最終章 決着
決戦開始 直後は、互角のような戦いが、出来てた‥と‥思う。
‥その中で、ベルクが退場となり、ヘルト‥と、こっちはルアさんが・・。
残ったのは、アソオス王子とアイラ。こっちは俺と王子とオリクト・・だ。
聖竜の声と共に、俺自身の、夢を見るだけの力だった『ミルゼア』の力が解放され‥体から、黒い炎のような力が溢れてる。
武器を構え、青白い光を纏う王子と並び、2つの剣を持つ、アソオス王子と向き合う。
後方では、既にオリクトがアイラを牽制して、立ち回ってる音が響いてる。
王子「ユナム、俺に合わせろ」「はい!」
俺は王子の姿を反転したような動きで、息を合わせ‥いや、もう無心だ。
アソオス「‥くっ‥」
王子の流れるような動きに、合ってると‥思ってねーけど、剣先、息を合わせるというか、そうしてアソオス王子の2つの剣との攻防が、成立してる気が‥してる。
アソオス「‥‥」ん? 俺の姿、見失ってる?‥まさかな・・。
王子『ユナム、意識を散漫させるな‥』小声で言われた。
アソオス「奥義‥」 ぅえっ?!
アソオス「炎煉華福‥」
げっ‥うぁわっ‥剣戟だけじゃ‥無い‥。
王子「‥くっ‥」
アイラ「‥おじさん!もう容赦しない!」
オリクト「誰が、おじさんだ!こらっ!」
アイラ「‥ロジエ‥アヴァ―ル‥」‥?‥何だ‥あれ・・。
オリクト「‥何か仕掛けて来るな‥。なら俺は、これだ!」
盾を地面に叩きつけると、巨大化して視界を防ぐ‥しかし、直後に‥。
・・・あ!・・オリクト!
巨大化させた盾。背後に回るだろうアイラに、警戒してたオリクトは‥。
その盾を切り取られ、取れた部分が地に落ちる前に、白目になってる アイラの攻撃が‥届く!!
オリクト「‥くっ‥そう、来たかよ‥」と、倒れそうな‥その体を、武器の重さで反転したまま、アイラの頭に直撃させた‥!!?
直後に、2人とも・・外へ・・。
王子「ユナム!」!? くっ・・やべっ‥。
アソオス王子の攻撃が、俺の腕を斬る勢いで来てたっ!
「フリュッ!」 よし、避けた!
負けるかよ‥。
王子の奥義の準備は、時間かかるんだっ・・から!
『 力は、こう‥使え‥ 』へ?
俺の体から放たれてた黒い炎は、身体強化として使ってたけど‥。
・・俺の剣に集まって、アソオス王子の炎の剣にも、負けてない!
アソオス王子の剣戟に負けずに、剣で対抗してると・・。
ふいに、俺は‥不 思 議 な 感 覚 に‥包まれた。
寝てないのに、いつものような‥夢を見てる時の感覚になってた。
王子の奥義は、もうすぐ‥発動する。感覚で、分かる。
・・・その‥結果も・・。
アソオス「?!‥レスカテ王子‥貴殿は・・っ!」
王子「‥奥義・・ ラインキュラス」
冷ややかな空気を‥纏うような声が、響く。
夢の中に居るような感覚で、素早く動いてるはずの剣先の動きが、ゆっくり絵を描くように、動いてる・・?
波の模様を描くように、複雑に 優雅に‥剣先を動かし‥。
その姿が完成した‥と、思った瞬間には・・・・。
アソオス王子…。怯んだ気がしたのに、もう動きだして・・。
あ‥その場所は・・・王子の 範 囲 内 だ・・。
王子のカウンター攻撃が、決まった!!
アソオス「ぐぁっ‥」
アソオス王子の体に、無数の傷をつけ・・・・倒れ・・た。
瞬間、周囲の壁は 消えて 無くなる。
『 勝敗は、決した! 新たな賢王は、レスカテ国のリュウとする! 』
『 皆に 祝 福 を! 』
その言葉と共に、淡い柔らかな光に包まれた‥。
思った時には、もう・・あらゆる傷が…消えていく・・。
・・攻撃が、直撃してなくても‥肩や腕、手も顔も・・切れてたからな。
王子「聖竜様に‥感謝します」王子も・・・危なかった。
奥義を放つ直前まで、アソオス王子の攻撃を、受けてたからな・・。
俺が途中‥間に入るまで・・・は。
あのカウンター奥義で、倒れてくれて良かった。そうじゃなかったら…。
アソオス「・・・」
王子「ユナム‥。酷い怪我だったが‥良かった」
「何 言ってるんですか‥。それは、王子も同じでしたよ」
それなのに、俺を支えてくれてた。ホント、俺より‥自分でしょうが。
聖竜様の癒しの力で、重症を負ってた仲間が、誰1人 亡くなる事 無く・・。
・・それぞれの王子の元へ 集う。
『 これにより、儀式は、終わりとする! 』
その声が、響いた直後に・・聖竜は、姿を現して‥俺らは驚いた!
・・・固まってた と思う。
・・あれが、聖竜?! 顔でかっ・・。
王子の周囲に集まってた俺達と、少し離れた位置で、倒れたままのアソオス王子の傍で‥泣きじゃくるアイラ、疲労感のある顔の‥他のメンバー。
その間を、長い体を滑らせ‥通って‥・・中央辺りで、上に向かって昇って行くのが見えた。聖竜様・・何する気なんだ?
姿が・・見えなくなったけど・・・。
オリクトも倒れてる。
ルアさんも、床に座ったままだ・・。王子も・・辛そうだな。
俺も・・傷は治ってるんだが、疲れ過ぎてて‥立ち上がれそうにない・・。
アソオス「‥はぁ。負けるとはな・・。こんなに‥悔しいものなんだな…」
王子「…勝敗は・・。誰にも、分かるものでは‥ありませんよ…」
ホントにな・・。何かが、少しでも変わってたら‥。きっと結果も違ってた。
ステッラ「皆さま、食事を ご用意 致しました。体を起こせますか?」
・・俺らの分まで、用意してくれてたみたいだ。
オリクトやヘルトが起き上がり、アソオス王子も‥体を起こした。
ルア「‥ステッラさん、少しこれ‥あちらに、供えても?」
ルアさんの指さす先に、聖竜の祭壇が在るように見えた。
ステッラさんが、自分が祭壇に供えるからと‥ルアさんを座らせてた。
オリクト「‥ルア、テント出してくれ‥。眠くて仕方ない‥」
ルア「えぇ。ちょっと待ってね‥」
少し回復した俺が、立ち上がって‥。ルアさんからテントを受け取り、設置していく。ミルゼアの力は、引っ込んだらしくて‥もう見えない。
アソオス王子の方も、ステッラさんがテントを出していた。
「手伝いますか?」と聞いたけど、ステッラさんが「大丈夫です。あなたも眠った方が宜しいかと」って言われたんで、テントに戻った。
・・それぞれ・・寝た。
飯くって、途端に‥眠気に襲われるとか・・。子供かよ・・すぅ・・。
うぅーーーん!・・よく寝た~・・って、あれ?!
どこだ?! ここ・・。驚き過ぎて、飛び起きた・・。
なぜか、どっかのベッドで寝てた。
いつの間に・・運ばれたんだろ?・・運ばれた・・ん・・だよな?
・・あ・・また、白い装束。
部屋の中を見ると、見た事がある・・。城の客室だ。
オリクト「‥起きたか? その服 着ろ」
すぐ傍で、オリクトが立っていた。言われるまま着替える。
オリクトに連れられ‥また、謁見の間じゃない方角へ行く。どこ行くんだ?
‥軍の施設内だ・・。
あ・・なんか広い場所・・の奥に、玉座まで在る・・。
その近くに、王子やルアさんの姿を見つけた。何してんだろ?
オリクト「王子!ルア!‥ユナムが起きたぜ」
「おはようございます‥」
いつも、俺だけ寝坊してないか?‥起こしてくれれば良いのに。
ルア「おはよう、ユナム」
「‥あの後、テントで寝ましたよね?俺ら・・」
ルア「えぇ。それは確かよ。その後、聖竜様の お力で、こちらに転移して頂いたみたいでね・・。聖竜様が昇った後、全世界に向けて‥お声が響いたんですって」え?
王子「‥新たな賢王が選ばれた事、それが私だと。聖竜様が、宣言されたそうだ」
ルア「今から、現・賢王による‥お話で、今後の方針などが発表されるのよ」その頃には、起こす予定だったらしい。
大臣「王子、そろそろ‥宜しいでしょうか?」あ、大臣さん居たんだ‥。
王子「あぁ。ユナムを頼むぞ・・オリクト」ん?
オリクト「ユナムは、俺達の横で‥こっちだ」
王子の姿や王の姿が見える・・横に、オリクトやルアさんと同じように並んで立つ。王を待ってるらしくて、続々と兵士や貴族だろうか?
多くの人が・・この場に集まってきた。
「ルアさん、アソオス王子たちは?」
ルア「そちらも、国に転送されたそうよ」
・・少し話を‥。いや・・今じゃないか。俺達の王子が、勝ったんだ。
オリクト「ユナム、前見ろ‥王が来られたぞ」と、跪く。
賢王「皆、顔を上げよ」
賢王「賢王を決める儀式は、聖竜様により終った事が‥宣言された」
王子に呼ばれ、王子の横に並び立つ。
賢王「我が国の王子、オリクト、ルア、ユナム‥。この4名は、長い旅路の果てに証を集め、最後の儀式の地・・聖域にて、聖竜様の加護の元、見事!アソオスの王子との激戦を制し‥賢王と認められた!!」
『ぉおおおおおおおぉぉぉぉぉっ!!!!!』
怒号のような、空間を揺るがすくらいの‥大歓声が起こって、ビビった‥。
王が手で制止させると・・続きを話し出す。
賢王「なお、新たな賢王に選ばれたばかりの王子に、王位を引き継ぐ為‥1年を設ける。それから・・・」
引継ぎ完了として、王子は王となる為の『戴冠式』を行い、そして‥王子の婚約者との結婚式が、同日に行われ…王となる!!って。
すげーよ・・王子。王子じゃなく、王様になるんだ!
王子を見たら、また照れたように・・皆の声に応えて、手を振っていた。
俺も・・祝いたいよ‥王子。その時には、また・・・。
現・賢王が部屋へと戻り、他の人達も・・戻っていくのが見えた頃・・。
王子「ユナム・・」はい…?
「‥これからは『王子』って、呼べないですね‥」
王子「いや‥まだ、王子で構わない」
・・何だろ?・・王子、何か・・・?
王子「‥ユナム、我が軍に‥入らないか?」え?
オリクト「おぅ!おまえなら、いつでも歓迎するぜっ!」
オリクトまで?!
「俺も、ユナムくんに‥オススメだと思うよ」振り返ったら、ソーンさんまで居る・・。まぁ、そうか。そもそも最初は、ソーンさんがメンバーだったんだ。いや、それよりも!
「いや・・俺は‥」
王子「‥ふっ・・。ユナムは、軍に‥入らぬのだよな?」
「はい・・。俺は、俺だけの旅に出たいんで‥。すみません‥‥」
諦めた顔のまま、微笑む王子・驚いてるオリクト、残念がってるソーンさん。後方で『ダメだったか‥』みたいな顔のルアさんまで、こっち見てる。
・・すんません。
王子「いつ…行くんだ?」
「まず、親に報告に戻ります」そうか・・。そう王子は言って、その夜の披露宴には参加。翌日、王子たちに挨拶した後、俺は・・旅が始まる前の・・。
キニゴスの町へと・・戻った。
母さん や 父さんに報告すると、町全体で、宴会2回めが行われた・・。
・・・もう食えないっての・・。
こうして、俺の‥。 王子との旅は、終 わ っ た 。
初めは‥なんて、それは思出話として‥。
いつか、俺だけのメンバーが出来たら、語る事にするぜ。
こっからは、俺自身の冒険の旅に行く。
いつまでも家に居ると、引き留められそうだからな・・。
王子じゃないんだから、結婚はまだ‥勘弁してくれ。
って事で、早朝には‥港へ向かって、歩き出す。
さぁ! こっからだ! 俺の物語は、これからも‥続けてく‥。
【ミルゼアの力】ユナム固有スキル。本来は、ユナムと縁の出来る人物の危機を、夢で見る能力。その夢に、本人は登場しない。怒りに我を忘れた際に 顕現した力は、世界に影響を及ぼす程の強さを秘めるとされ、かなり古い文献にしか残って無かった。聖域での聖竜の声と共に顕現した力は、ユナム自身のステータス向上や武器に纏うなどで、総合力を上げる効果があった。
【アソオス王子】ユナムの『ミルゼアの力』で強化された力と、自身に残ってる力の差を感じ取り、短期決戦と考え、奥義を繰り出した。しかし、ユナムの剣にミルゼアの力が纏った直後に、剣が重く感じていた。油断もせず、自身の勝利を確信していたが、レスカテ王子の最後の技が、カウンターと気づかず‥好機と思って攻撃したが、反撃を喰らう事となる。
※炎煉華福・・アソオス王子の奥義。※第12章 討伐 で、出したものです。
※アイラ16歳・オリクト19歳・・。どちらも若いです。
【ロジエ・アヴァ―ル】
(ロジエ=フランス語・バラ / アヴァ―ル=フランス語・強欲)
アイラの奥義。アイラが旅の中で、完成させた技。全 身体能力を極限まで高め、アソオス王子への想いを糧として意識を飛ばす(白目になる)が、バラの輪郭のような素早い動きと、アソオス王子の敵を排除するという強い思いを短剣に乗せ、普段以上の攻撃力・素早さが上がる。
※フリュ=1度だけ、確実に避けれる魔法。
【ラインキュラス】レスカテ王子の奥義。波のような模様を描くような動きをした後も、複雑に剣先を動かす‥それは、自身の身体能力をカウンターに特化する為の準備運動みたいなもの。この動作中は、無防備になりやすく、アソオス王子の攻撃を受けていたが、ユナムが間に入ったお陰で、技の型が完成し、ユナムを抜け迫ったアソオス王子の剣攻撃をカウンターして大打撃を与えた。これが、魔法だったとしても、カウンターは発動するタイプだった。
※聖竜の加護と力も、一定時間のみで‥後半は、ほぼ消えかかっていた。
※皆が疲れ過ぎて立てない中、ユナムの回復が速かったのは、見えなくはなってたが、ミルゼアの力がまだ出ていて、身体強化したお陰。寝た際に元に戻っていた。
※決戦後半と思ってましたが、早々に終わりました。
これにて、ユナムとレスカテ王子の、儀式の旅は‥終わりました。
今まで、読んで頂き‥ありがとうございました。
これにて、完結です。今後は、広告が付きますので、ご了承下さい。
読んで下さった皆様に、感謝を。 - KAMINO -




