第32章 王子 復活!
夢の鏡/魂の石を手に入れた俺たちは、3つめの素材の為に貴族宅に来ている。
‥闇の精霊に唆される事なく、オリクトの話を聞いて過ごした。
そして・・これで、3つ揃えば・・やっと、王子の所へ行ける!
オリクトと想像の範疇を、越えない話をしながら夜になり・・。
オリクト「おめーは、寝てても 良いんだぜ?」
‥ルアさんを待っていようと、俺たちは‥起きていた。
「オリクトこそ、寝てても 良いんだぞ?」ふっ‥と笑ってしまう。
これで無事に、入手出来れば‥。やっと、王子の呪いが 解ける。
オリクト「王子の呪いが解けたらよ、儀式は どうなるんだろうな?」
「まだ、やってないんだから‥改めて王に会って、やるんじゃないか?」
たぶん。
オリクトも、まぁそうだよな・・って顔してる。
部屋の灯りを消したら‥眠くなってくる・・ねみーー・・
‥ ‥‥ ぅ‥
うん?・・何だ?
… ‥ ぃ‥ぃゃ‥‥ ぅ…
オリクト「‥何か、聞こえないか?」 うん 聞こえる。
「…ルアさん・・かな?」
‥ …っ… …ぅ…・・・・・・
隣で、何が起こってるんだ・・・?
・ ・ ・ ・ ・
その後、声が聴こえなくなった。
そのせいか、何も聞こえない時間が過ぎて、眠かった事を‥思い出したように・・俺は 寝 て し ま っ た 。
…ぃ‥ゃ‥ぁぁぁ… ぅぅっ‥ っ…
あれ? いつの間にか寝てた!って勢い よく起きる!
直後‥隣の部屋から…。
『‥‥ぃやぁ ぁ ぁ ぁ あ あ あ っ!!‥‥』
ルアさん?!
オリクト「何だ?! 今の声、ルアか?」
『ミルゼア、セグナート、聴こえる?』
「精霊様、聞こえてます」
『エルグレイン、ルアね‥。手に入れたから…袋 持って、こっち来て』
俺は、オリクトと共に、隣の部屋に向かった。
扉を開けると、ルアさんは‥あの‥精霊が出てきた、何も 描 か れ て な い額縁の方を向いて、膝をついた状態で、床に頭が付きそうな感じで、蹲っていた。
「ルアさん、大丈夫ですか?!」
オリクトが手袋を付け、ルアさんの横に膝をつき、受け取る。
それを俺は、ルアさんから預かってた‥素材を入れる袋を広げて、オリクトの持って来た 物 を‥入れた。
オリクト「ルア、立てるか?」
ルア「…少し、待って…」
『それじゃ、またね。‥アルヒに、宜しく伝えてよ‥』と、それまで‥そこに居た精霊は、額縁から出てきた時のように‥なぜか、足から‥戻って行った。
その少し後に、駆け付けたのか‥扉が、勢いよく開いた。
アルヒ「精霊様は⁈」…俺が、今しがた戻った事と‥精霊が「よろしく」と、言ってた事を伝えた。
アルヒ「‥そうでしたか」と‥カーテンを開けた。もう朝だ。
さっきの部屋に、食事を用意したから‥と俺を、先頭に部屋に戻る。
…叫んでた気がするけど・・。ルアさん‥大丈夫なのかな?
部屋に戻って来て、食事する時には‥もう・・いつもの雰囲気だった。
オリクト「少し、休んだ方が良いんじゃないか?」
ルアさんは、首を横に振り、挨拶 済ませたら戻ると言う。
「‥本当に、大丈夫ですか?」普通にしてるけど・・。
俺を、真っすぐ見る…ルアさんの意思は‥固い。
オリクトと目が合って、お互い『 やれ やれ 』って顔をした。
食事が済み、支度を整え‥アルヒさんに挨拶に行くと、部屋に持って来ていた‥あの額縁を、元の場所に戻してる所だった。
俺達に気付くと「もう行くのですか?」と言われつつ、戻る事を伝え…お礼としての お辞儀をして、その場を去った。
家の外に出て、扉が閉まったって思った時には・・・。
パリンッ
ヒュィュゥゥゥウウゥゥゥウ‥‥
…さ・・・・ささささ寒い!!
ルア「ご・・ごめんっ!はい!ユナム、オリクト‥」と、慌てて防寒着を 出してくれたのを着る。
「はー‥。さ…寒かった‥」
オリクト「さすがにアソオスの気候から、こっち飛んで来ると‥」
へっ ぶしょぃっ!
オリクトの変な くしゃみに‥俺もルアさんも、笑った。
ルア「オリクトのお陰で、暖かくなったわ‥ふふっ」
喜んで良いやら 分 か ら な い と、いうような顔をしてるオリクト。
エレヒアの家の近くに 飛んで来たらしく、すぐ家のドアをノックする。
『入れ』
‥相変わらずだな‥あの人。
エレヒアは、ドアを開けた俺達に‥手を向けて「よこせ」と言わんばかりの顔をしてる。
ルアさんが、素材3つ入ってる袋を渡すと、オリクトに渡したのと‥同じ手袋を付けて、別の部屋に入って行く。
扉が閉まりそう・・あ・・背で止めた。
エレヒア「薬を作るから、王子の居る部屋で‥待ってろ」
‥そう言って、扉が閉まるのを見る。
ルア「‥確か、2階だったわね…」
オリクト「ユナム、行こうぜ」肩を叩かれ、頷いて2階へ進む。
王子は、寝てるように見えてるけど‥。
よく見ると、細かいヒビみたいなものが‥出来てた。
ルア「王子、只今 戻りました」
オリクト「王子、今‥薬 作ってますから‥」
「王子、戻りました。きっと、すぐ治りますよ」
しばらくすると、階段を上る‥足音が聞こえてきた。
ルアさんが、ドアを開けてると「助かった‥」と両手で持って、何かの 液体が入ったタルを…運んで来て・・王子のベッドの横に‥置いた。
エレヒア「両手で持つ事になるとはな・・3つは、多くなる‥と」
とか なんとか、ブツブツ言ってる。
ルア「これが、あの3つの素材から‥出来たのですか?」
エレヒア「そうだ。今から解呪をする。ルア、少し頼まれてくれるか?」
何だ? なんか、魔法で何かしろ・・?って、言ってるみたいだけど・・。
ルアさんが、頷き、オリクトと俺に、2人の後ろに下がるよう言う。
ルア「では、始めましょう!」
ルアさんが、何かの呪文を‥祈る姿で、唱えている。
その言葉が、白い魔法陣を…王子の上に、展開されていく・・。
壁まで通り抜けて‥外まで、はみ出してるように、窓の外に見えていた。
魔法陣が完成して、くる くる 回ってる。
エレヒアも、何か唱えだした。逆回転してる魔法陣を‥展開し始める。
陣が完成した瞬間、それまで回ってた2つの魔法陣は…カチッ と、音を立て‥重なった!
エレヒア「エルミナ・ソムニア!」と言った瞬間、タル内の液体がっ、上に向かって天井付近で、魔法陣に降りかかる!
白かった魔法陣は、赤紫色に変化し、再び 回り 始める。
そして、王子の体から、陣と同じ色の‥煙のような‥何かが、魔法陣に吸い寄せられて‥消えていく・・・。
全ての呪いの元が‥消えた瞬間に、魔法陣は凄く小さい球になって、王子の布団の上に降りた。それをエレヒアが拾うと、俺達の方へ向き直る。
エレヒア「これで呪いは解けた。さて…貸した物は、返してもらおうか」
と再び、手を出され‥簡易魔法陣の板と、手袋を渡す。
エレヒア「起きるまでは、触るなよ・・」と言って、片付けに降りて行った。
「ルアさん、お疲れ様です・・」
ルア「うん。これで‥きっと、大丈夫よ」と王子を優しく見てた。
小さな声が漏れて‥‥王子を見ると‥。
「王子!」 目が 覚めたみたいだ! 良かった!!
ふたりも、王子が目覚めた事を喜んだ!
王子は、場所が変わってる事に‥驚いてたし、ずっと悪夢を見てた事を‥この後、エレヒアの説明で‥知ったようだった。
王子「‥助力に感謝 致します。エレヒア様‥」
エレヒア「そこまで畏まらずとも良いよ。私は 既に軍を去った、一介の薬師だからね、王子様…」
・・なんか、俺らと態度 違うんじゃね?
王子にまで、あの態度なら‥文句言ってたと思う。俺ら。
王子「‥今まで見ていたのが、悪夢とは。しかも‥呪い…」
エレヒア「呪いを受けたのは、儀式だろう。他の者達まで、その呪いの中に 落ちたのは、この森に入るよりも前だろうな・・海上か‥」
土地が、切り替わった際の吹雪で、既に 惑わされてた って事らしい。
オリクト「そんで? 王子の呪いが解けたなら、城も解けた‥」
エレヒア「いや、それは‥これからだな」
まだ やるの?って顔してたの バ レ た‥。
エレヒア「城は未だ、囚われのままだ」
王子「どうすれば‥?」
エレヒア「…これは、既に儀式なのかもな・・」
ルア「それは、どうしてですか?」
・・本来なら、呪いを受けた‥王子の解呪が、成功したら‥城の呪いも解けてるはずらしい。でも解けてない・・・と、確認したという。
町の人達も、森の先に‥行けないらしい。
エレヒア「…以前の儀式では、こんな事にはならんかったのにな‥」
現・賢王が、儀式を受ける際には、そういう話は 無かったそうだ。
オリクト「だから、今の状態は‥儀式になってるってのか?」
エレヒア「ま、たぶん‥だがな」
ひとまず、疲れを癒せ・・と、4人部屋に案内される。
その部屋には…テーブルと4つの椅子も在る。
王子「‥皆、すまなかった‥。苦労をかけたな…」
オリクト「王子が居なかったら、儀式どころじゃありませんからね」
ルア「気になさらないで下さい」
「治って良かったですよ!」
俺達は、王子が治って‥本当に良かったと思った。
王子「…皆‥ありがとう」
王子も、ルアさんも、少し休む事にしたみたいだ。
オリクトも俺も、昨日は‥まともに寝てない。
‥まだ昼前の時間に、寝てた。
・・・なんか、美味そうな匂いが・・・。
「‥なんだ?」
エレヒア「起きたか‥。テキトーに 食え」
・・は? 首 傾げながら、ベッドから降りると・・。
テーブルに、鍋と食器類が、置いてある。飯‥作ってくれたのか・・。
‥匂いに誘われて‥オリクト、王子‥ルアさんの順に…起きてきた。
エレヒアが持って来た事を伝えると、俺が よそって‥みんなで食べる。
普通に美味い。鍋が空になるまで食べた。俺も。みんなも。王子も。
オリクトが、鍋や食器を階下へ 持って行くのを見送って、ルアさんは‥王子の服装や俺らの装備を、新しい物にしようと出してた。
・・そういや、俺・・っていうより‥王子以外・・。
全員、レベルが1つ上がってた。
素材取りに行った時‥戦って 無 か っ た のにな?
王子「‥ユナム‥。その・・」 ん?「何ですか?」
何か、言い難そうなにしてる気が‥するけど・・・?
王子「その‥突然 倒れて、驚かせた‥だろ?」
倒れた時は、確かに驚いたけど…「謝らないで下さい 王子」
王子は、きっと謝ろうとしてたんだろうな・・・。
先回りした 俺の言葉に 驚いてる。
「あれは、不可抗力ですよ。そも そも 呪った女王が、悪いんですよ‥」
ルア「王子、もう…そのくらいで、この話は 止めましょう」
「それよりも、聞いて下さい!」と、俺は‥素材集めの話を、王子にした。
戻って来たオリクトも、俺に聞かせた時のように、話してた。
‥ルアさん…は、言いたくない・・みたいだった。
俺らの「大変そうだった」で、終わった。
エレヒアに挨拶して、城へ向かう事になった。
そして、助言のような・・攻略?を‥聞いた。
王子「エレヒア‥様、皆に協力頂き‥」という王子の言葉を、遮って喋ってたけど。お礼は、もう聞いたからって。
王子「・・・・」お礼・・言いたそうだけど。
エレヒアの家を出て、少し道を戻り、改めて城を目指す事になった。
王子「‥行くぞ! 今度こそ!」
『 はい!!! 』
※ミルゼア=ユナムの事・ゼグナート=オリクトの事。
【月の滴】闇の血縁のみ、受け取れる。ただ直系でないと、非常に 苦痛 ( 拒絶反応 )を感じる らしい。月=闇の力/滴とは言うけれど、実際には‥精霊の魔力を浴びてる状態で、体内で作られ‥口から出る 何か。女性の両手に乗る大きさ。
【エルミナ・ソムニア】” 夢を浄化する祈り風 ” という意味の解呪 魔法の1つ。魔力の高い者に呪われた際の、最強 解呪 呪文+特別な素材で作った薬剤の組み合わせで、どんな呪いも解ける。‥その特別な素材入手が、基本的に 困 難 な為、扱える者は ごく一部。解呪には2人の術師と、特別な薬剤が必要。
【王子から出た煙のような物】呪いの魔力が、視認 出来る状態で、出た物。普通は見えない。なお、出来た薬剤の色で、見える色も変わる。
※王子以外のレベルアップ=特殊素材を採る際には、神域に近い場所へ行くか、精霊などに会う必要がある為、その経験によって‥上がった。
次回・・今度こそ、イムベル国の儀式の証を貰いに・・・




