第33章 お め で と う
俺らが、それぞれ入手した素材で、無事に王子は復活した。
・・気を取り直して、再びイムベル城へ向かうのだった・・・。
・・夢の中だったとはいえ、一度 通った道だ。
俺らは、難なく森を抜け‥城を目指した。
大小 様々な池の横を‥抜けて、城の入口へ来た。兵士が居るはず・・・。
オリクト「おい おい‥凍ってるぜ・・こりゃ…」
先頭を歩くオリクトが、いち早く見つけた兵士は・・。
王子が呪いで、寝込んでた時のように…微動だにせず、凍っている。
ルア「むやみに触らないでよ!オリクト!」
‥戻った時が‥悲惨だったら嫌だしな・・・。
兵士を避けて‥扉を押すと、開いた。
中へ入るが・・誰 も 来 な い 。
「あら、早かったのね‥」声の主は、上から俺に、斬りかかる!!
俺 目がけて来たのは・・・アイラ?!
‥夢の中でも、アソオス王子が居たくらいだ。居ると‥言ってた気もする。
俺は軽く凌ぐと‥。ぴょんっ と後ろに飛んで・・着地したアイラ。
すると、通路それぞれから‥ヘルトに、ベルクさん‥ステッラさんまで登場する。和やかな雰囲気でも無い。何だってんだ?!
ルア「ユナム、オリクト‥。エレヒア様の言葉を、思い出して‥」
エレヒアの・・『 城に居るのは、全て魔物だ。本人じゃない… 』
オリクトが武器 と 盾 を、構え直し「戦えば‥分かる!だったな!」
その言葉に、俺達は瞬時に武器を構え・・・・。
・・あれ?
王子「…あの者らは‥弱過ぎ・・だな‥」
ルア「偽者ですね‥実力、あんなものじゃないわ‥」
アソオス王子の偽者と、遭遇しない代わりに、魔物が襲って来るけど‥。
「俺らの‥敵じゃないですね‥」
・・と言いながらでも、倒せるくらい 弱 か っ た 。
2階の・・謁見扉の前の兵士も、凍っている。
・・・仕方ないから、自分たちで開ける事になった。
オリクト「準備は、良いですか?王子‥」
王子「‥あぁ。頼む」
ギイィィィ… 軋んだ音と共に、開かれる!
‥そこに、見たはずの王の姿は無く、玉座に魔物が‥座ってる?!
『なんじゃ?‥呪いが 解けておるではないか‥。あの女め・・』
王子「イムベル王は、どこだ!?」
魔物『ここは、別の空間と繋がっておる。イムベルは、わしと同じ所に、座っておるわ‥ヒョヘ ヘ ヘ‥』
ルア「そこ、どいて もらうわ!」
『 魔物が居座ってるはずだ。そいつを倒せ‥。話は…それからだ 』
エレヒアの言った言葉が、蘇る。
『わしは、ギャチャーレじゃ! お前らも‥仲良く、凍らせてやるぞ!』
オリクトが、まず先陣を切って「アエラ・ノトス!」
風の加護を纏った、棍棒で叩いた!棍棒から、追加で風の魔法が、発動したように、後ろの俺のとこまで、風が来た!
『スローバル‥。もっと ゆっくりしていけー!』
げっ…おまえが、それ使うのかよ・・。
ルア「‥クラリティ!‥無駄よ!そんなものっ」
ゆっくりになったかと思った、次の瞬間には‥戻ってた。
凄い! 俺も戦わないと!
あいつ、他の魔物 出してくる!
・・しかも、炎竜チームの誰かの姿になって・・って弱いから、全然っ!脅威じゃないけどな!
おりゃっ! とりゃあー!‥ 俺が、ルアさんに近づく…偽者を、倒してる。
ルア「‥ヴァルジア‥と・・。クレシオ!」
補助魔法かけてくれてるので、戦いやすい!
王子「ルアも攻撃に参加してくれ!」
『 これでも、くらえー! イ ノ ン ダ シ オ ン 』
魔物が唱え終わると同時に、どこからか大量の水がっ ごほっ!うぷっ!
部屋中に、水が溢れ‥俺らは‥魔法が使えない以上に…水が、うねって‥。
うまく‥武器を振れないし、あの魔物に・・届かない!
敵の攻撃で、偽者は全滅したが・・・・これじゃあ‥。
オリクトは、重い武具のお陰か・・床に留まって、ゆっくりだけど‥攻撃を与えてるように・・見える。
ルア『‥グ・・グレイ シア・・』 ん? ルアさん・・ぅ・・
部屋中に存在している、水が、次々と氷の塊になって、ギ‥なんとかに・・飛んで行く! 繰り返し唱えてるのか‥どんどん、氷に変化してるお陰で、だいぶ‥水嵩が減って‥。
俺も王子も、天井近くで息を吸って‥潜って行く・・。
代わりに、ルアさんが浮き上がって行った・・・。
まだまだ、水は‥ある・・。ゆっくりでも、確実に‥ダメージは与えてる!‥だけど、相手の方が、行動が早い!
俺も やってみた。 えーーと・・・。 シュネーレーゲン!!
キィィィィン うっ・・やばっ?!
ガシャン‥ うわっと!
俺‥魔法・・発動 出来た・・。口に…出してないけど・・。
今まで、俺らを遮ってた水は‥全部、氷の粒と雪に変わった!
それで‥空中から、いきなり重力感じて、落下したんだ。
‥あっぶねー・・。自分の魔法で、自分が、ダメージ受ける所だった。
オリクト「よく やったな!ユナム!! 助かったぜ!」
‥水中で、顔 赤くしてたから・・キツかったんだろう。
『ぉ‥おのれ~‥』
王子「‥デルフィニウム‥」
『‥?…ぅ・・ぐ‥・・ぐぅぁああっ!』
王子の技・・早過ぎて‥あんま、見えなかったけど・・。
ルア「これで、さよならね‥ソレイユナ!」
‥光の線と、その光の周囲を回るようにして、何かキラキラしてる・・。
『 …ぃぎゃああああぁぁぁぁあぁぁぁ…‥‥』
・・やっと、倒した。
「ふー・・なんとか・・倒せましたね・・・」
ルア「今の内に回復するわね‥。サイ・リジェン…」
…はー・・傷も疲れも消えていく・・。
王子「それで‥この後は・・ぅっ…」
ルア「王子?!」
ルアさんが、駆け寄るのを制止して、問題 無いと言うけど・・。
突然、見えてる景色が…ぐらっ と揺れて‥。思わず 目を瞑った。
王子「‥ここは、入口か?」
その声で、目を開くと‥開きっぱなしの城の入口に、俺ら全員が…居た。
エレヒア「上手く、倒せたようだな‥」
声に驚き、振り返ると‥エレヒアが居た。
「‥なんで、あんたが‥ここに・・」
エレヒア「そんな事より、前を見ろ」
再び、前を向くと・・・。
オリクト「奥の方の池から、何か、出て来たぞ!」
ルア「こっちの池からも!…像?」
王子「‥こちらも、出てきたな・・」
「こっちも・・って、全部の池から・・出てる」
様々な姿の‥苔も付いてない綺麗な状態で、その像はそれぞれ、池から出現して・・城の方へ向き直る。
・・・何が、始 ま る んだ?
全部の像が、城を向くと‥突如、目の部分が光って、光を放つ!
ルア「‥何が、起きるのかしら?…こんなの、文献でも‥見た事 無いわ‥」
城‥に、光が当たってるのか‥と思ってた。
だが、よく よく見ると、空間に当たって‥ヒビが、入っていく‥‥。
エレヒアは、幻の城が消えるのに、時間が‥かかると判断したのか・・俺らを集め、意味深な言葉を残し・・森へ・・戻って行った。
ルア「本当に、エレヒア様は‥博学ね・・」 そうなのか?
王子「皆、エレヒア殿の言った言葉は、覚えているな?」
俺も、オリクトも頷く。
パリン ッ
そんな小さな音が、鳴った瞬間に・・・風の音が、響きだした。
王子「凍ってる者たちを、起こすぞ!」『 はい !!! 』
呪いは溶けても、それは・・城だけ の話。
兵士とか、城に居る全員を‥起こす為に‥手分けする。
途中‥「オリクトが、大声で叫んだら‥ダメなのか~?」という、俺の情けない声に、近くに居た王子が…「それでは、振動で‥壊れるかも知れないぞ‥」と。
‥この城、物凄い・・・人数だった。
オリクトもルアさんも、王子も俺も・・。くた くた‥だった。
あの、ギ・・何だった? もう忘れたけど。
そいつとの‥バトル直後…だった…ってのもある・・。
ルア「少し…休憩・・しましょう」と、言って‥どっかの客室の机に、簡単に食べれる‥具が挟まった、パンを食う。水も‥飲んだ。美味かった。
全員の・・疲れた‥息遣いが‥聴こえる・・。俺も含めて。
王子「残すは・・謁見の間・・か?」
オリクト「えぇ。ある程度は…起こした奴らに、引き継ぎましたから」
「‥あとは、王様‥だけ・・ですか?」
ルア「大臣‥も、居るのではないかしら・・」 あぁ‥居た…気がする。
しっかり休憩して、濡れた装備を‥着替えた。
ルアさんを待って‥みんなで、移動する。
‥着いた時には、誰かが起こしに来たのか、扉の前の兵士も、中に居た‥王様や、大臣‥兵士も、起きてた。
王の前に‥揃って跪いた途端・・。
一瞬、白く光った。・・・なんだ?
国王「レスカテ王子と、グラセリオの皆様方‥顔を‥」
ルア「…王子、既に 証が、出現しています・・」
王子 と 王様の間に、浮かんでいる。
王は、静かに頷き‥
「アコルダール・レ・アムレート…!」
その言葉で、また少し光って‥王子の体内に…入っていった。
国王「…レスカテ王子よ。よくぞ…必要な証を、全て集めた! これで聖域へ 向かえるぞ。おめでとう‥」
大臣「おめでとうございます!グラセリオの皆様!」大臣が‥そう言うと、兵士たちも‥みんなが「おめでとう」と言ってくれる。
でもまだ・・。最後に行く場所が‥在るんじゃ?と、俺が首を傾げてた。
ルア「それでも、全域を巡り‥証を得た事は‥喜ぶ事よ」
「それにな、ユナム‥。これで必ず、国王に‥なれるって、決まったんだぜ!」‥と、オリクトが続けた。
・・・だから『 お め で と う 』だと言う。
「王子が・・王様に・・。凄いですね‥」
王子「‥俺は、賢王を目指すがな‥」
オリクト「えぇ!ぜひとも、お願いしますぜ! 俺も、最後まで 一緒だ!」
ルア「…オリクト、言葉遣い‥。私も そう願っています。あと少しです」
「俺も! 最後まで‥一緒ですよ、王子!」
王子「‥みんな、よろしく頼む…」
‥儀式の為の・・最低限は、整った。
ルア「では、こちらで…」
王子「いや‥。ルアが良ければ‥レスカテに‥戻っておきたい」
ルアさんの魔法陣の予定だったが…。
イムベル国を 救ったも同然 と言われ、城の地下1階・・国の魔法陣を、使わせてもらえる事になった。
ルア「本当に、ありがとうございました」深々と お辞儀している。
王子「城に戻ったらまず、父上‥。賢王に報告する」
オリクト「そしたら、休むんですかい?」
王子「‥そうだな。オリクトは‥家に戻っても、良いぞ?」
オリクト「まだ、行きませんぜ。最後の儀式‥終わってからです」・・良いのか?と聞いてるけど、オリクトの考えは、変わらないみたいだ。
・・そうだよな・・。全部、終わってから‥。
魔法陣が起動し、大臣や王に見送られ‥俺達は、レスカテ城に戻った。
いよ いよ・・最終章かよってくらいに、なんか緊張してきた!
まずは賢王に 報告。その後は、自由時間らしいけど‥どうしよう?
兵士「賢王、王子とグラセリオのメンバーが帰還、致しました!」
賢王「通せ‥」
【幻のイムベル城】コロモス女王の呪いの波動に、便乗して‥イムベル城を、呪う事に成功する。魔物の親玉が、陣取っており、城 内外の兵士もろとも凍り付かせ、異空間の玉座にヌシが座っていた。
【ギャチャーレ】(イタリア語・凍る)
イムベル国のような寒い所を好む魔物。コロモス女王の呪いの魔力に呼ばれ、城を凍らせ、儀式特有の魔力変動により、城を幻で包む事に成功した。氷や水の魔法を操り、様々な能力低下や状態異常にしようとしてくる。水の中でも、息が出来て、自在に動ける‥水棲魔物。部下の魔物を、敵の嫌がりそうな姿に、変身させる事が、出来る 能力を持っている。
【アエラ・ノトス】風 属性・中級・単体・逆巻く風を発生させる魔法。
※スローバル=即 発動型・全体・行動の速さ、個人の速さを、遅くする魔法。
【クラリティ】光魔法・状態 異常 回復・全体・上級魔法・気絶以外の回復
【ヴァルジア】補助魔法・全体・攻撃力アップさせる。
【クレシオ】補助魔法・全体・魔法防御力アップ・上級魔法。
【イノンダシオン】(フランス語・洪水) 水魔法・上級・全体 攻撃魔法
大量の水を魔力で作りだし、決められた空間内に満たす魔法。勢いよく出現した水は、空間の壁などに当たる事で、水流が自然に生まれ、うねり出す。唱えた者にしか、基本は消せない。
※グレイシア=氷属性・低級・単体魔法。空気中の水分を集めて、凍らせて‥敵に放つ魔法。今回は、水中での発動だったので、通常よりも、魔力も抑えられ、水嵩も減った。
【シュネーレーゲン】(ドイツ語・霙) 氷属性・全体・中級・それなりに、魔力は必要。これもグレイシア同様に、周囲にある水などを 氷の粒 と 雪 にする魔法。氷粒が大きければ、かなりダメージを与えれる。今回は、残ってた水を氷の粒にして、水嵩を大いに減らす事に‥成功する。
【デルフィニウム】レスカテ王家・剣技のひとつ。最近 出来るようになった、難易度が高い技。線の細さを感じさせ、周囲に冷気と共に、敵が気にならぬ程に、高速の早業で切り刻む! 氷属性。寒い地方で、より効果を発揮する技。
【ソレイユナ】光・星の合体魔法・全体・奥義に近い魔法。高い位置に空間を開き、光線を敵に降り注ぎながら、細かい星が、光線の周囲を瞬く。それぞれが、敵の皮膚に、当たった際は・・焼け焦げ、星の粒子で、追加ダメージが入る。
※サイ・リジェン=全体 回復 魔法 以前は、体力や傷のみの回復だったが‥。今は、使い続けてた事で、疲れ も 回復 出来るようになった。
次回、懐かしい人と・・再会して・・・




