第20話 異世界トランプ
「こちらが退魔闇市裏ゲーム会場でございます」
鳩達が男に案内された場所は、怖そうな黒服達が何人も集まるゲーム会場だった。
色んな台があり、台の上にはトランプや、ルーレット、サイコロ等が置いてある。
この場に居るのは鳩たち4人と1匹。
他にお客さんはいなかった。
―――チャット欄―――――――――――――――
『これ本当に合法のやつか?』
『怖すぎる』
『黒い服にサングラスは完全に組やん』
『不安どころじゃない……』
『異世界は全然平和じゃないやん』
『これ配信自体が年齢制限か削除されねぇか?』
『ちびった』
『なんで猿とミルクとDさんは、こんな怖いやつを見て目を輝かせてるんだよ……』
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「早くしようぜ!」
「どんなゲームなのかな?」
「ここら辺……魔力が一切流れてないな……。ゲームの不正防止の為か? フッ……面白い」
3人は、1番大きな台の方へ向かった。
台へ行く前に、鳩からお金を渡してもらい、そのお金でゲームをするつもりだ。
西郷の猿はルーレット。
ミルクココアはスロット。
Dサイエンサーはサイコロをするようだ。
「じ、じゃあハトるんちゃん。僕達も行こうか」
鳩と田中さんは、トランプを持った男の人について行き、中くらいの台の前に来た。
台の上には黒と白のトランプが置かれてあり、田中さんが椅子に座ると、男の人はトランプをまとめて組で分けた。
「ゲームは四陣。私1人と、貴方と、貴方の上に乗っている鳩の1人と1匹のペアで戦う」
男の人はそう言った後、田中さんの目の前にダイヤ&ハート、スペード&クラブの2組で分けられた束で好きなものを選ぶようにと言った。
どうやらどちらを選んでも変わらないらしい。
田中さんと鳩は、話し合った末、一番盛り上がりそうなハートとダイヤの組を選んだ。
―――チャット欄―――――――――――――――
『……何が始まるんだ!?』
『ハートかよ』
『ハートで賭博のようなものをプレイするのか』
『ギャップすご』
『ダイヤはなんかエモいな』
『さっき魔導ダイヤ買ったばっかだもんな』
『伏線回収』
『こんなんハートやなくてハードやん』
『ってか、今回広告1回も来ないんやが?』
『↑収益化切ってるんじゃないか?』
『奥で3人が盛り上がってて草』
『まぁ……あの3人は対戦ゲーム強いからな。猿の感は中々外れないし、ミルクはゲームが圧倒的だし、Dさんは変態的なデータで勝つからな』
『あっちもみ゛た゛か゛っ゛た゛』
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相手の男性はスペードとクラブの組を選んだ。
彼はまず、四陣のルールを説明するためにトランプを持った他の黒服達を呼んだ。
「今から四陣のルール説明をする。1回しか言わないからしっかり聞けよ。ルールは……」
2人の男が実戦でプレイして教えた。
ルールはこうだ。
まずはハート&ダイヤ。
スペード&クラブの2組を選んで始める。
じゃんけんで勝ったほうが先行か後攻を選べる。
先行プレイヤーの一番初めの番は、1から13までの好きなカードを出すことができる。
先行の男はスペードの7を出した。
次に後攻プレイヤーの最初の番は、7よりも上の数字を1枚だけ出すことができる。
後攻の男はダイヤの9を出した。
次に先行プレイヤーの2ターン目は、場にある9よりも上の数字しか出せない。
先行の男はクラブの12を出した。
そして後攻プレイヤーの2ターン目。
彼は13を出さず、「制圧」とだけ言って、場のカードを裏返しで自分の隣に置いた。
その後、後攻の男はダイヤの2を出した。
しばらくの間ゲームが続き、後攻の男の手札が無くなってゲームが終わった。
先行プレイヤーの余ったカードは、裏返しの元場のカードに加えられた。
集計時には、場から「制圧」と言って自分の隣に置いたカードの枚数を数えた。
後攻プレイヤーの方が先行プレイヤーよりもカードの枚数が少なかった為、勝ちとなった。
そう。
このゲームの勝利条件は、最後に自分の手元にあるカードが少ないほうが勝ちなのだ。
場にある数字よりも大きい数字を出していき、相手に場のカードを取らせるシンプルなもの。
「どうだ……理解できたか?」
田中さんは頭の中で何個か疑問が残った。
「質問良いですか?」
相手の男はその言葉を聞き、質問を受け付けた。
「言ってみろ」
「手札にある13が出せなくなった時は12や11でも良いのか? それに、場の数字よりも大きい数字を出せなくなった時はどうすればいいの? それに、同じ数字しか出せなくなった場合は?」
「良い質問だ。このゲームは、場のカードよりも大きい数字を出せればそれでいい。必ずしも13や12や11である必要はない。そして、場のカードよりも大きい数字を出せなくなった場合は、場のカードを全て裏返しで自分の隣に置き、自分の手札の好きな数字のカードを出すことができる。場のカードと同じ数字しか出せない場合は、制圧をして自分の隣に置かなければならないな」
「なるほど……。じゃあ、裏返しにしたカードは見てもいいのか? それと、場にあるカードの下にあるカードはいつでも見ていいのですか?」
「裏返しにして自分の隣にあるカードは自分だけが見ることができる。場にあるカードは、いちばん上のものしか見てはならない。場にあるカードの下のカードを見ることはルール違反だ」
「なるほどな……。じゃあ、ゲームが終わった時に、隣にある残ったカードの枚数が同じだったらどうすればいいの? 十分ありそうだけど……」
「その場合は、相手と自分の残ったカードの数字を数えて、数字が多い方の勝ちだ。これでも数字が同じ場合は、その余ったカードを裏返しにしてシャッフルし、『ジャッジ』というお互いの一番上のカードをめくって数字が多いほうが勝ちだ」
「……大体分かったよ。ハトるんも大丈夫?」
「大丈夫だよ!」
―――チャット欄―――――――――――――――
『奥がふけぇぇぇぇ』
『なんか大富豪みたいだな』
『いや、大富豪よりも頭使いそう』
『四陣って、トランプのスペードとかハートのマークを軍に例えて競ってたのか……』
『↑あぁ〜〜。だから相手よりも大きい(強い)数字を出すのか』
『なんなら最後のジャッジとか、数字を数える時に大きい方が勝ちなのは、残存勢力ってことか』
『むずそう』
『鳩と田中さん……勝てるのか?』
『分かんねぇな』
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「では、早速始めるぞ」
「OK!」
「ハトるんちゃん……暴れないで」
鳩と田中さんの、共闘が始まった。
相手は黒服サングラス。
怖そうな男に挑む姿は視聴者を焚き付けた。




