第1話 救いの手
船の見張りの怒号が聞こえてくる。
「お前ら!絶対逃がすなよ!」
と。
私は建物の影に隠れていることしか出来なかった。
すると
背中をツンと叩かれる。
私は驚いて飛び上がる。
女だ。黒と茶色で機能的な服を着ている。胸にあるポケットにはナイフのようなものがいくつか仕舞われている。
小柄で身長も小さい。
「静かに。
見つかるよ。」
私は咄嗟に尋ねる。
「君は…?」
女は答える。
「ラーナ・スローバット。ラーナでいいよ。」
「君、あいつに追われてるの?」
私は事情を説明した。
「そんなことが…
うーーーん。
着いてきて。家で匿おう。」
私は言う。
「何故私を助ける?見ず知らずの人を?」
正直言って怪しい。
騙そうとしているのではと思った。
ラーナは答える。
「私って、なんかこう、困ってそうな人がいたら見過ごせなくて。
バカだよね。
っと、話してる暇はないかな。早く行くよ。」
騙されているとしても、私はこの人に着いていく他無さそうだ。着いていくことにした。
小さな家についた。一人暮らしだろう。
木造りで、部屋はこことドアの向こうしかない。
「そこの向こう。倉庫。隠れといて。」
言われるがまま倉庫に隠れた。
倉庫にはフックのようなものや金属製の棒のような道具、たいまつ等が備えられていた。
不安で堪らなかった。私はこれからどうなってしまうのだろうか。




