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団子食べたい  作者: 社容尊悟
3本目

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霧生を倒す!

 同情は、一銭にもならない。

 そして、壱に彼女の気持ちがわかるわけない。

「ありがとうございます」

 だから壱は礼を言って、逃げることにした。

 今の自分ができることは、それしかない。

 彼女の好意を無駄にしないためにも、一刻も早くここから脱出するのだ。

 壱が漸く光の差す場所へと出ると、見計らったかのように、霧生が待っていた。

「そうはいかないわよ」

「……!」


 壱の目の前に、巨体が現れる。

 背の高い自分を覆うほどの、とてつもない図体の女。

 鐘山はかなり憤慨している。

 霧生を呼んできたわけではないみたいだ。

「霧生……! 何で!」

 霧生は暗黒な笑みを浮かべて、凄んだ。

「あなたが裏切ることはわかっていたのよ。でもね、わたしは優しいから、あなたを使ってあげたの。感謝なさい、鐘山。この子にお灸を据えたあとは、家を燃やしてきてあげるわ。あなたの大好きな、家族も一緒に灰になればいいのよ」

 万力のような強い力で掴まれた。

 壱は痛みに片目を瞑る。


「でもあの鉄格子を自力で抜けられるなんて、考えてもいなかったわ。あなた、どんな力を持っているの? ますます興味が湧いたわ」

「お前なんかに教えるわけないだろ」

 背伸びをした壱は、霧生の目に向かって唾を飛ばして、足払いをかけた。

 手を離した隙に、壱はバックステップして避ける。

 二mほど後ろに下がって、

「ああっ!! 目が! 何てことをするんだ、この子は!! ぶああっ!」

 男みたいな野太い声で、霧生は叫ぶ。


 どしんと前に倒れて、霧生は情けない声を上げた。

 咄嗟のことに対処しきれず、本性が出てしまったようだ。

 隠し通せなかった男臭さ。

 壱は意地の悪い笑みを浮かべて見下ろした。

「ああ、そっか。お前、実は……女性じゃないんだな」

 霧生の眼前まで屈んでアッパー。

 顎を殴って、失神させる。

「く……、このや、ろう……」

 本格的に男だと知るや否や、壱は身震いした。

「だとしたら、凄く気持ち悪いことされた……。暫くケバい女の人との接触は無理かも……」

 地下牢から出てきた鐘山が、青ざめながら呟く。

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