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人生  作者: yoshi88
:21歳 第三章 無智と無謀の偽善者は、今日も素敵なマスクを被る 
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14.感傷(その1)

 ・・・カズ君達が持ってきたお土産のお陰で、ここでの退屈な合宿生活も一変し、あっという間に今日が最終卒業検定日となった。


 これに合格すると"ヤマブキ"ともオサラバだ――。


 最初はどうなる事かと思った合宿生活も、気が付けば楽しい思い出の方が多く、非日常な体験を通して、


(...やはり自分は人と話をするのが好きなタイプの人間なんだなぁ...。)


 自覚した...。女友達は一人も出来なかったが、その件については、


(...ヤッ君に頼んでも良いかもしれない...。)


 と、最近は考えている。


 ・・・卒検は二人一組で受験し、あと助手席に教官が同乗して問題がなければ合格となる。


 ・・・残念ながらヤッ君はこの場にはいない...。


  卒検前学科試験に2度不合格となってしまい、僕も必死にサポートして3度目の試験に合格したものの卒検のスケジュールが合わず、最短でもあと2日間は残る事が決定した...。


  通常は男子寮の人数制限で強制退去になるはずだったが、僕達の部屋にはその後誰も入ろうとはせず、まだ空きがある。


 ――二人一組となった僕の相方の人は多分「通い組」の人だろう。これまで一度も見かけた事はなく、その人が最初に試験に挑んだ。


  「卒業検定試験」は車に乗車する前から始まる。


 前方後方確認せずそのまま乗り込むとそれだけで減点だ。


 彼は慎重に乗り込み問題無く教習所を後にし、路上へ出た。教官の言われた道順を走行し、広い道路からまぁまぁ狭い道路のコース――。


 無料の駐車場スペースでの駐車の方法等を試験され、最後に戻って来るルート。


 ・・・順調に試験を進めていた彼は特に大きな減点も無いまま最後の直線の道を通って教習所へ戻るだけになった時事件が起こった。


 不意に後方の真っ黒なベンツが「ピィー!ピィー!!」とクラクションを鳴らしてきた!!!


 運転していても日本ではクラクションは滅多に鳴らさない。初めて聞いたけたたましい音量に最初、僕は全く事態を理解していなかった。が、どうやら時速60キロとなっている所を30~40キロで走っていたので、それが気に食わなかったのか後続車がそれにいらいらしたらしく、一目で「教習車」だと分かっているはずなのに僕達の車両を(あお)ってきたのだ!


 頭がパニックになったのだろう、助手席の教官が、


「ウインカーを出して左にゆっくり停車して下さい」


 指示聞いていたのか、聞いていても対応できなくなったのか、ウインカーのはずが"ワイパー"を動かしてしまい、そのまま道路上でエンストしてしまったのだ...。


 ・・・あと50m直進し、右折して教習所に戻って来れば何の問題もなかった。・・・だろう...。


 落ち込んでいる彼を尻目に次に僕の番となった。


 先程の衝撃的な出来事で逆に緊張がほぐれていた僕の運転は、自分でもここ最近の中でも「一番の良い運転」と思える程、まるでベテラン運転手のような出来栄えで一発合格を勝ち取った。


 ・・・彼は不合格だった...。

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