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団子食べたい  作者: 社容尊悟
3本目

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思わぬ助け

「そんなことはないと思うけれどね」

「ですよね……。部屋を手当たり次第見てみますか?」

「何部屋あるのよ。三十くらいはあるわよ。しかも全部鍵がかかってて、開けられそうにないわ」

「オレも何か、スキルとか持ってたらよかったのになー」

「こんなことになるなら、鍵開け職人を連れてくればよかったわね」

 美枝が嘆息する。

 つられて、テルもため息をつきそうになった。

「美枝さん、鍵を開ける方法を考えといてくれますか? オレ、ちょっくら走ってきます」

「わかったわ」

 ドアを壊せるものを探しにいく。

 チェーンソーでも、のこぎりでも、包丁でも、何でもいい。

 あの鉄のドアに風穴を開けられるものを、見つけるのだ。



 ドアの前で倒れていた壱の身体に、ドアが当たった。

 ゆっくりと開けられたので、痣ができるほどではなかったが、眠気が吹っ飛ぶくらいには痛かった。

 壱が目を向けると、見たことがない人が立っていた。

「……霧生……じゃない」

 美しい容姿をした女性は、申し訳なさそうな顔をしている。

「……私は、霧生に頼まれて宝石店で働いていた鐘山です」

 思い当たる人物がいなかったので、壱は適当に言った。

「……春日井さんの相手をしていた人? 中学の制服着た可愛い女の子の」


「そうです。でも、貴方をこんな目に遭わせるとは聞いていなくて……ごめんなさい。私も、事が終われば出頭します。だから、今のうちに逃げて」

 急かすように言われ、壱は気が動転する。

 話が僅少に読めていない。

「そんな、そしたら……あなたはどうなるんですか」

「私のことは大丈夫。私は……あいつに弱みを握られているのです。家もばれているし、仕事先もあいつにばれてしまって……従うしかなかったから、犯罪の片棒なんか担いで……。私が馬鹿だから、こんなことになってしまったのです。だから、私のことは気にしないで、貴方は逃げてください」

「……」

 壱は、気の毒に思った。

 でも、そんな感情を持たれて、この人はどう思うだろうか。

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