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第15話 新コラボと異世界観光の始まり

鳩カフェ開店から6日が経った。


ここ6日間、色々準備をしていた鳩は、カフェを楽しんでくれた配信者とコラボする為に、田中さんの力を借りてコラボ企画を通す事に成功した。


裏での企画準備が順調に進み、今日は2月7日。


鳩と田中さん、コラボ相手を含めた1匹と4人でするコラボ配信は超大型企画となった。




―――チャット欄―――――――――――――――


『きたぁぁぁぁぁぁぁ』


『推しと推しがコラボするのっていいな』


『Dさんとココアちゃんとゴリラが同時にコラボって何気に初じゃね? ガチで楽しみ過ぎる』


『っていうかサムネとタイトルはなんだよw』


『ついにこの日が来たか……』


『鳩のチャンネル登録者80万人超えてるやん』


『今回のメンツ濃すぎやろ』


―――――――――――――――――――――――




チャンネル登録者数210万人の有名ダンジョン系ゲーム配信者のミルクココア。


主に、ダンジョンが関わるゲーム関連の配信をしている、元ダンジョン探索者の女性だ。


彼女は、3度の飯よりもダンジョンゲームという思想を持っており、過去に1週間飲まず食わずでゲーム配信したこともある変人だ。



チャンネル登録者数140万人の有名ダンジョン科学者のDサイエンサー。


主に、非科学的なダンジョンに科学を持っていき、検証、実験する科学者だ。


彼は、ダンジョンマッドサイエンティストと言われるほどの変人で、彼の発明は世に多大な影響をもたらしたが、毎度の事ながら失敗してしまう。



チャンネル登録者数180万人の有名パワー系ダンジョン配信者の西郷の猿。


ダンジョンに己の身一つで挑み、持ち前の力を生かして踏破していく脳筋パワー系探索者だ。


昨今の、サポートアイテムや装備などで攻略している探索者とは違い、己の身一つで踏破し、誰も止められないことから狂乱猿人と言われている。


彼の欠点は考える事が苦手というもので、失敗の数々を学習してこなかった。



そんな3人と田中さん、そして鳩がコラボするという配信は、開始直後の同接数2万を記録した。


タイトルには「異世界へ観光旅行の旅!」と書かれミルクココア、Dサイエンサー、西郷の猿、田中さんの4人が電車に乗り、車掌となった鳩が運行して異世界に突っ込むサムネだった。




          ◆◆◆




「1.2.3.4.こんにちは! 初めましての人も久しぶりの人もよろしくね。ハトるんだよ! 今日はコラボ企画ということで……この方達をお呼びしました! それぞれ自己紹介をお願いします!」


「名前にMILK COCOAって付いてるけど、正直コーヒー牛乳の方が何倍も好きです……。こんにちは! MILK COCOAだよ! よろしくね!」


「科学と数字は、物事を証明する一つの手段に過ぎない。どうも皆さんこんにちは。Dサイエンサーです。ちゃんと検知器を直してきましたよ」


「猿を舐めんなよ。人間だって元を辿れば猿だかんな。猿を舐めた人は、今からでもご先祖様に誤ったほうが良くね? どうも……西郷の猿です」


「あっ……田中です。もうレギュラーメンバーみたいになってるけど、自己紹介……いるかな?」



鳩と人間の4人は東京駅前に居た。


東京駅では沢山人が歩いていたが、彼らは邪魔にならないように駅の壁をバックに撮っていた。




―――チャット欄―――――――――――――――


『東京駅かな?』


『ここからどうやって異世界に行くんだ?』


『ってか、異世界ってなんだよw』


『アニメとか漫画でしか聞いたことねぇよ』


『あるもんなんかね』


『ダンジョンがあるからありそうだけどな』


―――――――――――――――――――――――




鳩は配信カメラの上に飛ばして、駅全体を映せるようにした。



「そろそろかな……。みんな! 東京駅の方を見て! 貴重な映像だから絶対に見逃さないでね」



視聴者だけでなく、何が起こるんだと思った4人は壁から離れて駅の方を見た。


チャット欄が期待の声で溢れ、盛り上がりが最高潮に達した時、東京駅近くの空が歪んだ。



「な……なんだあれ……」

「凄い! ゲームのバグみたい!」

「壁を壊す俺のパワーでも空は壊せないぞ!?」

「おいっ、私のダンジョン素材検知器がさっきからずっとビービーと変な音を立ててるんだが?」



『ファーーーーン』



4人が突然の事に混乱していると、歪んだ空が割れ、中からは聞き馴染みのある音と共に、『スペーストレイン第41異世界グランドサガ行き』と書かれた電車が現れた。



「ハトるんちゃん!? まさかあれって……」

「これは撮らないと……勿体ない!」

「電車が空を飛ぶってどんなパワーだ!?」

「まずい……私の検知器から煙が出ている……せっかく徹夜で改良したのに……こんなの嘘だろ」




―――チャット欄―――――――――――――――


『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?』


『東京駅ってこんな電車来るっけ!?』


『初めて見たぞ』


『おいっ、あそこにサガって書いてあるぞ』


『どういう事だ? 佐賀にでも行くのか?』


『やべぇぇぇぇぇぇぇぇ』


『今から行っても間に合うかな』


『通行人全員棒立ちやん』


『これって台本か?』


『いや、これは台本無理だろ』


―――――――――――――――――――――――



空から現れた電車は東京駅に停車すると、駅ホームにある発車標も変わり、異世界グランドサガ行きと書かれた画面が表示された。



「じゃあみんな! 行こっか!」


「ハトるんちゃん……ここ最近は、前の豪華客船とかと比べて落ち着いたと思ってたのに……」


「やばい……写真のフォルダがゲームの写真でいっぱいだ。早くいらんやつを消さないと……」


「あの電車……俺のパワーを遥かに上回っていると感じさせられる何かを感じる……負けた……」


「この検知器はもう駄目だ。電動だからか? 旧式で古典的だが、検知型ルーペでやるしかない」



異世界行きの配信はこれから始まる。


チャット欄での異常な盛り上がり、同接数6万超えの驚異的なデータ。


そして、コラボ相手の話の噛み合わなさ。


その全てがこの配信を盛り上げる要因となった。

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