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団子食べたい  作者: 社容尊悟
1本目
8/65

八丁念仏団子刺し




 学校に着いてから二時間が経った。休み時間中、テルが壱の席にやってくる。

 後ろ手に、何かを隠している様子だ。

「なあ、壱」

「何だ?」

「八丁念仏団子刺しって知ってるか?」

「何だそれ。俺の敵?」

「刀の名前だってさ」


 団子好きな壱が、眉根を寄せたくなるほど嫌悪する名称だ。

 団子への当てつけだと思っている。

 実際は伝説級の名刀なので、そんな嫌味な名をつけられることはないだろうが。

「ふーん……。それは手に入れられんの?」

 壱が興味なさげに訊くと、テルに真顔で否定される。

「いや。無理だろ。常識考えろよ。団子マニアの壱さんは、たまーに常識知らずだなー」

 手に入れられたら、折るつもりだったとは口にはできない。


「うるさいなー。俺の常識知らずっぷりは、テルほどじゃないだろ」

「オレはオレで、結構常識知ってんのよ?」

 ふふんと鼻高々に言い返してくるが、壱はじっとりした目で棒読みする。

「アー。ソーダナ。お前が団子の話持ちかけるってことは……」

 ピラッという、紙が何かに擦れる音がして、テルの手から壱の机に出された。

「そういうことだな。はい、きたぜ。おまえに、依頼だ」

「……八丁念仏団子刺しマニアの団子パーティに潜入?」


 紙に書かれていた内容はこうだ。

 『八丁念仏団子刺しのレプリカを持っているオーナーが、最近真作の刀を闇オークションで手に入れているという噂が耳に入った。オーナーは近日友人らを集めて団子パーティを開くので、団子が好きな団子山壱探偵に依頼することにした。そのオーナーに接触して、真相を確かめ、もし、それが真実だった場合は、警察に連絡して欲しい。』

 壱に依頼するのが、不自然だと思えるくらいに危険な依頼だ。

 詳細も書かれていない。

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