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第25話 天空の鳩島と田中さん(後編)

「凄いな……どうやって浮いてるんだ……それに鳩の家がこんなに……何が起きてるんだ……」



田中さんと鳩は島内を歩いて回っていた。

島内には、家がいくつも建てられてあった。

家の周りには鳩が何匹も飛んでおり、家の中に入ったり、外に飛んでいったりしていた。




―――チャット欄―――――――――――――――


『鳩が文明を築いているだと?』


『意味分かんねぇよ』


『この家もこいつらが作ったのか?』


『こんな光景始めて見たよw』


『そもそも、浮く島なんて見たことないぞ』


『島が浮いてるのはスキル……だよね?』


『つうか、田中さん指輪の効果切れてるやん』


『確かに人間の姿に戻ってるね』


『あれ? 田中さん……どうやって帰るんだ?』


―――――――――――――――――――――――




それから鳩と田中さんは暫く島内を歩いた。


島内の中心に近付けば近付くほど、ハッキリと見えてくる他とは比べ物にならないほど巨大な家。


その家に向かって。



「見えたよ! 私の家!」

「っ、もしかしてハトるんちゃんの家って……』




―――チャット欄―――――――――――――――


『え?』


『いやいや……』


『まさかな……』


『ハトるんってあの1番大きいやつなのか!?』


『嘘だろ……』


『流石にな?』


―――――――――――――――――――――――




「着いたよ! ここが私の家!」

「………………ハハッ……」



ハトるんの家は、田中さんや視聴者が薄々気付いていた島の中心にあるとても大きな家。


その家のあまりの大きさに、田中さんは笑うことしかできなかった。




―――チャット欄―――――――――――――――


『すっご』


『年収500万の俺よりも良い家……』


『いや、田中さんよりも良い家やぞ』


『でかすぎるだろ……』


『鳩1匹で管理できるのか?』


『この広さなら飛んでる鳩が全羽入れねぇか?』


『お前ら忘れてるぞ! この鳩は、普通にダンジョン内に豪華客船を持ってくる鳩なんやぞ!』


『まぁ確かに……この鳩ならあり得るか』


『平和の象徴だもんな』


『平和の象徴は理由になってないやろw』


―――――――――――――――――――――――




鳩はスキルの羽を使って家のドアを開けた。

ドアは案外普通の大きさ。

田中さんはドキドキした。



「じゃあ……入ろっか」

「ハトるんちゃんの家……どんな家だろう……」



田中さんが鳩に案内されるがままに家の中に入ると、目の前の光景に驚いた。


なにせ家の中では、鳩のスキルで出した白い羽根が大量に飛んで家事をこなしていたからだ。



「これは……全部スキルなのか?」




―――チャット欄―――――――――――――――


『想像を超えてきたな』


『てっきり、雇ってる別鳩がしてると思ってた』


『この鳩のスキル……思ったよりも強力だな』


『これだけの量を1匹で操ってるのか!?』


『ざっと見た感じ1000は飛んでるな』


『どんなスキルだよw』


『スキルの強力さもそうだけど熟練度がやべぇ』


『普通にこの量の羽根が一斉にダンジョン内で操ったら100人以上の専業探索者の働きしそう』


『多分だけど、これが全てじゃないよな?』


『ヤバすぎ』


―――――――――――――――――――――――




「田中さんこっちこっち!」



鳩は唖然としてる田中さんを自室に呼んだ。


まるでエントランスホールのような大きさのリビングで飛んでいる大量の羽根を避けて、田中さんは鳩の自室にお邪魔した。




          ◆◆◆




「何これ……凄い……」

「でしょでしょ!」



鳩の自室の中央には巨大なベッドがあり、横には配信機材やゲーム機材が置いてあった。


だが、何よりも田中さんを驚愕させたのは、自室の天井にある、プラネタリウムのようなもの。


あまりにも綺麗で、今現在も動き続けている。



「凄い……これ、プラネタリウムか?」




―――チャット欄―――――――――――――――


『自室にプラネタリウム!?』


『どんな金持ちだよw』


『しかも、プロジェクター? とかは無いぞ』


『見た感じ専用の機械は無いな……』


『は? 機械無しでプラネタリウムできるの?』


『いや、無いと出来ないぞ』


『どういうことや?』


―――――――――――――――――――――――




チャット欄を見た田中さんは、鳩に聞いた。



「ハトるんちゃん……これってどうやって天井に映してるの? 機械は無いんだよね?」



すると鳩は、もはや定置になっている田中さんの頭の上にそっと乗って答えた。



「これはね、今宇宙全体で起きてる事をそのまま天井に反映してるんだから機械は要らないよ!」




―――チャット欄―――――――――――――――


『マジかよ!?』


『プラネタリウムよりも遥かにやばいやん』


『これ、絶対MASAが欲しがるやつ』


『MASAだけじゃないだろ……こんなん』


『良く見たら星が動いてる……』


『いや、お前ら過大評価し過ぎ。MASAは既に今現在の宇宙の映像なんか持ってるやろ』


『↑何言ってんだ? 流石にこのレベルは違う』


『いや、宇宙全体やぞ?』


『あのMASAでも、宇宙全体は観測できないぞ』


『これ冗談抜きで、リリアルで専用の新垢作ってライブ映像を配信した方がいいだろ……』


―――――――――――――――――――――――




「じゃあ、田中さん! こっちでゲームしよ!」

「わ、分かったよ……」



それから田中さんと鳩はゲームをした。

天井の宇宙全体映像の下で。




          ◆◆◆




「ふ〜……ゲーム楽しかった」


「ハトるんちゃん……ゲームのプレイヤーの人数が足りないからって、自分の羽根を操作して無理やりプレイヤーを増やすのは凄すぎだよ……」




―――チャット欄―――――――――――――――


『楽しかった!』


『俺もハトるんに会いてぇな』


『次の配信はいつだろう?』


『また数日スパンが空くのか……』


『あっという間の3時間だったな』


『何気にこの鳩、ゲーム上手かったな』


―――――――――――――――――――――――




鳩と田中さんは、配信を切る前に、突然視聴者に報告をした。



「田中さん……あれを言おうよ」

「あぁ……あれね」




―――チャット欄―――――――――――――――


『ん?』


『まだなんかあるのか?』


『なんの報告だ?』


―――――――――――――――――――――――




「この度……私と田中さんで、探索者のチームを結成することになりました! チーム名はミディアムビジョンです! 応援よろしくね!」


「僕の田中の『中』……ミディアムと、ハトるんちゃんの鳩をピジョンをビジョンとして、ミディアムとビジョンを合わせたんだよ」


「ってことでみんなバイバ〜イ! 田中さんはこの後私の家に泊まってくれるから楽しみだな〜」


「ちょ、ハトるんちゃん……それは言わないで」




―――チャット欄―――――――――――――――


『チーム!?』


『ミディアムビジョンって……』


『これからどうなるんだ?』


『確か前の異世界旅で話してたやつよな……』


『田中さん羨ましい』


『泊まってくの?』


『いや、冷静に指輪の関係だろ』


『そうか……だから泊まるのか』


『それを加味しても羨ましいんよ』


『田中さん……頑張れ』


―――――――――――――――――――――――




田中さんと鳩が結成したチーム。


『ミディアムビジョン』


それは、世界中にある各組織や、関係各所に多大な影響を与えるのだった。

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