Scene40 陰謀論
張り詰めた空気の中、ルナとレディアナの視線がぶつかり続け火花を散らしている。
ただただ傍観する俺ではあったが、このままでは一向に話が進まない。
この場の嫌な空気も終わらない。
俺は、深いため息とともに勇気を振り絞り声をあげた。
「まあまあ」
両手を軽く上げ二人の間に入った。
「そもそも、だ。資格制御装置と決まったわけじゃない」
そう、ここには何の確定情報はない。
勝手に決めつけてギスギスするのは良くない。
「じゃあ、何だっていうのよ?」
ルナが間髪入れずに返す。
俺の”まあまあ”は完全にルナの一言にかき消されていた。
「やっぱり王族の陰謀よね」
「王族は関係ないと言ったつもりだが」
レディアナの返しが早い。
そして静かだが、はっきりとした拒絶している。
あきらかに俺の”まあまあ”以前より、空気が重く悪い。
これ以上の悪化は避けなければいけない。
俺が耐えられない。
その必死の思いから搾り出た言葉...。
「俺が...確認してみたら良いんじゃないかな...?」
「どうやって?」
ルナは目を細め怪訝そうな顔で俺を見る。
「それは...俺が行ってジャンガルをぶん殴ってみたら良いんじゃないか?」
「そうね。確かに直接見てもらったほうが分かりやすくて良いわね」
「無資格な事が役に立ちそうだな」
「本当ね。無資格でも役に立つことあるのね」
レディアナの一言にルナが共感している。
二人の争いが収まったのは良いんだが...俺をディスる時だけ意気投合しているのはちょっと納得がいかない。
モヤっとした気持ちを抱えたまま俺たちはジャンガルが待つ北央高原にある砦を目指すことになった。




