第10章 再会
ヘラジの塔を攻略しつつ、上へ 上へ と進む王子たちとユナム。
未だに会えない事を不安に思うものの、出会える事を願いながら・・・
進んで行く!! 会える事を願って。
40階層の休憩フロアでの休息後、次の階層へと向かおうとした王子に、オリクトが止めに入る。何事かと思ったのも束の間・・
オリクト「王子、ルアの奴が居ませんぜ?」と言う。
よくよく周囲を見渡すと、先ほどまで居たルアさんが居ない・・。
直後、魔法陣からルアさん出現! 魔法陣前に居た俺らを見つけて・・
ルア「あっ・・すみません・・王子。お待たせしました」
俺「何してたんですか?」
ルア「ちょっとアイテムの補充が足りてないのに気づいてね・・」
王子「では、もう行くぞ。遅れるな・・」
その言葉で、俺もルアさんもオリクトも気を引き締めて、41階層へと進む。
ココから先は、さらに複雑な迷路のような部屋だったり・・謎解きや仕掛けが多くなる。
道中で遭遇するパーティも少ない・・・というか、むしろ遭遇しない。
それだけ、道中の魔物が強くなり・・フロアボスが難敵ばかり という事だ。
気を抜けない連続・・・。
40階層近くからは、自身のレベルもかなり上がりはする。
・・・が、あまりに敵の方が強いと感じる事が多々あるせいで、ちっとも強くなってる気がしない。
41階層のフロアボスは、風と光を纏ったティフォーネという魔物で、オリクトとルアさんが狙われやすくて、危なかったが・・王子の保護魔法・ディニの魔法で作られた壁によって、なんとか耐える事に成功した。
フロアボスを倒すと魔法陣で去るまで出現しないようで・・・俺たちは休憩した。
ほんっとぉおおぉ・・・に・・・疲れる!
疲れる・・くらいなら、回復薬で疲れも癒せるものもあるから、良いけど・・・大怪我を負うようだと、1階の治療院へ戻る必要が出て来る。
王子「皆、次へ行けそうか?」
オリクトも疲れ気味だったが、立ち上がっていた。ルアさんも、自身の長い杖で立ち上がる。
俺も・・老人みたいな感じには、なってしまったが・・・まだアイラに会えない内は気を抜けない。
・・・と、行こうとした矢先に、魔法陣が光る!
と同時に、大怪我を負った冒険者グループが現れた!!
「お頭!しっかりしてくだせぃ!!」
「おい、そこをどいてくれっ!」
というので、通す。
・・・なんだ?・・・・なんで、1階に行かないんだ??
ルア「どうやら、私たちがフロアボスを倒した際に出現し繋がった魔法陣で逃げて来たのね・・・」
魔法陣は、消える様子は無かった。
どうやら、フロアボスを倒した者が通り抜けない・1階へ帰還しないなどの理由が生じなければ、消えないそうだ。
大きな大柄なオリクトと良い勝負になりそうな筋肉質な体の男性を横にして、回復薬をかけている。
ルアさんに促され、魔法陣へ乗るように言われ・・進む。
「おいっ!あんたら!!今は行かない方がいいぞ!!」と、何人か居る内のひとりが声をかけてきた。
オリクト「そりゃ、どういう意味だ?・・おまえらが負けた魔物が居るって言うんだろ?・・大丈・・ぶ」
「大丈夫じゃねーよ!! あぶねーって!」
「魔物図鑑にも載ってない魔物が出たんだって!」
!?
それって・・・・?? ま さ か ・・・・・
ルア「どんな姿だったの?!」
「黒く大きなカマを持った姿で、闇の魔法を放つ奴だ!!・・闇属性に弱い、俺らの頭は・・・」
おいおい・・・・ウ ソ だろ・・・・それ・・
冗 談 ・・・だよな?
ルア「どういう事よ・・それ、あの時の魔物と同じじゃない・・・」
それが、この先に?
でもあの時はまだレベルも低かったし、ランクも低かった。
だけど・・今は、ランク4になってるし、相当レベルも上がった!
強い装備も頼れる仲間も居る!! 負けない・・・。
オリクト「おまえらだけで、どうやってその魔物から逃げて来たんだ?」
そういえば・・そうだ。
「俺らのお頭がやられた直後に、他のグループが来て、その隙に魔法陣見つけてすぐ運んだんだよ・・」
王子「そのグループは、どこの・・?」
「ありゃあ、炎竜だ・・・」
!!!
王子「ユナム!ルア、オリクト!!すぐ行くぞ!」
全員が「はい!」と答え、引き留める声も聴かずに魔法陣を発動させ・・!
何本もの高い位置まで伸びている柱群の奥で、雷光や、炎が上がって、剣戟の音が響いている!!
俺たちは、そこへ向かって走る!
あの時は他にも魔物を引き連れていたが、今は以前よりさらに強さを感じる。
素早く立ち回ってる髪の長い短剣を持ってるアルシードと、二つの長剣を自在に操り攻撃を回避しながら確実に攻撃している! 後ろの盾持ちも援護している。さらに大きな斧を構えてる者は、メイド服の女性の護衛のように立ち、その女性は回復魔法を唱えていた・・・。
そんな最中に、駆けつける俺たち!!
最後尾に居た、斧の男が王子に気付く・・が、こちらへ来るなと言わんばかり・・・そんな時、凄まじい音と共に少女の悲鳴が聞こえ・・
咄嗟に「シュトル」と唱え、落下している少女を受け止めた直後に「フリュ」と唱え、敵の攻撃を回避し、ルアさんの元へと戻る!
落下し始めた際に、敵への攻撃を躊躇したディアルクの反応を見逃さなかった魔物の攻撃が来る直前「ルビナス・・」と薄い光の膜が何層も重なってディアルクへの攻撃を受け止め、そして反動で光の膜、ひとつひとつが弾け敵を攻撃し、ディアルクと共に盾の者の所へ戻ってきた。
盾の者も、斧の者も皆、集まる。
「ストラター!」と唱えるルアさんのお陰で、保護結界発動!
続けて「コンフリー!」と唱えると、アイラの傷が凄い速さで治っていく。
やっと落ち着ける。と思ったが、保護結界にかなりの攻撃を仕掛けてきているぞ・・あの魔物・・・。
ルア「王子、一旦戻りましょう。この少女の傷は癒しましたが、まだ危険な状態です」
王子は、ディアルクたちを見て確認したようで、ショーポットを起動した。
霧に包まれてく中で、あの魔物の「待て~・・」と聞こえた気がした。
・・・ 1階・治療院へアイラを預け・・
自分たちの拠点とは違う拠点内へ案内された。
ディアルクの・・いや、アソオス国の王子は、レスカテ王子に一礼し
「助かった」とだけ言った。
自分たちの拠点よりも、一回りくらい大きいのでは?と思う広さで・・全員が椅子に座り、メイドさんのお茶を頂く。
アソオス王子が口を開く。
アソオス王子「先ほどは、助かった・・魔法陣が起動してたが・・まさか、そなたのグループだったとは・・・」
レスカテ王子「大事なく、良かったです・・・間に合って」
・・・・。
アソオス王子「アイラの事も・・本当に、助かった。・・少年、ありがとう」
俺は、いきなりで・・戸惑った。
レスカテ王子「彼は、ユナム・・と言います」
その名前で、アソオス王子は何かに気付く。
アソオス王子「・・そうか、君が・・・アイラの言っていた・・・・」
俺は改めて名乗った。
お互い、自己紹介をしよう・・と言う事で、こちらから、ルアさん・・オリクトの順に話す。
アソオス王子の横に居た、大きな盾持って援護してた人が・・
「えー・・自分は。ベルクと言います。セリガンです」
大きな斧を持ってる人は・・
「俺は、ヘルトだ。ドルガンだ」
メイドさんもお辞儀して・・・
「私は、ステッラと申します。レミエールでございます」
そして、最後にアソオス王子が・・・
「私が、アソオス国の王子である、リュウだ。ディアルクで、アイラは、ルーヴェルだ」
アイラの奴・・ランク上がってる・・・。
王子たちは、座り直し・・疑問を口にした。
アソオス王子「ところで・・。いや・・あの魔物を知ってるようだったが?」
俺たちは、以前にレスカテ国で遭遇した事があると伝えると、王子や他2人は何か考えるような仕草をして、言葉をつづけた。
ベルク「そうなのですか?!・・だからかな?」
ルア「と言うと?」
ベルク「以前遭遇した時の話なんですが・・。よろしいでしょうか?王子・・」
アソオス王子は、頷く。
ベルク「以前・・最初に出会ったのが、フロアボスを倒した直後だったのですが・・何回か攻撃を当ててたら・・その魔物が『間違えた』とか『おまえたちじゃない』・・とか言ってたんです」
ヘルト「そうなんだよな・・何が違うってんだか・・」
アソオス「あの直後に全体攻撃を受けてしまい、なんとかステッラの機転で・・・1階へ戻る事が出来た訳だが・・」
それが・・あの・・・全員ベッドに寝てたシーンなのか・・・と・・
オリクト「しかし、なんだって言うんでしょうね?あの魔物・・何を”間違えた”んだ?」
王子「・・・我々の時は・・・・・・何か 言 っ て た か?」
ルア「・・いえ・・聞いてませんね・・・」
オリクト「バタバタしてる間にユナムが来て、追い払っただけだったしな」
・・・俺自身もあの時・・あの、魔物が何かしゃべった・・とか、特に無かったように思う。
アソオス「・・まぁ、ただの聞き間違いかも知れないが・・な」
ベルク「しかし、奇妙ですね・・」
皆が注目する中・・考えながら話す、ベルクさん・・
ベルク「なぜ、レスカテ国に居た魔物が、この・・ヘラジの塔へ来たのでしょうか?・・『来た』というのは、オカシイかも知れませんが・・・」
ルア「いえ、私も同様に違和感を覚えました。あなた方が襲われた話は塔内でも聞いてましたし、誰もその魔物を把握出来てませんし」
・・本当に謎だ。
途端に、ドアが思いっきり開き大きな音を出すと・・アイラが帰って来た。
そして第一声が・・「あんた、なんで居るのよ?!」だった。
【ティフォーネ】ヘラジの塔・41階層ボス(ティフォーネ=イタリア語・台風)
見ためは女性で風と光を纏った姿で宙に浮いている。風や光の魔法を主に使う。
盾持ちや体力が低い者を狙ってくる。
【ディニ】王子のみ使える・保護魔法(主に結界術)・中級魔法
(ディニ=ギリシア語・渦)
雲のようなモノを渦を巻くように一人の前に出現させ、あらゆる攻撃を半減させる保護魔法。一定のダメージ量で消える。
【階層を繋ぐ魔法陣】ヘラジの塔限定
フロアボスを倒すと出現する魔法陣。フロアボスを倒し、その魔法陣を起動して次の階層へ向かった・アイテムで1階に帰還した・魔法陣から1階へ戻った・倒したグループや人物が全員亡くなった・・などが起こらない限り、消えない。
ただし、ボス部屋が開く事も無い為・・他のグループが来たとしても、フロアボスは復活はしない。
【アルシード/ジルファード】職業の名称のひとつ。
軽装で素早さの高い、短剣を扱う職業。状態異常を引き起こす技を覚える事が多い。ちなみに、なぜ2つの名があるのか?と言うと、女性はアルシード・男性はジルファードと分かれてる為。やや能力値が変化する。
・シュトル→第6章儀式の後書きへ
【フリュ】(フランス語・流れ)
シルトレイ(剣士)の技のひとつ。確実に1回必ずどんな攻撃も回避するスキル。
【ルビナス】レスカテ王子の剣技のひとつ。
光の層を何層も重ね剣で突き刺し、その光の加護(敵の攻撃を防ぐ)もろとも、敵に反転し攻撃する技。
・ディアルク(二刀剣士のこと)
【ストラター】補助魔法/結界魔法(使い続けると結界魔法としても発動出来るようになる)・中級・味方全体・防御アップ
【コンフリー】回復魔法・上級・味方単体・緑化魔法とも呼ばれる。
・ショーポット→第9章後書きへ
<登場人物 紹介>
*アソオス王子 リュウ 17歳・男・ディアルク
(現在は、長剣2本を両手でそれぞれ装備) 炎・風・闇の魔法攻撃も得意。状態異常にかかりにくい体質。何でもこなせる器用で天才と有名。炎竜/バーゼルドという冒険者グループのリーダーで、今回の儀式参加者。
*ユナムの幼馴染 アイラ 16歳・女・ルーヴェル
固有スキル★フェイン(先見みの力)を持つ。器用で能力も駆使して立ち回る。短剣やワナ・投げ武器も使う・・・が、ワナには自身がかかりやすい(ユナム談)
アソオス王子の旅に同行出来てる事に誇りを持っている。ユナムとは確かに幼馴染だが・・・。
【ルーヴェル】職業の名称のひとつ
アルシード/ジルファードよりも武装強化や能力値が高くなった者。状態異常系の技やワナ系以外にも、さらにステータスを下げる技も使えるようになっている。
*王子側近のひとり ベルク (ドイツ語・山) 18歳・男・セリガン
アソオス王子とは旧知の仲で良き友・良き相談相手。肥ってるように見えるが、筋肉質で動きも遅くはない。魔法攻撃には弱いが、水や光攻撃には耐性がある。姉と妹が居る真ん中。
【セリガン】職業の名称のひとつ
大盾を持ち、遠距離攻撃をするタイプ。大きな盾は地面に突き刺し、その場から動かない事が多い。この為、セグナートのような盾よりもさらに重く大きな盾を持ってる事が多い。扱える人が少ない為に、かなりレアな職業と言われている。
*王子の側近のひとり ヘルト (ドイツ語・英雄) 19歳・男・ドルガン
口数は多くはない。一番背が高い。大きな斧や大剣を振り回し攻撃する。動きは重いものを振り回してる割には早いタイプ。魔法力は皆無だが・・なぜか、魔法に対する耐性値が高い稀なタイプ。
【ドルガン】職業の名称のひとつ
両手で持つ武器を扱う職業。主に戦斧や巨大な斧や剣を振り回して戦う。
ちなみに、片手斧の場合はヴァレンという名前になる。今回遭遇し引き留めてきた者たちは、このヴァレンだった。
*アソオス王子のメイド ステッラ (イタリア語・星)
おっとり穏やかな回復メインのメイド。基本は戦いには参加しないものの・・王子からの要望であれば、回復で援護する。とても戦えるような体力を持ってない為、期用する際は、ベルクやヘルトに守ってもらっている。
【レミエール】職業の名称のひとつ
カリゼアよりも上位の職業。回復・サポート・高位の光系魔法を使える。
次回・・アソオス王子たちと共闘となるのか? それよりも、アイラとユナムは・・?




