第7話 初仕事
その後は眠りについた。
ラーナの家であるが、私は床である。
当たり前だ。天井があるだけ感謝であるし、現在私はただの居候である。
窓から入ってきた光で目が覚める。
清々しい程晴れ渡っている良い空だ。
盗賊の仕事は夜に始まる。
しかしだ。ラーナ教官曰く、昼のうちにも装備の点検を怠ることがないように、との事である。
ナイフ、フック、ピッキングツールにソウルギア。
結局一つだけ持っておくように言われた。
持ち手と刃の間の部分に円のような装飾がなされているナイフのようなもの。
これを自分の胸を刺すことによって発動するらしい。
試しに胸の辺りにまで持ってくる。
手が震えてきた。これを刺すには相当な覚悟が必要だ。そう思った。
そうこうしているうちに、日が傾き、夜になってきた。
ラーナの「準備できたかー?」
という声を聞き、外に出る。
「なんて言うか、凄く緊張してる?」
図星だった。手をブラブラしているばかりでは緊張したため、ポケットの中に入れていたのだが、汗で手は湿りはじめ、震えてきた。
「慣れてもらわないと困るよー。」
からかうような目つきで言われる
「あ、あぁ。善処する。」
「それってしない時の言葉でしょ。」
「そうなのか?」
ラーナが背を伸ばしながら言う
「ここからは真面目に行こうか。
今回の標的は税金の取り立て屋。噂によると、中抜きして闇金まがいのことをしてるとか。」
ラーナがナイフ手で回しながら言う。慣れた手つきだ。
「となると、そいつは相当な財産を隠し持ってるはずだな。」
「だね。ただ全部は盗まない。というより盗めないって言う方が近いか。そのぐらいには持ってるってこと。」
しばらくすると、標的の邸宅にたどり着いた。柵に囲まれているし、門の近くには警備員がいる。
さて、ここて私の初めての「仕事」が始まる。




