第36話 正義って?
「いやはやいやはや…」
先程までキツく縛られていた手首を触る。
魔法が使えて助かったぜ。
いけ好かないガキだとは思っていたが…
一体誰を脅したか、そのうち分からせてやろう。
「リーエス様。」
「それで、どうだった?」
なんとこんな痩せた弱そうな奴がかの領主様だ。
自分じゃあ何も出来ないくせしてご立派な趣味だけをもっている。
まぁだから私のような人間が取り入って贅沢出来てるから感謝感謝だ。
「彼の者は既に『例の品』は別の場所に移した、と考えられます。」
「そうか。」
「焦らないのですかな?」
「義はこちらにある。
神は常に正しき事を見ているのだよ。」
こりゃまたイカれた考えだ。
自分がしてることが1ミリたりとも間違ってるなんて考えたこともないって面だ。
世間知らずで、自分で日銭を稼いだこともないボンボン貴族様なんてそんなもんか?
荒くれ者には分からんねぇ…
「これにて報告は以上となります。」
「うむ。
下がって良い。」
こんな仕事でも、フロンティア時代よか圧倒的に稼げてるから不満はない。
正義だとか、真実だとか。金の前ではそんなものカス同然だ。正義で腹は膨れやしねぇよ。
実際、綺麗事ほざいて死んでった奴はいくらでも見た事がある。
館を出る廊下で若い奴らとすれ違う。
あぁ確か若いうちから軍事教育を施した戦うことしか頭にないイカれた連中だったっけ。
あーあ。
ドンマイ!来世に期待ということで……!
私は館を後にした。
さてと、あのクソガキをどう料理してやろうか?




