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SOULGEAR  作者: ヤブイ・シャ
第1章盗賊編
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第21話 運命の輪

男と私は2mぐらいの距離を置き、目を合わせる。


 ここは広間のような場所で、上にはシャンデリアが吊るされている。


 ヴィヴィリアとラーナが逃げる時間を稼ぐ。

 それだけでいい。


 開戦を知らせたのは魔法使いの魔力のつぶてだ。

 私は横に大きく体を転ばせ、回避する。

 続けざまに魔力の刃が足元を掬おうとする。


 それをジャンプして躱す。


 ……近づけない。


 さらにこちらの獲物はナイフ。

 敵の近くまで接近する必要がある。

 続けざまに魔法が飛来する。


 魔力のつぶて。

そして魔力の刃。


 避けるので精一杯だ。

 どんどん後ろに追い詰められ、逃げ場が無くなってくる。


 何か状況を変える一手を…


 …!

 あれならやれるかもしれない。

 私は大量の魔法を掻い潜り、天井にあるシャンデリアにフックを引っ掛ける。


 私は男に一気に接近する。

 男が私に杖を向ける…が、間に合わない。


 着地と同時に私は男の喉にナイフを突き刺し、力任せに下に引き裂いた。


 …?

 まるで空気を切っているように、手応えがない。

 後ろの方から声が聞こえる。


「いや…いや…。

 惜しかったですね〜。」


「……は?」


 男の声だ。


「私が幻影魔法を使えなかったら死んでいるところでしたよ。」


 そして、私から背を向け、ラーナと彼女を魔法で浮遊させながら逃げているヴィヴィリアに接近する。


「……待て!!!」


 手を伸ばすが、届くはずもない。

 男はヴィヴィリアを蹴り飛ばす。


 ヴィヴィリアは数mは吹き飛ばされ、起き上がらない。


 ラーナも魔法による浮力を失い落下する。

 男は腕時計をチラリと見る。


「そろそろ時間でございます。

 今日はこれにてフィナーレを。」


 男はラーナの胸に刺剣を突き立てる。


「やめろぉぉぉ!!!」


 男は容赦なくラーナの胸に刺剣を突き刺す。


 男は窓を割り、窓から脱出した。

 男を追おう…としたが、まずはラーナの治療が最優先だ。


 私はラーナの状態を確認する。

 胸には細い風穴が空いている。


 処置をしなくては…


 胸からは血が出ている。

 しかしまだ息はある。


 私はラーナの胸を抑え、止血する。


「ヴィヴィリア!

 おいヴィヴィリア!起きてくれ!ラーナが!」


 ヴィヴィリアは何処かの骨が折れているのかも知れない。


 立ち上がれない様子だ。

 その時、私の胸にとてつもない激痛が走る。

 私は倒れ込む…


「……っ!」


 一体何事だ?

 胸…。


 私はラーナのポケットを探る。

 ソウルギアを引っ張り出す。


 それを私の胸に近づける。

 死なせるものか。

 死なせてたまるか。


 やるんだ。


 ソウルギアを。



「うおぉぉぉぉぁぁぁぁ!!!!」


 私の胸にソウルギアが突き刺さる。

 ソウルギアはたちまち消える。


 すると、ラーナの胸の傷がみるみるうちに癒えていく。

 しかし足首は戻らない。そのまま切断された状態のまま癒える。


 ヴィヴィリアは立ち上がる。


「よくやってくれた。

 お前はお前に打ち勝ったのだ。」


 私はラーナを抱え、窓から脱出した。

 柵には切断した部分がある。


 そこから邸宅を後にした。

 家までラーナを抱えた。


 ラーナをベットに置くと、唐突に疲労感が私を襲う。

 そして死んだように床で眠った。


 

 

 

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