scene44 勝つか死ぬか
轟音が響きジャンガルの激しい攻撃が続いていた。
床は砕け、壁は裂け、空間そのものが悲鳴を上げているとさえ思わせる攻撃。
有効な対処方法が見当たらない。
それが正直な答えだった。
その時、レディアナが一歩前に踏み出した。
「私の魔法ならどうなるか」
指先に魔力が集中し、放出される。
雷鳴と閃光、幾筋もの雷がジャンガルへと叩きつけられる...はずだった。
しかし、雷は直撃する直前に霧散し消えた。
完全な無効化。
これは完全にあの時と...。
「やっぱり資格だな…」
同意見...だが...。
「でもお前ら資格持ってるだろ」
当然の疑問だ。
俺の攻撃が無効化されるのは当然としてもこいつらは有資格者。
無効化される理由がない。
「確かに...大概の資格はもっているわ…」
ルナは言葉を濁した...。
足りない...今ある資格では足りないという事なのか…?
「全く別の資格」
レディアナの言葉は重い。
こいつらが持っていない資格。
もしくは現存しない資格。
そんなものがあるのか?
思考がめぐるが...敵はそんなこと関係なく襲ってくる。
ジャンガルが咆哮し大気が震える。
振動が圧となり身体に伝わる。
「って言うかそんなこと話してる場合じゃないぞ!」
状況を分析している余裕がない。
生き残るので精いっぱいだ。
俺はジャンガルの攻撃をかわし扉へと走った。
この圧倒的に不利な状況、一旦逃げて、対策を考える。
…が。
「開かない!扉が開かないぞ」
押しても引いても叩いてもピクリとも動かない。
「どういう事だよ」
「ジャンガルが死ぬか私たちが全滅するかしないと開かないわよ」
ルナがあっさりと答える。
「この状況で、どうやって?誰が?」
「「あなたが」」
レディアナとルナの声がぴたりと合って聞こえてきた。
「…は?状況見えるか?逃げる方法を考えろよ」
「無理って言ったでしょ?」
「前回はどうしたんだよ」
「エスケープリーフって言う貴重なアイテムを使ったわ」
そんなものがあるなら...。
「今使えよ」
「持ってないわ。貴重だって言ったでしょ」
おいおい、倒すしかないってことじゃねえかよ。
「資格が作用してるなら、お前の持ってる資格でなんか通りそうなものないのか?」
「…思い浮かばないわ」
即答だった。
くそっ絶対絶命じゃないか...。
勝つか死ぬか...だったら勝つしかねえ。




