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団子食べたい  作者: 社容尊悟
1本目

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10/65

真面目堅物なくせに、団子が好きすぎるマジキチ壱さん

 だが、女子の大半は遠目から彼を見ると『うわっ』という、不快そうな顔をする。

 大量の団子の山と、団子グッズが女子にウケが悪いのだ。

 団子マニアでさえなければ、受け入れられるという女子も少なからずいるみたいだが、好きでもない人の、そういう恋愛の類の話はどうでもよかった。

 寧ろ、何故お前が決めるのかと口を出したくなるくらい、鬱陶しい話題だった。

 決めるのは彼女らではなく、自分だ。


 誰と付き合いたいかは、自分が考えることであって、恋愛対象がどうとかそういう話を誰彼構わず話して、平然としている女子は好きになれない。

 陰口を言う女子も、だ。

 悪口は、場合によっては言ってもいいと思っている。

 今は、当分一人でいいやと壱は考えた。

 他人の目を気にしていたら、食事がまずくなる。


「いただきまーす」

「よく食うなあ」

 男二人で虚しく昼食だ。

 壱は団子を大量に、テルは持ってきた弁当を食べている。

 やけ食いっぽく、がつがつと意地汚く食べる。

「俺は……人は好きだけど、ああいう人は好きじゃない」

「オレも」

 うんうんとテルが頷く。

 タコさんウインナーを箸で掴んで食べている。

 壱は両手に食べ終わった団子の串を数本ずつ持ちつつ、ぼそっと呟く。

「でも俺も、これを本人に向かって言ってるわけじゃないから、いいと思わない」


 テルが頬杖をついて言った。

「……壱さん、めんどくせー」

「テルも相当めんどくさいと思うけどな」

「いーや。みんなの照三くんは、めんどくささをわきまえてる照三くんだからな。真面目堅物キチ壱さんと一緒にしてもらっちゃあ、困る」

「めんどくささを弁えるって、どういう意味だよ? ってか、俺堅物じゃないし。妹にも友達にも甘い壱さんなんだけど」

 壱が冗談めかして言い返すと、耳をほじってテルが即座に否定した。

「いやいや。みんなの考える壱さんはなー、真面目堅物なくせに団子が好きすぎるマジキチだってよー」

 壱は嫌な予感がした。

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