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SOULGEAR  作者: ヤブイ・シャ
第1章盗賊編
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第13話 ネクスト・ミッション 続

現場に着いた。


 港に大きめな倉庫が建っている。


 あの倉庫がターゲットの魔法生物のいる場所だ。

 倉庫の入口と見られる場所には男が2人いる。


 ただし私たちは取引官の引渡しの証を持っている。


 果たして上手くいくだろうか。

「さて、到着だな。

 目的地はあそこか?」


 ラーナは倉庫の方を見ながら答える。


「そだよ。」


 私は深い紺色のロングコート、そして下には白いリネンのシャツと言う服装に事前に着替えていた。いわゆる正装だ。


 ラーナは青色のロングドレスに肩からマントを着ている。

彼女を知らない人からすれば似合っているかもしれないが、私から見たら不格好だった。


 きっと私もそうだろう。

 そしてかなり動きにくい。


 ラーナが私を一瞥して一言


「やっぱり似合ってないね。

 私もでしょ。多分。これ嫌いだわ。動きにくい。」


 頷きながら答える。


「動きにくいってのはその通りだな。

 ただ、これでやるしかないぞ。」


 倉庫に近づく。

 門番たちは私たちの服装を見て、警戒はしていない様子だ。


「取引官様ですかな。

 引渡しの証はありますかね?」


 ラーナが証を見せる。


「ええ。こちらに。

 品物はどちらになるのかしら?」


 口調も商人風で違和感が無い。慣れている。

 門番は疑いもせず私たちを中に案内する。


 檻の中に生物がいる。

 多種多様だ。

 例えば1つ目の犬のような魔法生物、前歯の異常に長いネズミ、そして耳の長いネコ。


 門番は入口に戻って行った。

 私たちは檻の中の魔法生物を回収、そのとき、


「君たち、盗人かい?」


 バレたのか!いや、違う。話したのは耳の長いネコだ。私は檻を落としてしまう。


「ニャオッ!」


 喋る猫の悲鳴が聞こえる


「静かに。まだバレてはいないはず。」


 その通り、門番には聞こえてない様子だ。


 しかし、なぜバレたのだ?

 いや、そんなことを問うてる場合では無いか。


 ラーナが猫に顔を向ける。


「静かにね。ネコちゃん。

 もうそろそろ解放できるよ。」


「その通りだと助かるんだが。」


 すると、入口の方からも音が聞こえる。

 人の怒号のような声。


「証を盗まれたのだ!

 その証明書はこれだ!」


 ラーナは入口の方を一目見ると、

 迷いなく窓を開けてそこから飛び出た。

 喋る猫も聞こえたようだ。


「どうやら、不味いんじゃないのか?」


 私もそれに続き窓から飛び出た。


 用意していた馬車に載せなくては行けない。

 私たちは素早く魔法生物の檻を積み込んだ。


「おい御者!早く出せ!」


 御者はすぐさま馬を走らせた。

 私とラーナは後ろに乗り込んだ。

 ラーナが舌打ちをする。


「バレたな。聞こえるか?

 この馬の足音。」


 蹄の音が近づいてきている。

 馬単騎と荷馬車。

どちらが早いかは明確である。

 すると馬に乗った武装している奴らの接近を確認した。


 どんどん距離を詰めてくる。


 ラーナは隠していたナイフを取りだし投げた。

 しかし服もあってか命中しない。


「あー!うざったい!」


 ラーナがドレスのした部分を千切り、敵に向かって投げつけた。


 騎手の1人の顔面をドレスの端が覆いかぶさり、騎手は落馬する。


喋る猫は檻の中から顔を出してこちらを見ている。


「2騎接近しているぞ!迎撃しろ!」


 私は反射的に答える


「んな事分かってるよ!」


 私もナイフ投げを試みる。しかし地面は揺れているし、相手も動いている。当てるのは至難の技だ。


 そう思った私はあの喋ったネコの檻を開けてネコを外に出す。


「ニャニャっ!?

 何をする!」


 ナイフよりこっちの方がでかい。


「うぉぉぉぉ!」


 全力で檻を投げる。金属製というのもあって重いが、私は筋肉は多い方だ。


 一騎にそれが飛んでいき、馬の足に当たった。

 馬は体制を崩し、もちろん騎手は落馬する。


 ネコが皮肉っぽく言う


「檻を投げるとは、随分と盗賊らしい行動だな。」


 残り一騎は落馬している様子を横目で見ている。

 それを見たラーナはニヤリと微笑む。


 そして特徴的なナイフを取り出す。


 ソウルギアだ。

 それを躊躇いもせず胸に刺した。

 冷たい風が吹いた。


 ラーナの髪がなびく。

 胸から流れる血も風が飛ばされ、髪に飛び散った。


 不敵な笑みを浮かべる。これで貴様は終わりだ、と。

 喋るネコもその様子を見ている。


「…ほう。」


 騎手はまるで突然力が抜けたようになり、落馬した。


 そのまま私たちはウェルゼガイエンに帰還することが出来た。


 月光浮かぶ空の下。少女の胸にはさらに傷がひとつ増えた。私はそれが増える度、胸が締め付けられるのだった。

 

 

 

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