第16話 ダフネ
掃除と支払いを済ませ、私達はカフェを後にした。
さて、どこに向かおうか?
船漕ぎ時代、船長が言っていた気がする。
「女ってのは光り物買っときゃあ喜ぶんだよ」
船員が不思議そうな顔をする
「光り物って?」
「アクセサリーの事だよ。ネックレスにピアス。指輪。送っときゃあ機嫌を戻す。」
……あのクソみたいな船長の言っていたことが本当か、試してみるか。
「この後はどこに行く予定だ?」
ラーナが人差し指を顎に当てて考える仕草をしてから答える
「特にないかな?
行きたいところはある?」
「そうだな…アクセサリーショップなんかはどうだ?」
肩に乗っているヴィヴィリアが尋ねる
「お前、そんな物が好きなのか?」
「いや?そうじゃないよ?」
ラーナが笑い始める。
「え?じゃあなんで行くの?」
「そりゃあ、ラーナが行きたいかもな。
と思っただけだよ。
若い女の子ってこういうのが好きなんじゃないのか?」
「うーん。
私はそうでも無いかも?
そもそも付けた経験があんまりない。
オシャレとかあんまりしてこなかったから。」
「だからこそ行こう。ラーナのオシャレデビューだ。」
私たちは中流階級のアクセサリーショップに着いた。
様々なアクセサリーだ立ち並んでいる。
ラーナは色んなアクセサリーを手に取り吟味している。
「あんまり何が似合うか分からないな。
ねぇ、君が決めてよ。」
ルビーのブレスレットにサファイヤの指輪。
どれも何か、違う気がする。
1ついいのを見つけた。
何か葉っぱのようなデザインがされている金色のペンダント。華やかであり、そして神秘的だ。
「そうだな…これはどうだろう?」
ヴィヴィリアが肩に乗ってそれを見る。
「ふむ、月桂樹のペンダントか。悪くない選択だな。
月桂樹には、勝利や栄光という意味もある。
縁起もいい。」
ラーナが月桂樹のペンダントを手に取る
「君が言うなら、これにしようかな。」
ラーナの人生初めてのアクセサリーは月桂樹のペンダントになった。
彼女らしいものでは無いが、非常に惹かれる魅力があった。しかし後になって思うと、あれほど彼女らしいアクセサリーなどないのであった。




