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【連作短編026】 正夢 全5話 ―夢を信じた夜と、夢を失った朝―  作者: macchao


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第二話 確信:小さな的中が、未来を狂わせる

第二話「確信」です。


偶然だと思っていた夢が、少しずつ現実と重なり始める。


小さな出来事の積み重ねが、康介の中で「確信」へと変わっていきます。


夢を見ることは、未来を知ることなのか。

それとも、別の何かを見せられているのか。


今回もお楽しみいただければ幸いです。

三度目は、もう疑いの余地がなかった。


木曜の午後、康介は会議室の扉を開けた。先輩の机にマグカップがあった。手を伸ばす前から、嫌な感じがあった。覚えのある嫌な感じだった。


倒した。中身はコーヒーで、資料の上に広がった。


先輩は舌打ちもせず、ただティッシュを取りに席を立った。康介はその後ろ姿を見ながら、ようやく思い出した。今朝見た夢の中で、自分は同じ扉を開け、同じ机の前で、同じ動きをしていた。手のひらの冷たさが、夢の中のものか、今のものか、康介には区別がつかなかった。


その晩から、康介は夢の内容を記録するようになった。スマートフォンのメモ機能に、起きた瞬間に箇条書きで残す。改札、くじ、マグカップ。次は何が来るのか。来るとしたら、いつなのか。


記録は増えていったが、当たるのは決まって些細なことだった。電車が三分遅れる。コンビニの店員が変わる。誰かが咳をする。康介はそのどれにも丸をつけた。丸の数だけが、夜ごと増えていった。


河原には、また寄った。理由は自分でもうまく説明できなかった。ハルは決まった場所にいて、探す手間はなかった。


「お前にも、こういうことあるのか」


猫は答えず、前足を一度舐めた。康介はベンチに腰を下ろし、スマートフォンのメモを見返した。丸のついた項目を、もう一度上から数えた。


数えても、何の役にも立たなかった。それでも数えるのをやめられなかった。


眠る前、康介は願ってしまった。次は大きなことが当たればいい、と。何かが変わるくらいの、はっきりしたことが起きればいい、と。


願ったことを、すぐに後悔した。後悔しても、願いはもう手の中から出ていった後だった。

第二話「確信」を読んでいただき、ありがとうございます。


偶然なのか、それとも本当に未来を見ているのか。

康介は少しずつ、その答えに近づいていきます。


でも、知ることができる未来が、必ずしも幸せなものとは限りません。


次の夢が何を映すのか。

引き続きお楽しみいただければ嬉しいです。

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