scene46 汚名返上
崩れた砦の中。
粉塵が落ちて、ゆっくりと視界が明るくなっていく。
漆黒の巨体は地にに伏したまま動かない。
俺たちはジャンガルを無言で見ていた。
しばらく続いた沈黙を俺は破った。
「なんだよ。資格役に立たないじゃないか」
今の率直な意見だった。
だが...。
「「そんなことはない」」
レディアナとルナは全否定してきた。
俺の意見は一切受け入れる気がなさそうである。
「いや、でも今さっき現実に...」
「なに?」
その言葉にルナが目を細める。
俺は言葉に詰まった。
「今以上に資格が必要ということかもしれんぞ」
「はあ?」
レディアナの言葉にルナが怒りの表情を見せる。
「なんなの王国は竜魔王討伐を邪魔したいのかしら?」
「そんなことはない」
レディアナは即座に強く否定する。
「王家は竜魔王討伐に全力を尽くしている」
断言したレディアナだったがルナは疑念の眼差しを向けている。
「そんなに信用が出来ないのなら、王城に言って直接確認してこい」
「それ、良いわね」
ルナの返事に迷いはない。
即決だった。
ルナは口元をわずかに上げていた。
「今すぐ行きましょう」
ルナは俺とレティシアを見ていた。
「さあ、二人とも行くわよ」
「二人?俺関係なくないか?」
王家と魔族の関係があるのかないのか俺にとっては、大した問題ではない。
まして王城に行くなど指名手配犯の賞金首が行くなど自殺行為だ。
「私も行きたくないぞ」
当然だ。
そもそもこの大変な時期に大変なことから逃げてきたレディアナが王城に帰りたいわけない。
「汚名を晴らしたくはないのかしら?それとも...やっぱり…?」
「そんなことはない」
ルナの挑発にレディアナは乗った。
乗ってしまった。
これで完全に王城へ行く流れが出来ている。
「セイ、あなたも当然行くわよね。
先輩が行くんだからね?」
急に先輩風吹かされても、なんのお世話にもなっていないんだが...。
「先輩風?」
不満そうな俺の内心は見透かされていた。
完全に行くしか選択肢はないようだった。




