scene45 静寂
ーーー衝撃!
ジャンガルの爪が床をえぐった。
そのすぐ脇を、飛び散る瓦礫の隙間をすり抜けかわしていく。
息が切れてきた。
それでも負けるわけにはいかない。
資格があっても通用しない...それなら...無資格の俺の出番だろ。
魔法がかき消されるなら...やることは一つ。
物理攻撃、剣で拳で...純粋な接触で攻撃するしかない。
振り下ろされる爪をかわし、ジャンガルの懐へと飛び込んだ。
剣で、拳でありったけの力を込めて叩き込む。
…当たらない。
手応えがない。
当たるはずの攻撃が直前でズレる。
当たるはずの攻撃が当たらない。
見えない壁がそこに存在していた。
それでも...諦めるわけにはいかない。
俺は拳を打ち込む。
その時、崩れた柱の破片が拳に当たった。
破片はジャンガルに当たりよろめいた。
通った...?
確かな手ごたえがそこにあった。
「そういうことかよ...!」
魔法そのものは無効化される。
でも、すでに存在している”物質”は違う。
干渉できる。
「レディアナ!ルナ!瓦礫だ!瓦礫を使え」
「...そういう事か」
「だったら簡単ね」
二人の魔法が瓦礫を吹き飛ばし無数の弾丸のように放たれていく。
直撃、連続で叩きつける。
ジャンガルが唸り体制が崩れた。
「よし今だ」
俺も魔法で瓦礫を吹き飛ばし叩きつける。
三方向からの攻撃。
逃げ場はない。
防げない。
ジャンガルの巨体がぐらりと揺れ、倒れた。
お、終わったのか…?
轟音とともに粉塵が舞い、静寂が訪れた。




