第17話 異世界の危険な露店
異世界グランドサガに付いた鳩一行は、ファンタジーな街並みを見ながら露店を回っていた。
露店には、見たことない果物や、変な色をした肉と魚で溢れていた。
混乱する田中さんとは別に、Dサイエンサーやミルクココアや西郷の猿は、はしゃいでいた。
西郷の猿は、露店に売ってある肉を見てダンベル片手によだれを垂らし……
「すっげ〜〜。あの金色に輝いている肉を食べれば、停滞している俺の筋力を増強できそうだな」
―――チャット欄―――――――――――――――
『金色の肉って何が入ってんだよ』
『現代のダンジョンでも見つかってねぇぞ!?』
『ってか、本当に食べても大丈夫なのか?』
『そもそもの話、露店で生肉は危ないぞ』
『金肉を食べて筋肉を付けるんじゃなくて、菌肉を食べて筋肉に装備して菌肉ができるんか……』
『↑センスあって草』
『菌肉痛になりそうやな』
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ミルクココアは露店に売ってある果物を見て、スマホでツーショットを撮り……
「みんな凄い! この果物……ゲーミングスイカだよ! 私のゲーミングPCと良い勝負しそう」
―――チャット欄―――――――――――――――
『こえぇぇぇぇぇ』
『こんな食欲が湧かない果物は初めてやわ』
『ガチでレインボーやん』
『ドパガキの好物』
『マジで中身はどうなってんだよw』
『スイカなのもポイント高いな』
『スイカがあるってことは今は夏なのか』
『夏の露店で生肉はヤバい……猿も無理だろ』
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Dサイエンサーは、『無料で取れる』と歓喜しながら道のど真ん中に落ちている石を拾い集め、匂いを嗅いだり削ったりしていた。
「……日本にある石と同じ匂い……日本でもそこら辺に落ちている石と同じ断層……石ができる過程は日本と同じなのか……成分はなんだ……」
―――チャット欄―――――――――――――――
『Dさんガチで変態やん』
『異世界でこれはやばいだろ』
『マッドサイエンティストの鑑!』
『おいっ……変な目で見られてるぞ』
『この人怖い……』
『有害な成分が含まれてたらどうするんだよ』
『石を削るのって何気に危ないんだよな』
『目を守るやつもなしにやって……』
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暴走している3人を見た田中さんは、すぐに止めようとしていた。
「西郷さん、ミルクココアさん。お金を持ってないから露店は買えないよ……Dさんはお願いだから落ちてる石を全部拾うのをやめてくれ……」
だが、意外にも3人は聞き分けが良かった。
「確かに……この世界の金は持ってないな……」
「は〜い……分かった〜」
「なら持って帰る石はこの2つだけにしよう」
―――チャット欄―――――――――――――――
『こいつらw』
『分かったとか言って露店から去りながら、顔だけは露店の方を向いてるんよな……手遅れや』
『度胸あり過ぎだろ』
『でもお金ないのは痛いな……』
『見て回るだけでもおもろいけどな』
『欲を言うとこの3人には買ってほしかったわ』
『鳩がお金持ってるとかないか?』
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田中さんの頭の上に乗っていた鳩は、とてつもないスピードで流れているチャット欄を見た。
案の定チャット欄は、鳩がお金を持っているか持っていないかで期待が高まっていたので、『チャリンっ』と翼の下で音を鳴らした
「みんな安心して。この世界の通貨はちゃんと持ってきてるから。でも、ここらへんにある露店はあまりおすすめしないよ……色々とやばいから」
お金の音を聞いていた3人は、それでも買ってほしいと切実に願った。
「俺……あの肉食いてぇ」
「ゲーミングスイカは面白そうだから欲しい!」
「私はデータが取れる物が欲しい……頼む」
「…………マジかよ」
田中さんの心臓は激しく脈打った。
流石にあれは買いたくないと思ったから。
分からないからこそ危険過ぎる。
でも、ここにいる鳩が買えるだけのお金を持っている以上、決定権はこの鳩にある。
田中さんは頭の上を見上げた。
「う〜ん……本当に買っても良いの? 多分だけど、日本で生きてきた3人が露店のものを食べたら、お腹を壊すどころか、お腹が無くなるよ?」
「へ?」
「うぇ?」
「は?」
―――チャット欄―――――――――――――――
『ん?』
『なんか今エグいこと言ってなかった?』
『亡くなるの? 無くなるの?』
『日本は衛生管理がきちんとなってるからな』
『日本人がインドとかにある屋台の食べ物を食べても無くなったり、亡くなったりしねぇよ』
『↑いや、たまにあるぞ』
『怖すぎる』
『3人の顔草』
『なんで絶望みたいな顔してんだよw』
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「まぁこの辺りにある露店では買わないけど、ここから更に先にある、魔道具店と退魔闇市に行く予定なんだけど……そこでお金を使わない?」
「退魔闇市……名前だけで、俺の直感筋が刺激される……。早くその闇市とやらに行こうぜ」
「魔道具! 日本でもスキルを補完する魔道具は色々あるけど……この世界の魔道具は気になる」
「フフッ……。私の魂が叫んでいる。その魔道具店と退魔闇市とやらがこの旅の本命だな」
「ハトるんちゃん……本当に大丈夫なの?」
―――チャット欄―――――――――――――――
『退魔闇市だと!?』
『退魔なのか……大麻なのか……』
『魔道具店は気になるな……』
『こっわ』
『この猿の直感筋が反応するのは、今まで通りだと絶対にろくなもんじゃないw』
『野生の勘が反応するほどやばいのか……』
『多分だけど現実の闇市は反社しかいないだろ』
『怖すぎる』
『同接10万超えたぞ!?』
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白い光は進んだ。
目指すは光も差さない闇市。
そして、光を加工する魔道具店。
光と共に、
チャット欄の流れるスピードは更に加速する。




