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Ever Stride ~その先の未来は~  作者: KAMINO


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第35章 賜物

ソールさんとの再会で、今までの事を楽しく話せたのは、良い気分転換になった。


・・・王子には、気を遣ってもらってばかりだ。


部屋に在った、白い装束を身に着けたものの・・。

 これ、着て良かったのか?・・若干、不安だ。

 夕方頃、メイドが来て‥案内される。

‥白い装束をまとった俺を見ても、何も言わなかったけど・・・。


『それは王子の!』とか、言われるかと思ってたんだよ‥。



 コン コン コンッ

一室の扉に、ノックをするメイド。その後、扉が開き‥中へうながされた。


「‥よく似合ってるじゃないか」という王子の声。


「ぉ‥王子・・ぁ‥」晩飯‥一緒に食べるって約束してた。

席に座る。王子は、光沢のある、青い服装になってた。


「‥王子、この服‥俺、着て良かったんですか?」

王子「?‥どうした? それは俺が‥おまえの為に、用意させた物だ」


…どうやら、王子との食事の時には、正装でないとダメらしく‥というか、今まで着てた服は、洗濯されてるらしい・・・。見当たらないと思った。


 王子の合図で、食事が運ばれてきた。

以前に、ルアさんに指導されてた お陰で、無事に‥食事を終えた。


王子「食事も、行儀が良かったぞ。日頃の練習の賜物だな」

 「‥はい。ルアさん と 王子の お陰ですよ」


‥王子は、穏やかな優しい笑顔で、オリクト達と居る時とも違う感じがした。俺は、ソールさんとの会話を王子に聞かせてると、王子も王子で、ソールさんに旅の経緯は、ちょく ちょく話してたらしい。


王子「ソールが、結婚してたのには驚いたが‥」

 「王子って、婚約者‥居ましたよね?‥ご結婚は?」


・・・え? あ‥。聞いたらダメだったかな?・・・。


あれ?‥なんか・・・・照れてる?


王子「…そ‥その・・。戴冠式の後で‥な‥」


 ・・戴冠式・・。つまり、王になった後って事か。

「その時は、呼んで下さいよ!」俺、お祝いに行きますから!

そう言うと‥顔を背けて・・「うん」とだけ言った。


‥王子、そんなに照れなくても・・・。



王子に、旅が終わったら‥どうする?と聞かれたけど、俺の答えは決まってた。


「俺は、俺だけの冒険に、行きますよっ」

王子と出会ったから、王子達に同行すると決めたから、今回の旅があった。


‥でも、それが無ければ‥俺は、俺で新しく仲間を集めて、各地を巡りたい。

行って無い場所‥まだ まだ‥ある。


 王子の儀式の道を、優先してきたから‥行って無い洞窟とか、ヘラジの塔も‥また、挑戦してみたい。


王子「…そうか。ユナムが、そう決めてるなら‥」ん?

「どうかしましたか?」と言う俺に、王子は 首を横に振る だけだった。



王子と別れ、部屋に戻る

 明日は、いよ いよ‥聖域へ向けて・・出発だ。


白い装束は、脱いで‥肌着で寝た。




・・久し振りに…夢を見た。

酷く白く‥。白い空間に‥アソオス王子達が居る。


ベルク「王子、来るのが‥早過ぎたのでしょうか?」

アソオス「いや、明日には到着するそうだぞ」

ヘルト「‥まぁ、城からなら、そこまで時間も掛からんだろうしな」


アイラ「王子‥あの‥」なんか、いつもの調子じゃないな・・あいつ。


アソオス「アイラは、ユナムと話さないようにな」

ヘルト「そうだな。力がまた暴走したら、今度は 止まるか分からんぞ」

…す・・すみませんっ! あの時は、夢でイライラしてたのもあったから、余計に怒るのを止められなかったんだ。


 アイラは、しょんぼりした顔で‥頷いてる。


ベルク「ところで、王子‥この場所に来た時、力の波動を‥感じてたようですが?」・・・? 『力の波動』って、何のことだ?


アソオス「‥あれか。あれは、最後の試練に‥必要な力なのだろう」

ヘルト「そうなんですかぃ?」


 ‥ここに来たら‥証 持った王子は‥何か・・ある・・?



…「ユナム、そろそろ起きて支度して! 服は、ここに 置いておくから!」


 ルアさん?


 起きると、ルアさんの姿は無かったけど、いつもの服が一式‥ベッドの上に、置いて在った。


 着替えて、廊下に出るとオリクトが居た。

オリクト「よう!おはようさん」おはよう・・。


 オリクトに連れられ、謁見の間に向かってるのかと思ったけど・・。


城の出口に到着。王子とルアさんが、話してる。


オリクト「ユナムを、連れて来たぜ」

王子「ユナム、オリクト‥もう良いか?」

ルア「途中で、朝食を食べるから‥もう、行くわよ」

「はい!」


王に挨拶は‥そう聞くと、オリクトと王子で、既に済ませてたらしい。



 町中で、朝食を食べながら、今日の予定を話し合う。


ルア「まず北門を抜けて、アスピダの村に寄って昼食」

王子「その後、聖域へと入るぞ」


‥城から、わりと近い位置に‥聖域は在る。


 聖域の周囲は、氷に覆われ、聖域自体も、氷で出来てるんじゃないか?と思うほどの冷気を放つ場所なのだとか‥。昔‥習ったな・・。


王子「では、出発するぞ」『はい!!!』


北門は、かなりランクが高くなるか、王族で無いと‥通れない場所だ。


 だから、聖域に近い場所にある、アスピダの村は‥そこまで発展してなくて、未だに『村』のまま‥なんだってよ。


王子「アスピダの村は、国で支援している」

ルア「聖域と、竜様を崇拝してる民によって、守られてる場所だから…」


 そうなんだ。


 白い街道を通る。よくよく見ると、白いレンガが使われているが、経年劣化とかで、汚れたり苔がはえたりするもんなのに・・。


オリクト「特殊な聖域の石で‥作られてるらしくてな、汚れないんだとよ」

以前にルアさんに教えられたらしく、俺に説明しながら歩く。


「…あれ?‥まだ、一度も戦ってない・・?」


王子「ここら辺に、魔物が出た事は無いぞ」

 振り返った王子が、そう言う。


「…聖域に・・近いから・・ですか?」

ルア「そうよ。竜様の ご加護の賜物ね」と言ってるけど‥。


その竜様が怖すぎて、出て来れない…って方が、正しそうなんだよな。



 ゆるく話ながら、アスピダの村に到着した。

王子を歓迎する村長や、村の人たち。


村長の家に招かれ、食事をする。話す内容が、儀式と聖域についてだけ。

 まぁ いいけど・・。


その後、風呂に入らされ‥え・・また着るの?…これ・・。


着替えて、武器装備して戻ると・・。


「え?‥みんなも、白い服・・・」オリクトは、袖無しだったが、ルアさんの長いローブも、王子・・は、いつも通りな感じするけど、俺も。


オリクト「聖域に行く時は、いつも‥こうだぞ‥」と。そうなの??


ルア「‥レスカテ国は、賢王けんおうの国だからってのもあるけど、聖竜様の色の服を着るのが、古来よりの習わしなのよ」


・・それで、みんな着替えたのか。

王子「それに、ただ‥白いだけじゃないんだ」


 王子の説明では、特殊な繊維で編まれたこの布、糸、刺繍に至るまで、王族の装束を作ってる工房で、作られてる事。


 特殊な‥部分が、竜からもたらされた物らしく、防御力や魔法攻撃耐性など、様々な効果が‥それぞれ高いらしい。


ルア「ちなみに、今回 特注したユナムの服は、戦い方を見て、動き易さを考慮して、普段の服装に近い、デザインにしてもらったの」


‥特注。そっか・・俺だけ、部外者・・「違うぞ」と王子。


王子「おまえは、俺達の仲間だ。だから、ルア や オリクト の服も、新調したんだ。ユナムを部外者なんて思ってない…」

「…す、すみません。王子」


 オリクト達のも新しいのを作ったと聞いて、なんか ホッ とした。俺だけのを‥って思ったから、申し訳ない気持ちになったんだよ。


オリクト「ルアの言い方が、悪かったな‥」

 ルア「‥すみません‥」


王子「では、ルア‥あれを出してくれ」…? 今度は何だ?


 いつもの鞄から、長剣を出した。それを王子に渡す。

王子「ユナム、俺の前に・・その・・ひ・・ぅ・・」

ん?・・首を傾げる俺に、オリクトが耳打ちしてきた。


  俺は、王子の前にひざまずいた。


さっき、仲間だ・・と言ってたのに、跪け‥と言うのが嫌だったらしい。

・・気にしなくて良いのにな・・。


王子「‥ミルゼアの力持つユナムよ、我がけんとなりて、共に聖域の試練に同行してくれるか?」

「はい‥王子。もちろんです!」

王子「では、このつるぎを、そなたに授けよう」

 王子から差し出された剣を‥両手で受け取る。



ルア「後で返すから、今の武器は、預かるわ」と手を出されるので、渡して・・。王子から貰った方を腰にさす。


 白い装束に似合う、これまた白い剣に、金と青の装飾がされている。

そして・・な ん と な く だけど、強い力を感じる。


 そんな感じで剣を見てたら、今度はオリクトが跪いて、同じように‥新しい武器を受け取っていた。その後、ルアさんも・・白くて長い杖だ。


 王子の剣も、いつの間にか・・。最初から持ってた?ってくらい、馴染んでる‥細身の剣を腰に付けてた。以前、アソオス王妃に頂いた剣に、よく似てるけど‥。


・・ルアさんに呼ばれ、指示通りに動く。


王子「ここに集いし、グラセリオ。聖域で、賢王となる試練に 臨む!」

 宣言と共に、それぞれの武器を掲げ、合わせる。


   瞬間‥白く光った!


村長「‥これで、聖竜様の ご加護を、頂けました。我ら一同も、王子の賢王となる時を、お待ちしていますぞ」


 村長と村人に見送られ、俺達は 聖域 へと入って行く・・。


 氷に覆われてるけど、寒くないのが不思議だった。山のように見えてた部分は、神殿の一部だったらしい・・。どんだけ、デカいんだよ・・。


 神殿は、半透明で、所々 透明度が高く、遠くまで見通せる。


 入口に入るまでが、長い!・・白い道を、ただ ただ・・歩く。

走りたくなってくるけど・・走るのは、ダメらしい・・。



 やっと、入口に着いた。と、同時に‥どこからか、声が響く。


『よく来た‥我が子孫よ。証により、そなたを 我が聖域へ と招こう』

王子「聖竜様、ありがとうございます。皆も一緒で、宜しいでしょうか?」


 『いとも』


王子「許しが出た。行くぞ‥」俺達は、黙って頷く。


 白いと言うか‥海の底まで見えそうな床の‥そんな中を歩いて行く。

足音だけを・・響かせて・・・。




 『 賢王となる者に 祝 福 を 与えよう‥ 』

部屋の入口に来た瞬間、王子は光に包まれた!!「王子?!」

ルア「大丈夫よ、ユナム。心配 要らないの」


少しして、光が無くなっていくと・・王子が、若干 光ってるような?

王子「…凄い‥これが・・」 もしかして・・あの夢での・・?


王子は、大丈夫らしい。ホント、いきなりで‥驚いた。


 どうやら、賢王になる為の試練で、ここへ来た王族には、その者に見合った奥義と、グループ全員への加護となる力が、授けられるという。


オリクト「無事、賢王に選ばれると、継続して使う事が出来るらしいが‥」

ルア「選ばれなかった時点で、恩恵は失われるのだそうよ」


・・そうなんだ。




 しばらく進んで、大きな広間に・・人が1000人でも万人でも入りそうな、広い空間に来た。天井も高い。


王子「お待たせしました‥バーゼルドの皆様‥」王子の先には・・・アソオス王子 率いる、バーゼルド達が‥立ち上がって並んでいた。


アソオス「‥思ったより、早かったな」

 お互いの王子が、共に再会を喜んでるように見えた。



 『よくぞ、ここまで‥来た。ふたりの王子よ』また、声が響いて来た。

どこから聞こえるのか・・反響して、よく分からない。


 『これより、最終試練を開始する』


『アソオス国のリュウ‥。己の力を最大限に活かせるように、引き出す力を授けた。仲間を3人選べ。ひとりは戦いに、加えられぬ』

アソオス「決まっております。アイラ、ヘルト、ベルクの3名です」


『レスカテ国のリュウ…。仲間を守るその為の力として、絆の力を最大限に活かせる力を授けた。準備は良いか?』

レスカテ「はい。整えてございます」


  『では、最後の試練だ』


四角く‥光の壁が天井まで、伸びて四方を囲む。

‥ステッラさんだけが、その枠の外に居る形になり、閉じる。


『最後の試練は、己の信念をかけ、どちらかが力尽きるまで、戦え!』


アソオス「皆、構えよ!」

 その言葉で、武器を構えたのは、俺らもで・・。


レスカテ「‥皆、行くぞ!」


  『 始 め よ ! 』

【白装束】聖域に入る為の身なり。特注。攻撃力・防御力・素早さなどの補正がかかる特別な服。全員分が、新しく作られた。聖竜から授けられた(たてがみ)らしく、様々な効果が付与される。作れるのは、城の中にある裁縫師 達のみ。


【白い武器】賢王(けんおう)に選ばれた国の竜のみが、授けるとされる武器。儀式の最終試練に挑む者への手向(たむ)け。人の手では作り出せない能力を秘めている。ただそれも、ただ持ってるだけでは、人の作った武器と遜色(そんしょく)はない。王子が得た力によって、効果を発揮する。


【北門】村の者・ランク5・王族・王国騎士団で許可を持ってる者のみ、通行を許可される門。その先には、村と聖域しかない。


【アスピダの村】(ギリシア語・盾) 聖域の守りとして、存在している。聖竜を崇め奉る一族が、住んで居る。聖域へ入る前に、最後の試練に向かう王族と仲間で、宣誓の儀を行う事で、聖域で受ける加護の力を、より強く 受ける土台が出来る。この際、必ず白い装束を身に(まと)い、王族から仲間、ひとり ひとりに手渡される武器を、掲げる必要がある。


【聖域】レスカテ国の北に位置する、氷に覆われた場所。デイパラ神殿は、氷ではなく水晶のように、半透明~透明な物で、作られている。聖竜の魔力の帯びた鉱物。響く声は、聖竜の声とされる。なお、賢王の居る国の竜が、言葉と力を与える・・という。


【聖竜に授けられた力】試練時に、賢王としての力に慣れさせる為として、本人の能力を引き出す力を、与えられる。のちに賢王と選ばれれば、その力は、その王の力として認識され定着するが‥。選ばれなかった時点で、その力は消えてしまう。


次回・・戦いの行方…(決着まで行くかは‥不明です)・・・


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