第38話 槌ヲ振レ
3人は固まっているし、火の近くにいるから明るい。
正面から行っても3体1でボコボコにされるだけだ。
私は檻に隠れ、3人の会話を盗み聞きする……。
「都市部のガキは警戒心カスで助かるぜ。」
「ほんとにな。
あとはミドルに連れてって売っぱらえばいいだけだ。」
「っと。
小便行きたくなってきた。
すぐ戻る。」
おっと、これは好都合。
その男が茂みに向かい、自分のブツを出す。
背中の下側のやや右側……。
ブスッ。
男は痛みで身を捻じり、倒れ込む。
私はそのまま首を掻っ切る。
「おっせーな。
様子見に行くぞ。」
「確かにおせぇな。
行くか。」
まずい。
男2人がこちらに向かってくる。
今更隠れることは難しい。
となると、二対一でもやるしかないか。
私はナイフを取りだし、投げる準備をする……
その時だった。
茂みからガタイのいい男が大きな槌を男の頭に振りかざす。ゴキッという人体から聞こえては行けない音がする。
……ベスティ?
そのままの勢いのまま、ベスティは槌を横に振り、男を吹き飛ばす。
男は動けない様子で、地面に伏している。
「ベスティ……。
なんで?」
「昔を思い出してな。
俺もお前みたいに無垢な時期があったもんだ。
たまには戻ってみようかと思ってな。
さ、ボサっとしてないで、さっさと解放するぞ。」
私達は檻を開け……
鍵がどこにも見当たらなかったのでベスティに槌で入口をぶち壊して子供達を保護した。
合計16人。
「ベスティ。
この子達はどこにやったらいい?」
「教会だな。
行方不明者の届けが教会には寄せられる。
それと、依頼の荷物も回収するぞ。」
……あぁ。
試験は失格か。
結局仕事は見つからずじまいだな。
「何しょぼくれた顔してんだ、ナナシ。」
「だって、」
私の言葉をベスティは制する。
「まだ試験は終わってないぞ。
新人。」




