言葉で解決できないときは拳で解決!
翌日の予定を言って、この場で解散。
あやのとは反対方向。
あやのを家まで送っていこうかと壱が言ったが、迎えがくるので大丈夫だと断られた。
でも、心配してくれてありがとう、と言っていた。
今日の収穫は予想以上で、団子パーティの日時まで判明した。
これで、あとは下準備だけ。
壱は離れて歩くテルに、手招きした。
「テル。ちょっとこっちこい」
「……やだね」
ぷいっとそっぽを向く。
何を拗ねているのだろう。
壱は両手をズボンのポケットに突っ込んで、先を歩いていく。
「さっき、俺が言ったことか? べつにさ、お前がどうでもいいと思ってるんなら、聞き流してもいいんだぞ? いちいち真に受けなくていいから。真に受けてるってことは、少なからず俺の意見に何か、思うことがあるんじゃないか。例えば、劣等感とか」
「……」
「俺の言ったことをいつまでも気にするのは、俺に後ろめたい気持ちがあるからだろ。どうでもいい相手に何言われたって、気にすることはないもんな。俺はそれだけ、お前にとって影響力のある人間ってことだよ、なあ、テル」
壱が振り向いてテルに話を振っても、テルは目を合わせようとしない。
壱は暮れなずむ空を見上げて、話した。
「逆に言えば、俺も……そうなんだよ。お前はどうでもいいやつなんかじゃないし。お前に悪口言われたら傷つくし、お前が傷ついていたら、力になってやりたいと思う。探偵は、事件を解決するのが仕事だからな。大親友が悩んでいるときも、事件なんだよ」
だから、と言って、壱はテルに向かって走った。
そして、顔面にラリアットを食らわせる。
どちゃっとテルは尻餅をついて後ろに倒れた。
壱は満面の笑みで、拳を掲げる。
「そういうときは、ぶつかって解決! だな」
テルは鼻頭を指で擦って、壱を睨み据えた。
「……っの……!」
「言葉でわかんねーやつには、拳でわからせるしかないだろ! なあ、大親友!」
壱は再び、拳を構える。
テルは尻についた砂を払って、歯を食い縛って拳を振るう。
テルの拳が壱の頬にかすり、壱の拳がテルの頬にジャストミートする。
交差するように、二人の位置が入れ替わる。
壱はトントンッとステップして体勢を整え、テルは脚をもつれさせる。




