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団子食べたい  作者: 社容尊悟
1本目

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9/65

テルは金の亡者?

 それを取ってきたテルも怪しいが、大親友を疑うのはまずい。

 テルはそんな回りくどい悪さはしない。

 いつもストレートに悪さをする。

 壱はこの依頼が、善良な人からなのかどうかを疑った。

(俺を嵌めようとしてる誰かの悪戯……が、一番しっくりくる)

 壱は悩ましげな表情をして、黙り込む。

 テルはにこにこと無邪気に笑っていて、弾んだ声で確認した。


「そ。団子好きなおまえなら、当然いくよな?」

「……何か、俺を釣る気満々なパーティだな」

 壱は正直に答えた。返答はノーに近い。

 壱はやらないつもりなのに、テルは食い下がる。

「報酬は結構もらえるらしい。やれよーやれよー。そんでもって、オレにもくれ」

 結構とは言うが、額は教えてもらえなかったようだ。

 依頼者の名前も、明かしてはならない決まりになっている。

 それは暗黙の了解だ。


「うるせー。どうせ金目当てなんだろが!」

「当たり前だろ! 何でおまえの助手なんかせにゃならんのよ。仕事取ってきても、一銭にもならん。タダ働きはごめんだねー」

 どうあっても、この依頼を引き下げることはできないらしい。

 壱は覚悟を決めた。

「金の亡者め……。ちょっとくらいならわけてやるから」

「半々な」

「ちょっとって言ってるだろ?」

 テルはぶすっと無愛想な顔つきになった。

「どっちが金の亡者だよ」

「俺がやるんだから、俺の取り分は多め。それくらいふつうじゃないか」

 テルは呆れて、肩を竦(すく)めた。

「はいはい……」

「俺が駄々っ子みたいな雰囲気作るな」




 団子好きの壱の昼食は、またも団子の山だった。

 これだけわかりやすい趣味嗜好なので、壱の名前を知らない生徒はいないとまでいわれている。

 ある種の人気者状態。

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