団子食べたい
事件解決から一週間が経つ。
壱はあやのに久々に呼び出された。
もう報酬ももらっている。
十万円という高額報酬を、あやのから受け取った。
報酬をもらったので、無関係の他人に戻ったのだが、あやのは壱に用があるらしい。
まさか、告白か?
壱は逸る気持ちを抑えつつ、約束の場所に向かった。
場所は――あやのと初めて話したグラウンド。
運動部の練習風景が目に飛び込んでくる。
あやのはまだきていないみたいだった。
少し早くきすぎただろうか。
三十分くらい待っていると、息せき切ったあやのがやってきた。
「どうしたんだよ、そんなに慌てて」
「すみません……ちょっと用事があって、遅れちゃいました……。呼び出したのは、私なのに。すみません……」
ハァハァと息が荒いあやのを見て、壱の胸はちょっぴり高鳴る。
「謝らなくていいから。授業もまだ始まってないんだし。気にすることないよ」
あやのは屈託のない笑顔を浮かべる。
可愛い笑顔だ。
「ありがとうございます。団子山くんはやっぱり、優しいです」
あやのは俯いて、もじもじした。
きた、と壱は思った。
「……あの、私も好きになっちゃいました」
こんなにいきなりくるのか!?
「なな何を?」
明らかに動揺する壱。
情けなくて、涙が出そうだ。
あやのの唇が、次の言葉を紡ぐ。
「団子……」
「へ」
青くなる壱とは対照的に、あやのの頬は紅潮している。
「団子食べたい、です」
やはり、当分、一人でいい。




