この世界の蜘蛛はとても怖いです
蜘蛛型の『魔物』が出す糸の弱点は火である、まぁ厳密に言えば火に弱いと言うわけではないのだが……
いくら『魔物』であると言っても生物である事には変わりが無いのである。
つまり蜘蛛の糸の材質はタンパク質である、タンパク質はその質の多さや機能、構造などが多岐にわたるため詳しい説明は割合するが、ある一定を超えた高温や低音になるとタンパク質はその性質を変えるのである。
性質の変わってしまったタンパク質は元の性質を持つ事はない。故にどんなに強靭で鋼すら切り裂ける蜘蛛の糸だろうが、その性質が変化してしまう高温、もしくは低温にしてしまえばこの糸を排除する事は可能なのである。
しかしここで問題になるのがその耐久温度である、ただの蜘蛛の糸ならばどんなに強靭に束ね作られていようが燃やす事は可能であるが今回は蜘蛛の糸の魔力糸である、この魔力糸がどういうものかと言うと、蜘蛛の魔物により魔力を混ぜ合わされたものであり、そうして出来たこの魔力糸は耐久性は低温ならマイナス70度前後、高温なら1600度前後の温度が必要とされている……との情報をユアンさんがいいました。
私思うんですよ……マイナス70度とかは地球だと大体なんですけど確か人が住んでる町の限界に近い温度じゃなかったですかね?高温の1600度って鉄の融解温度以上なんですが?
そんな糸……どうやって排除するんでしょうかね?
こんな話を聞いた私とパロゥさんがどうしたと思います……反応できなかったんです、その規模が大きすぎて『へぇ~……』って状態ですね。後はそれだけ優れたモノなら色んなものに使えそうだなぁって思いましたね。
「この魔力糸に対してとれる手段は大体二択です。一つは無理矢理耐久温度を超えるもので構成材質を破壊する力技か、もしくは魔力糸の魔力を奪い焼き切れるようにするかですね……これ以外の選択肢はあるにはありますが現状用意が難しいです」
「……ユアンさん、提示された二択もどうやって可能にさせるのか分からないんですが?」
正直提示された二択も不可能だと思われるような事なのですが……低温に関してはドライアイスさえ作れないのにマイナス70度ってどうするの?高温にしても鉄の融解温度以上ってことは溶接機でも持ち込めれば可能かもしれませんがこの村にはそんなものありませんよ?
つまり温度関係の力押しは不可能……って、そうなると魔力糸の魔力を奪うって事に、元々選択肢なんてありませんね。
ですが私……魔力関係の技術なんて持ち合わせていませんよ?
などと思ったらパロゥさんから思いもよらぬ言葉が出てきた。
「いや嬢ちゃん、焼き切るだけなら多分出来る……高火力鋼鉄溶接機があるんだよ。鉄位の耐久度までなら一応余裕な火力は想定されているものが」
「高火力鋼鉄溶接機? ……え、バーナーみたいなのあるの!? と言うか、そんなものあるなら今回の事そんなに悩まなくても退治くらい余裕なんじゃないの?」
最初から焼き切るという選択肢は出来たのか……ならなんで選択肢が二つも出てきたんだ?
「バーナー? ……まぁいい、ただ問題があってな、こいつはまだ一度も使ったことが無くてな、そもそもちゃんと動くのかどうか分からん…… それに高火力鋼鉄溶接機は燃料満タンでの連続稼働時間は想定で120秒より短いんだ、欠陥道具だよ」
……はぁ? 何それ、そのバーナー何に使うのさ、と言うかなぜそんな使えないもの持ってるの?
「嬢ちゃんそんな顔しないでくれ、そもそもこの高火力鋼鉄溶接機は試作機で、試験テストを行うときにこの街の調査指令が出てな……で、ついでなんで爆発しても問題ないようにってことでこっちで試験テストしろと言われたんだ、最悪爆弾にでもして活用しろとさ……こんな開発部あっていいと思うか?」
「開発部うんぬんよりも、いくら試作機とはいえそんなものを持って遠征してきたパロゥさんに疑問です……」
本当に何で使えるかわかんないもの持って遠征に出てきてるんでしょうね……と言うか試作機ってことは国家……かどうかは分かりませんけど機密満載機何じゃ? ……考えるのやめよう、もう別の話になっていきそうだからやめます!!
「と言うわけで、実際アリスさんにお願いしたいのは高火力鋼鉄溶接機を使えるようにすること、魔力糸の魔力に干渉できるものを作る、と言う事をおこなうのでそのお手伝いですね」
そう言ってユアンさんは私の仕事内容を言ってきました。
「私が手伝えるなら手伝いますけど……私に出来る事あるのかな? 特に魔力関係は知識0ですよ」
「ボクが教えますよ、多分アリスさんなら大丈夫だと思いますから。 報告はこんなところですね」
ユアンさんの報告は終わったようです……それにしても、問題が次々起こりますね、私呪われてたりするんでしょうか? ……ある種呪われていると言われてもしょうがない目にあってますが。
「状況は分かった、この件は最優先だな……ユアン殿と譲ちゃんは早速準備に入ってくれ。必要なもの言ってくれ、出せるものなら出そう」
「分かりました、では……」
私は新しいお仕事『武器製造のお手伝い』を受けました。




