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第9話 伝説の龍と豪華客船で宴

船内に入った鳩はお酒を整理して運んでいき、田中さんは持ってきた調味料と船内にある調味料を使って料理をしていた。


船内にある見たことない調味料を使い、田中さんは魔鯛のアクアパッツァを作った。



「田中さんって料理上手だね!」

「うん……。料理は結構好きだからね」



田中さんの料理上手を知った鳩はニヤリと笑みを浮かべ、お酒を田中さんに渡すのだった。


一方で、何故か船内に行かなかった配信カメラは、ずっとリヴァイアサン映していた。



「これがキャメラというやつか?」




―――チャット欄―――――――――――――――


『鳥肌が止まらんって』


『怖い怖い』


『これ子供泣くやろ』


『こんなに間近でリヴァイアサンを動画に収めるとか……世界中でもあの鳩しか無理やろ』


『おしっこちびったわ』


『同接少し減ってて草』


『キッズが動画をスワイプしたんやろ』


―――――――――――――――――――――――




「お〜い……。リヴァイアサンさ〜ん。お酒と料理を持って来たよ〜! 一緒に食べよ〜!」



リヴァイアサンは、アクアパッツァから香る美味そうな匂いと、お酒の匂いの誘惑に抗えず、バクバク食べて、ガブガブ飲むのだった。


田中さんも、自分で作ったとは思えない程の料理の出来と、お酒の相性に箸が止まらなかった。



「ム……この酒は……おいっ、そこの……ハトるんって言ったか。この酒の度数はいくつだ?」


「そのお酒は……あっ、ごめんリヴァイアサンさん。確かそのお酒って、96度あるやつだ……」


「なんだと!?」




―――チャット欄―――――――――――――――


『え?』


『そんなの飲ませてたの?』


『この流れはヤバいって』


『人でも一発で中毒になるお酒をリヴァイアサンに飲ませたら、流石にキレるんじゃねぇか?』


『直で飲むもんじゃねぇだろ』


『何してんだこの鳩ぉぉぉぉぉぉ』


『リヴァイアサンが震えてる……』


『ほらキレてるじゃねぇか』


―――――――――――――――――――――――




『ガブガブガブガブ…………』



チャット欄の心配とは別に、リヴァイアサンは酒をがぶ飲みしていく。



「美味いぞ! なんだこの酒は!? 全身にアルコールが染み渡るぞぉぉぉ!」



リヴァイアサンは50個もある酒樽を全て飲み干すと、酔ったように体をくねくねと動かした。


まさに、鬼殺しではなく龍殺し。


ドラゴンでさえも、人が作るお酒の前では欲に抗えなかったのだ。




―――チャット欄―――――――――――――――


『なんかリヴァイアサン酔ってね?』


『そりゃあ50個も飲めばな』


『なんだこの飲酒配信』


『同接6万だぞ!?』


『盛り上がってきたな』


『ドラゴンって酒飲むんや』


『まぁ、ヤマタノオロチとかあるしな』


『ヤマタノオロチってガチやったんや』


『さっきのキッズ戻ってきてるやん』


―――――――――――――――――――――――




それから1時間が経った。


リヴァイアサンは酒樽を全て飲み干し、田中さんはリヴァイアサンが狩ってきた魚のモンスターを調理して大忙しだった。


田中さんも、リヴァイアサンも、鳩もお腹いっぱいになり、宴配信の最高同接は8万を記録した。



「リヴァイアサンさん! 今日を思い出に残す為、記念撮影しない? 田中さんも良いよね?」


「あ、あぁ。僕は良いけど……」


「我もいいぞ!」




―――チャット欄―――――――――――――――


『レベル2のバケモンモンスターと、鳩と人が混ざった闇鍋記念撮影とか聞いたことねぇよw』


『人類初の快挙やろ』


『リヴァイアサンって結構良い奴じゃね?』


『まぁここだけ見たら良い奴よな』


『クラーケンと違って話通じるしな』


『いや、人間じゃできんやろ』


『鳩だからこそできた……のか?』


『鳥類な』


『鳥と人とドラゴンの3種族が映る記念撮影とか、世界中を探してもここしか見れないだろ』


『お前ら何言ってんだ? 半世紀ぐらい前の話だけど、イタリアの軍がリヴァイアサン討伐作戦をした時に、完全壊滅させられたんやぞ?』


『別の個体だと思うけどそう考えたらやばいな』


『鳩はともかく田中さん大丈夫か?』


『でも、楽しそうにしてんな』


『そういえば、田中さんって適応能力がバカ高かったよな……キャンプの成果やな……』


『ここのコメ欄田中さんの心配してる人ほぼ居なくて草』


―――――――――――――――――――――――



「じゃあ行くよ!」


「3」


「2」


「1」


「クルッポー」


『パシャッ』


鳩と人の人類史上初のコラボ配信は、この記念撮影をもって大成功となった。




          ◆◆◆




リヴァイアサンと別れた後、田中さんと鳩はリヴァイアサンからお礼をもらっていた。


ダンジョン海の沖から少しずつ漁港へと帰る中で、今日の事を振り返っていた。



「楽しかったね! 田中さん!」


「めちゃくちゃ楽しかったよ……多分明日は一日中家で引きこもるかな(ボソッ)」



田中さんと鳩がリヴァイアサンから貰ったお礼は世界でもこの2つしか確認されてない貴重品。


水中の中でも息ができるようになり、水圧にも耐えれるという優れものだ。


リヴァイアサンの気遣いで配信には映すことはなかったが、このお礼は世界を変えるほどの物。


なにせ人類が到達できなかった深海や、研究が進まなかったダンジョン海底を探索できるからだ。


田中さんは自分が持って良いのかと不安になりながらもトランクの中にしまった。



「田中さん! 次コラボする時は私から誘うね」

「あ、あぁ。楽しみにしてるよ」


「じゃあ、早速なんだけど……」



今日の配信で田中さんのチャンネル登録者数は100万人を超え、鳩のチャンネル登録者数は30万を超えた。


これが後の鳩の大親友。

親鳩の田中の誕生である。






    【第1幕 平和の象徴編 おしまい】

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