第16話
僕の名前は烏丸大地。覚えてもらう必要はないんですけどね。……いや、あるだろ。シュジンコウサマの名前だぞ。一人ツッコミはさておき、俺は今、学校の教室にいるんだが……。
「おはよう。烏丸君。休みは何してたの?」
「私は海外旅行して来たんだけど、これお土産ね。」
「ちょっと!私が先にお土産渡すのよ!」
「今、私が話してるんだけど!」
「ちょっときいてよー……。」
「ヘイ!少年!これからデートでもいかがな?」
「将来子供は何人欲しい?名前は何がいい?」
あー、もう、うるさい。俺は厩戸皇子じゃないんだぞ。聞き取れねぇよ。これも人気者の運命か。いろいろおかしいのが混ざってたな。最後の子は保健室で話を聞くよ。いや、普通に話をするだけですよ?お忘れかもしれないけど僕たち小学校一年ですよ?何をするっていうんだい?そうこうしている内に担任の廣瀬先生が教室に入ってきたようだ。
「席にすわりなさい!」
先生の一喝によって周りの女子生徒は席に戻っていった。
「はい、皆が静かになるまで一分もかかりませんでした。そこはいいでしょう。」
何人かの生徒は、何言ってんだコイツ、という様な顔になった。かく言う俺もその一人だ。
「けど皆が囲って烏丸君の周りで騒ぎ立てるなんて普通だったらトラウマものです。」
この世界の男ってメンタル弱すぎだろ。誇張したんだよね?この辺りで泣き出す生徒が出てきた。
「皆がそんなに男性に配慮出来ないとはおもわなかったよ。このことは保護者に報告させてもらうからね。」
あーあ、皆レベル1で魔王城最深部まで来ちゃった、みたいな顔してるじゃん。フォローしとくべきなんだろうけど実際迷惑だったんで黙っておくことにした。これも快適なスクールライフを送るためだ。必要な犠牲だったんだよ。許してくれ。
「あ、そうそう。烏丸君にはお土産があるので職員室まで来てね。」
なぬ?
「横暴だー!」
「そうだそうだー!」
「先生の横暴を許すなー!」
政治家を糾弾してんのかよ、コイツ等。
「うっさいわねー!いいじゃない、教頭に睨まれながらも仕事してるのっ!烏丸君はオアシスなのっ!」
「……ほう、その話、詳しく聞かせてもらおうか。」
教頭先生だ。終わったな、廣瀬先生。お墓は建ててあげるよ。さてと、皆にお土産を配るか。賑やかに学校が始まった。
余談だが廣瀬先生に渡したお土産は教頭に没収されたそうだ。




