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第29章 夢の鏡

 俺の夢に干渉してきた、エレヒアに言われるまま、俺たちは・・。

最初のアイテムの為と、賢王に報告の為に・・レスカテに 戻ってきていた。

オリクト達と、レスカテ城の謁見の間に移動した。


兵士「賢王けんおう、オリクト・ルア・ユナムの3名が到着しました」

『よし・・通せ‥』扉の奥から、あの…重く響く声が聞こえた。


直後、謁見の間の扉は 重そうな音を響かせ…二人の兵士によって、開かれる。


賢王「‥リョウの奴は、どうした?」

…そうだよな・・。王子が居ないなんて、オカシイもんな・・・。


オリクト「それに関しては、私から‥報告がございます」

・・オリクトが真面目な口調で、王に‥事の経緯を話 始めた。


 いつも、くだけた話し方しか、聞いてない俺にとっては、意外な一面 見た 感じだったが・・。やっぱ、王子の側近らしい 振る舞いなんだろうな…。

ルア「はい。それで王子は、イムベル国の薬師・エレヒア様に、預けています」

賢王「げぇっ⁈ エレヒア !!」 ・・え? 俺たちは、王様を見上げた。


賢王「ぅ‥ゴホンッ いや‥そうか! まぁあの者に、任せておけば‥安心だな・・うん!」

オリクト「‥本当に、大丈夫なのでしょうか?」

 ルア「何 言ってるの⁉ 大丈夫に 決まってるでしょ・・」

だがよ・・ってオリクト、まだ言ってる・・・。

 今は、信じるしか‥無いじゃないか・・。


賢王「‥オリクトは知らぬのだな‥エレヒアを…」

・・・俺も、知らないけど・・。


兵士「そうか‥オリクトが入るよりも、前の話でしたからね・・」

兵士「あの人の…」

賢王「いや待て。今は、エレヒアの事より、リョウの事だ」

ルア「…そうでした。賢王‥このレスカテの国内に『夢の鏡』なる素材はございますか?」


賢王「…エレヒアは、何と・・伝えなかったのか?」


 顎を触って、何かを考えるような‥仕草をする王は、何かを思い出したように立ち上がり・・『グラザーを呼べ!』と。


数分間 賢王は、オリクトに‥エレヒアが軍に居た時の話をしていたみたいだ。

 俺も聞きたかった。…だけど、聞かなくて‥良かったのかも。


・・・オリクトの顔が、どんどん青くなってくんだから。

 何を‥聞いてるんだろ?


兵士『グラザー様が、到着しました!』


 外で、兵士の声が聞こえて、長いローブを引きってる、魔法使いみたいな姿の‥男が入って来た。


賢王「おぉ、わざわざ、すまんな友よ・・」

グラザー「いいえ。構いません。…それで、何用か?」


賢王「実はな、おまえ 知ってるか?『夢の鏡』とやらを‥」

 グラザーって男は、その素材の名前を聞いた途端、驚いてた。


グラザー「賢王が、その名を口にするとは・・・」

賢王「知ってるなら、在処を教えてやってくれ」

 こいつらにな・・と俺らの方を向かせる。


グラザー「では別室をご用意 頂きたい。話は、それからです。それと『ミルゼア』の力を持つ者が居ないと、入手するのは困難です」


 「…俺が・・そうです」と言うと、上から足の先まで見て‥一度 頷く。


 その後、謁見の間から出て‥少し歩いた先の客室で、話を聞いた。


グラザー「まず、在処について‥ですが‥」と話 始めると…すぐ俺の方を見ながら「君が、夢を見てる状態でしか、入手出来ません」と言われる。


ルア「…どこで・・見れば?」

グラザー「…この城の中に『ウィータ・マウトの部屋』が在る」


 何それ? え・・ルアさん? なんで、そんな・・

オリクト「どうした? ルア・・」

ルア「でも、そこは・・」


‥普段は、封印されてて、簡単に‥入れる場所じゃないらしい。

グラザー「能力の無い者は、入らぬ方が良い。戻って来れなくなる」

 「それって・・・・どういう・・事ですか?」


ルア「…その部屋で眠ると、必ず‥夢を見るの。そこで、望む物が‥手に入ると言われているの。だけど…試した者達は 皆、何日 経っても‥起きなくてね」

オリクト「それで?! どうしたってんだ?」


グラザー「その当時、まだ軍に居た…エルグレインの エレヒア殿の力を使って、皆を起こす事が出来たのです。あと数日過ぎたら‥命を落としたでしょうね…」


 ・・あ! 干渉する力・・『メレメラ』だ!


ルア「‥そう。あの人が‥みんなを起こしてくれた後、再び封印されたのよ」


オリクト「‥ユナムは、大丈夫・・だってのか?」

グラザー「『ミルゼア』を持ってる者は、自力で起きれます。ただし‥夢の中で、今回 必要な『鏡』を入手した直後から、部屋の魔力で、目覚めさせないように、様々な 誘惑 が‥あるでしょうね…」


 え・・俺… 大 丈 夫 かな?


グラザー「目的の物を見つけたら、出口を想像して…そこから出るように」

「…はい。・・俺、戻ってこれるでしょうか?」


グラザー「夢の鏡を持って、帰らねばならぬ‥その 理由を 忘れなければ‥」


 持って帰ってこないと・・いけない理由・・・。

  王子の・・呪いを祓うため!! うん。大丈夫。


オリクト「‥覚悟したみたいだな。今の内に始めるか!」

 ルア「そうね。賢王に伝えて、部屋の封印を解いてもらいましょう」


グラザー「賢王に伝える必要は御座いません。あなたならば、解除出来るでしょう? エルグレインのお嬢さん・・」


 2人とも、びっくりしている。


グラザー「あの封印をしたのは、エレヒア殿ですよ。同じ エルグレインなら、あなたにも、出来ると思いますよ」


 と、とにかく‥行ってみる事にした。問題の部屋の前へ



オリクト「デカい扉だな・・。こんな大きくなくても・・良いだろうに」と、上の方を・・見上げて話す。


 確かに、そうだよな・・。天井まで・・扉だった。白い壁は同じで、金色の草花のレリーフの模様‥それ自体が、封印らしい。


「ルアさん…出来そう・・ですか?」

ルア「‥うん。‥‥これなら、出来るわ。‥少し、待ってて」


 俺たちは、扉から離れた通路側の・・壁の方へ移動する。


 しばらくすると、上の方まで光が走った! と思ったら、そのままレリーフが短くなっていって・・消えてしまう。直後・・大きな扉は、開いた!


ルア「…ユナム、お願いね・・」「はい!」

 俺は、ルアさんと すれ違って、部屋に入る。


グラザー「鏡のように映る‥池を、探して下さい。その中に 在るはずです!」


 俺は、入った直後から・・なんか、眠く・・なってきて・・。

扉が静かに閉まった時には、床に‥寝転がっていた。 王子・・・。


 待っていて下さい・・。俺が、鏡・・・見つけて・・戻る・・か・・ら・・・くぅ・・ すぅー・・。




 ん? どこだっけ・・。 ここ は?


気付くと、どっかの森の‥草地の所で、気持ちよく寝てた。


何で、こんな所に居るんだった・・かな? えーーと・・。

 『頼むわよ! ユナム!』


・・・ルアさん?  何を? あれ・・何だっけ・・何 頼まれてた・・俺?



 『鏡だぞ! 変なもん、持って帰ってくんなよ!! ユナム!』

・・オリクト?  か が み ・・・! あ!・・鏡って! 


 俺は髪を掻きながら、忘れてた事に気付く。

「そうだよ・・王子の呪い解くための‥素材じゃん・・」


 俺は、周囲を見回した。 見た事の 無い 場所。

少し、コロモス城へ続く・・あの‥森のようにも見えるけど・・。


 池・・って、言ったよな? あの人・・ぐ・・グラザーって人!



 池・・・池は、どこだろ? 森の道を、適当に歩き回った。


 歩くのも、めんどくなって‥走って探した。




 しばらくして、少し森が開けた場所に・・小さな池を見つけた。

「これか?」 近づくと そ れ は 、変な色の水だった。


 水か どうかも‥あやしい感じだったけど。

「この中に・・?」


・・・水というより、銀の溶けたような、見ための池。

うーーん・・と渋い顔してたけど、思いっきり!両手を池に突っ込んだ!


・・感触としては、水の中に 手を入れた時と、同じ だった。


手探りで、探す。「鏡・・鏡・・・どこだよ・・・」

 ふいに、何かが手に当たる。持ったまま、池から‥出した。


「ぁあっ 鏡だ。ちっさい・・手鏡・・」なんか、ルアさんの持ってる、手鏡みたいだ。似てる。赤い持ち手も・・丸い形も。


っと、浮かれてる場合じゃないな。帰らねーと。



 そう思って、立ち上がって振り返る瞬間、場所が変わった。

 「え・・・あれ・・ど・・こ・・」


「何 言ってるの?ユナム・・自分の家でしょ。おかえり」

は? なんで‥‥母さんが、居るんだ・・・?


「冒険は、楽しかったか? いろんな場所へ、行ったんだって?」

・・父さんまで・・。


えっと・・どういう状況?! いや・・俺、今まで、森の中で・・。


 あっ! 鏡は?! ・・ちゃんと、手に持ってた。


母「それは、どこか‥あ、ココへ置いたら? 持ってたら、ご飯 食べにくいでしょ?」目の前に・・・俺の好物が・・いつの間にか、出現してた。


 でも‥この鏡、一度手放したら…もう、手に 入 ら な い 気がして置けない。


「いや・・悪いけど、俺‥まだ、旅の途中だから。行かないと‥」

母「あら‥急ぐ事 無いじゃない‥。ご飯くらい、食べて行けば良いでしょ」


「…みんなが・・仲間がっ! 待ってる…から。王子だって・・」

父「王子様なら、ココに 居るじゃないか」


 え・・・・。 父さんの・・方向を見たら・・。


 あ・・王子・・え・・そんなハズは・・・。


王子「どうした? せっかくの帰郷だろ? ゆっくりしてれば良いぞ」


・・・王子! なんで?・・だって、王子は 今・・動けないんだぞ⁈



『扉を・・閉めてから・・・出口と・・もって・・・開けろ!』

・・ふいに・・グラザーさんの声が・・聞こえた気がする。


・・王子を・・家の中へ進め・・扉を閉めた。


「王子・・」「どうした? ユナム・・」


「俺は…俺たちは、必ず! あなたを 助けます から!」


・・この世界からの出口と思って、扉を開く!


後ろで、両親や王子の声が聞こえても・・振り返らず 走って‥進んだ。



「ユナム?!」「起きたか?寝るな!」「よし、持ってる。早く外へ」

 三者三様の声がして、廊下へ運ばれる俺。


「‥戻れました」


ルア「‥その、手に持ってるのが・・そうなの?」

 俺は、握りしめてた鏡を見下ろす。


オリクト「この手袋・・使わなかったな・・」

グラザー「いいえ。それで、この子から受け取って下さい。そうでないと、消えて無くなります」


 「はぁ?!」「ええっ??」


 俺とルアさんの声が、合わさった。


 オリクトが手袋に手を通して、俺から、そっと・・手鏡を受け取る。

ルア「これは、こ こ に入れて」「ルアさん、その袋は?」


ルア「これ、特殊な素材を持ち歩く為に、エレヒア様が、開発した袋なの」

オリクト「3つしか入らんのか・・」

ルア「‥今回、必要なのは3つなんだから、十分でしょ?」

・・まぁ、そうだが・・って、オリクトが渋い顔してる。


ルア「ひとまず、部屋へ戻りましょう」

オリクト「よく、戻ったな・・。俺らの声は、聞こえてたのか?」

 「うん! ありがと。みんな‥」


ルア「え? どうして・・」


 俺は、夢の中で・・最初は、何で‥こんな所に居るんだ?って思ってしまった事を話して、みんなの声で・・やる事 思い出したし、外にも出れた。


「王子まで、出て来て・・焦りましたよ」

グラザー「…君の夢に、王子が?」


 俺が頷くと、グラザーさんは‥何か考えるようにしていた。


部屋に戻った俺たちは、次に向かう場所を、考えていた。

ルア「アソオスか、フィエルテ・・か・・」

グラザー「…他の素材は、その2か国なのですか?」


・・まだ居た。というか、ちゃっかり・・一緒の部屋で、お茶飲んでる。

オリクト「あぁ。まぁな・・」

ルア「他は『月の滴』が、アソオス。『魂の石』が、フィエルテです」


 グラザーさんは、月の・・って時にルアさんを見て、魂の・・って時に、オリクトを見たけど・・・。何か、意味や関係が…あるのかな?


ルア「何か、ご存じですか?」

グラザー「月の滴は、確かにアソオス国ですね。しかし、どこに在るか‥までは、存じません。しかし、フィエルテ国の魂の石は、霊峰 コレリック山の上層で見つかった‥という記述があります」


ルア「上層‥」

「上層って確か、霊獣というか…守護龍が居る場所じゃ?」

オリクト「結局、どっちでも王に会わないと・・だな」


グラザーさんに礼を言って、俺たちは‥防寒対策しっかりしてから・・

ルア「じゃ、フィエルテ国へ!」出発した。

【リョウ】この世界での、王族を現す名前。王子でも王女でも同じ。記号みたいなもの。なので、国の名前+王子で呼ばれる事になっている。


【グラザー】(グラザー=ロシア語・目) 45歳/男 ゼルファード

王直属部隊の指揮官のひとり。若い頃にエレヒアと会っている。王とは旧知の仲。知識欲が高く、よくエレヒアと研究に関して話していた。レスカテ国の事なら、知らぬ事は無いと自負している。


【ゼルファード】職業の名前のひとつ。風魔法を極めた人の事。


【夢の鏡】レスカテ城内にある、ウィータ・マウトの部屋で眠り、その中でのみ、入手可能な特殊素材。鏡の見ためは、拾う者の想像に寄ってしまう為、今回はユナムの知る『ルアの鏡』と同じ姿だった。


【ウィータ・マウトの部屋】(ウィータ=ラテン語・生/マウト=アラビア語・死) 生と死の部屋。城が建てられた、遥か過去がら存在している。一時期 封印されてたのを、現・賢王が封印を解き、面白がって使ったら、兵士が皆、起きなくて困っていた。そこへ呆れ顔で、やって来たエレヒアに、全員を起こしてもらった後…。賢王に説教を始めたエレヒア。なので、王は、その当時を思い出して「げっ」って言いました。王様でも容赦しません‥あの人。


※ミルゼア=ユナムの固有スキル。縁の出来る相手の危機を、一方的に見せられる能力。今回、この力で、外野の声を、聞く事が出来ました。本来は、他の人の声など聞こえず、居心地の良い夢から戻ってこれません。


【エルグレイン】ルアと同じく、2属性以上の魔法を極めて合体させるなどが出来る魔導師の事。


次回・・フィエルテ国で、オリクトが・・頑張ります!・・がんばれ・・

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