表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連作短編026】 正夢 全5話 ―夢を信じた夜と、夢を失った朝―  作者: macchao


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
3/5

第三話 待つ:夢を待つほど、現実が遠ざかる

第三話「待つ」です。


夢を見ることが、楽しみではなく、待ち続けるものになっていく。


康介は少しずつ、夢と現実の境界に引き込まれていきます。


今回は大きな変化ではなく、静かに広がる違和感を描いた回です。

ぜひ最後までお楽しみください。

寝る前の儀式が、いつのまにか増えていた。


電気を消す。スマートフォンを枕元に置く。目を閉じる。けれど、眠るためではなかった。何を見るかを、待つためだった。


康介は天井を見ながら、今夜はどんな夢が来るのかと考えるようになった。考えること自体が、もう眠りを遠ざけていることに、しばらく気づかなかった。


気づいたのは、土曜の朝だった。布団から出たとき、何の夢を見たのか思い出せなかった。思い出せないことに、康介は妙な焦りを覚えた。覚えていない夢は、当たりも外れも判定できない。判定できないものが、自分の知らないところで動いているような気がした。


その日も河原に寄った。ハルは雨上がりの水たまりを避けながら歩いていた。康介はベンチに座らず、しばらく立ったまま猫の動きを見ていた。


「お前は、夢を見るのか」


聞いても、答えがないことは分かっていた。それでも聞いた。聞かずにいられなかった。


夜、布団に入る前、康介はスマートフォンのメモを開いた。丸のついた項目が、もう二十を超えていた。当たった夢、当たらなかった夢。区別のための丸が、いつからか区別の役目を果たさなくなっていた。


眠りに落ちる直前、康介はふと思った。当たってほしいのか、当たってほしくないのか、自分でも分からなくなっていることに。


その夜は、何も覚えていない夢を見た。

第三話「待つ」を読んでいただき、ありがとうございました。


夢が当たることは、果たして幸運なのか。

未来を知ることは、安心につながるのか。


康介は少しずつ、夢を見ること自体よりも、「次に何が起こるのか」を待つようになっていきます。


便利なものや特別な力も、向き合い方を間違えると、人の心を縛るものになるのかもしれません。


次回も、康介とハルの物語を見守っていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ