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団子食べたい  作者: 社容尊悟
3本目
63/65

大手柄! 団子パーティ事件解決!




 明くる日。

 壱は新聞の一面に掲載された。

 リビングのテーブルに身を乗り出して、美枝は大喜びで新聞を見せびらかす。

「大手柄ですって! よかったじゃないの、壱」

「にーに、すごいんですー?」

 二子が美枝に聞くと、美枝はにっこりと笑って答えた。

「そうよ。壱が捕まえた犯人、極悪非道の犯人なのよ。闇オークションからの刀の収集だけでなく、ネットで特定した人物を脅迫したり、少年の誘拐もしたりしていたみたいね」

 二子はわけがわからず、頭上に疑問符を浮かべている。

 壱は大好物の団子を食べながら、げんなりとした顔をする。


「……ああ……。そういう趣味の人だったのか……」

「どうしたのよ」

「言いたくない……」

「何? 隠し事? 隠し事はしないって約束したわよね?」

 壱は首がもげるかと思うくらいに、首をぶんぶん振り回した。

「でもほんと、今回だけは勘弁して。助けにきてくれてありがとうございました。でもほんと、これだけは口にしたくない。忘れたい。もうイヤだ! マジでイヤだ! 絶対イヤだ!」

「いーちー?」

「ダメ。無理。母上様にも言えないことだって、あるんですっ」


 壱は団子を持ったまま、ソファから立ち上がり逃げ出す。

 美枝が追いかけてくる。

「言いなさい!」

「いーやーでーすー!」

 壱は廊下を走る。

 二子も立ち上がり、二人のあとを追いかける。

「にこも、いれてー」

「二子は入らなくていいのよ。二子は壱と違って、隠し事もしない、いい子なんだから」

「えへへー」

 天使の微笑に、美枝は癒されている。

 この隙に、逃げてしまおう。

 壱は学生鞄を持って、満足げな顔をして家を出る。

「いってきまーす!」

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