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人生  作者: yoshi88
:22歳 第四章 葛藤を謳え、因果をねじ伏せる欺かざる魂は世界線を越える
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5.迷い道

 駅まで戻ってきた僕達は、今度は駅反対の山側に向かう――。


 先程の何もなかった南側とは違い、北側には小ぢんまりしているがバスローターリーになっていた。どうやらメイン通りを間違っていたようだ。


 早速山の方へ登って行こうと思ったが、神戸大学への道のりも緩い坂道ではあるものの坂道に慣れていない者にとってはなかなかの苦行である。今は腹も一杯になり、正直あまり歩きたくなかった。


 ロータリーの正面がバス停になっており、今し(がた)バスが1台、ゆっくりと目の前に到着した。乗客全員この駅で下車し、バスは暫く此処で待つようだ...。


(...何でも良い、取り敢えず座りたい。こんな小さな駅だし、北側だし、調べなくても分かる、「甲南女子大学」に行くバスのはずだ。いやきっとそうだ、十中八九そうとしか考えられない!...。)


  何も言わず、バスに乗り込んだ。当然このバスに乗車するのは初めてで、行先が何処かも分からない。そんな事は僕達にとっては些細な事である。

  中学時代好きだった伝説のロックバンドTHE BLUE HEARTSの名曲

「青空」の歌詞がふと頭を(よぎ)る。



 ・・・運転手さんそのバスに

 僕も乗っけてくれないか

 行き先ならどこでいい・・・


[出典:作詞者名 真島 昌利(ましままさとし) 曲名:青空]


 僕達はバスの一番後ろの席に座った。僕は左側、田川君は右側だ――。


 僕は背中のリュックを下ろし、柔らかい座席に着くといきなり眠気が襲ってきた。行先は田川君に任せることにしよう。窓側に肘を付いて眼を(つむ)りながら、


(...百獣の王ライオンも、食後動かなくなるのは体力を温存させる為で、・・・人間もきっとDNA中に同じような・・・太古の知恵が・・・刻まれている・・・のだろう..。)


 と、考えている頃には意識を失っていた...。


「・・・君!ヨシ君!」


(...この声は田川君だ。眼を開けなくても分かる..。)


「ヨシ君!ヨシ君!」


「うん...。着いた?」


「此処、終点らしいよ。もう降りないと」


 田川君に起こされたが、実は田川君もぐっすり眠っていたらしく、僕達は良く分からない終点の「夙川(しゅくがわ)グリーンタウン」というバス停で強制的に降ろされた。


 後で知った事だが甲南女子大学は駅からスクールバスが迎えに来るらしい...。


 これがもしもJR大阪駅の環状線で眠っていたなら、駅から駅へぐるぐると永遠に周り続けていただろう...。


 短時間ではあるものの、ぐっすり眠ったお陰で頭はシャキッと冴えていた。


 ――少し歩くと阪急電車「夙川駅」に着いた。


 夙川と言えば河川敷緑地が有名で駅から桜並木が続く美しいお洒落スポット。駅のホームからも溢れんばかりの桜を堪能する事ができる。が、今は秋である...。


 僕達は駅で神戸市東灘区本山町森に行く為に最短ルートを聞いた。


(...分からなければ、地元の人に聞くのが一番である...。)


 駅員は「夙川グリーンタウン」のバス停からJR「芦屋(あしや駅」まで行って、そこから阪急バスに乗り「東おたふく山登山口」で降りたら、大体その周辺であると教えてくれた。

 時間は15:40――。


 色々とタイムロスをした僕達は今から本当に辿り着けるのか分からないが取り敢えず行ってみようにという事になり、先程下車したバス停まで急いで向かった――。

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