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人生  作者: yoshi88
:21歳 第三章 無智と無謀の偽善者は、今日も素敵なマスクを被る 
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15.感傷(その2)

 ・・・僕は宿舎の荷物をまとめ、退去する準備を整えた。受付で手続きを済ませ、帰りの電車の時間を考えるともうあまり時間が無い。


 仁君はこの時間路上教習に出ていて話す機会はなかった。


 ヤッ君は今日の予定はあと2時間後らしく、見送りに来てくれている。


 ・・・黒いサングラスに金髪でパンチパーマ、アロハシャツ。奇しくも初めて会った時と同じ服、同じ格好だった...。


 右腕には、龍の入れ墨らしき青い模様がチラチラ見える。お互い全身真っ黒に日焼けした事を除けば何も変わらない...。


 2週間ちょっと前まではあんなに嫌だったはずなのに、今は別れるのが少し辛い。


 ・・・お互い何も言わずとぼとぼと教習所の出口まで歩いた。


「じゃぁ、な」


 別れ際、右手を差し出してきたヤッ君に、僕も、


「じゃぁ」


 とがっちり握手した。そのままぐっとヤッ君が僕を引っ張ってくる――。


 不意に抱擁する形となったが直ぐに離れた。


 離れ際一枚の紙きれを僕に寄越す。


(...何だろう?...。)


「俺の番号。地元に帰ったらヨシ兄に女、紹介するから楽しみにしとけ」



(...覚えていたのだ、この漢は...。)


 僕は微笑みながら


「あぁ」


 と、答え別れた。


 その紙切れをポケットにしまい込み、僕は急いで駅へ向かった。


 ・・・帰りの電車は直ぐにうとうとうしてしまい、あまり記憶がない...。


 合宿から久々に自宅に戻ってきた僕は、風呂を焚いて着ていた服をさっさと洗濯機に入れて、湯船に浸かった。


(...・・・ふぅ~...。)


「あっ!電話番号!」


 急いで風呂から上がった僕は、洗濯機の一時停止ボタンを押しズボンの右ポケットを探った――。


 中から皺苦茶(しわくちゃ)になった紙切れらしきものが出てきた。

 何が書いてあるのかは解読不能。


(...やっちまった...。)


 もう一度、湯船に引き返した...。

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