは本世界の創造主……いわゆる『神』ですな。どうやら、人類の魂がすべて貴女の『資産台帳』に書き込まれたことで、運営権を侵害されたと憤慨しているようです」


「……プッ、あははは! 運営権ですって? 何億年も世界を放置して、赤字(戦争や飢饉)を垂れ流していた無能なオーナーが、今更口を出してくるなんて! ……いい、マックス。神様だろうと何だろうと、私のタワーに不法侵入した以上、相応の『和解金(事業譲渡)』を請求するわよ」


神は威厳に満ちた声で、タワー全体を震わせた。

『愚かなる令嬢、セシリアよ。世界の均衡バランスを崩し、運命を数字で支配するとは何事か! 私は今、この世界を「初期化リセット」し、新たな帳簿を——』


「……寄るな、隠居老人。……『リセット』ですって? 貴方がそれを実行すれば、現在我が社が発行している数京ローゼン分の『通貨価値』が崩壊し、宇宙規模のハイパーインフレが起きるわよ。……その責任、貴方の『後光』を売った程度で取れると思っているの?」


『な、何……? 責任だと……?』


「……カイル、神様に『宇宙の損害賠償見積書』を提示なさい」


天井の影からカイルが、神の鼻先に一兆枚を超える「デジタル請求書」を叩きつけた。

「……神様。貴方の独断によるリセットは、我が社の『来世予約サービス』を契約した五〇億ユーザーへの契約不履行に当たります。……損害賠償額は、銀河系三つ分の質量に相当しますね」


神が絶句し、その威厳がわずかに揺らいだ瞬間。屋上の床が「筋肉の隆起」によって爆発した。

 アルヴィスが、ついに「神の領域」に到達するため、全身の血管を『銀河鉄道の路線図』のように浮き上がらせて乱入したのである。


『セシリア様ーー!! 神を見つけたぞーー!! この御方からは、宇宙誕生時の「ビッグバン」に匹敵する、凄まじい反発(負荷)を感じる!! これこそが俺の求めていた、最強のパーソナルトレーナーだあああ!!』


「寄るなイケメン! 貴方のその『汗の飛沫』が、神様の後光で蒸発して『聖なるサウナ』状態になっているじゃないの! ……アルヴィス。その老いぼれに、我が社の『最新の労働倫理』を叩き込みなさい。……宇宙を創る暇があるなら、その神力エネルギーで我が社のサーバーを永遠に回し続けるのよ!」


『……っ! 神と一緒に、宇宙の膨張パンプアップを加速させる任務……! 神よ、まずは基本のスクワットだ!! 膝を割るな、宇宙が割れるぞ!! さあ、一、二! 一、二!!』


数時間後。そこには、アルヴィスのスパルタ指導に涙を流しながら、膝をガクガクさせてスクワットを繰り返す「創造主」の姿があった。


『ああ……あぁ……。なぜ、私が……自ら創った生命体に……「あと一回! 筋肉が喜んでるぞ!」と励まされねばならんのだ……』


「……及第点ね、神様。……マックス。神がスクワットをする際に発生する『次元の歪み』を回収して、新商品『神の溜息・ポータブル電源』として販売なさい。……一個一〇万ローゼン。……『神のご利益』を物理的にバッテリーに詰めて売るのよ」


「……承知いたしました。……これにて、宇宙の根本原理すらも我が社の『二次電池事業』に組み込まれましたな」


悪役令嬢セシリア・ヴァン・ローゼンバーグ。

 彼女の覇道は、ついに世界の「制作者メーカー」すらも、一人の『期間工』として現場に引き摺り下ろした。


「……さあ、次の決算を始めましょう。……神様。……休憩時間は三分よ。……次は『銀河系の棚卸し』。……無駄な星雲デッドスペースを整理して、私の『別荘地』として分譲しなさい」


神の悲鳴が、宇宙の果てまで「残業代なし」で鳴り響いていた。

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