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団子食べたい  作者: 社容尊悟
2本目

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市民の模範になるため

「市民の模範になろうとしているやつが、そんなんじゃ……示しがつかないからな」

 だから、と続けて、

「俺がお前を無闇に傷つける必要も、お前が無闇に傷つく必要はないんだよ」

 壱は笑った。

「……それでも言いたきゃ、言えばいいけどな」

「……」


 テルは茫然としている。

 壱の大人びている意見を聞いて、こいつ人間か? と思っているに違いない。

 それか、中学生か? と疑問を抱いていることだろう。

 壱も自分で自分が気持ち悪いと思う。

 何でこんな考え方を持つようになったのか、はっきりしていないからだ。

 いつからだろうか。

 十代っぽくなくなったのは。

 昔はもっと、やんちゃしていて、こどもっぽかったのに。


「まー、いいや。テル、さっさと春日井さん呼んで。暗くなるのもよくないし、春日井さんの両親も心配するだろ」

「あ、ああ……ハイ」

 我に返ったテルは携帯を取って、指でメールを打ち込んだ。

 テルが何も言い返してこなかったので、調子の狂わされた壱は頭をかく。

「何だよ。らしくないな」

 無言でいること数分。

 あやのがインターネットカフェにやってきて、物珍しそうに店内を見回していた。

 やはり、あやのは生粋のお嬢様のようだ。

 二人のいる場所にきて、にこっと笑う。


「お待たせしました。団子山くん、テルさん」

「待ってないよ。帰ろう」

「テルさん、どうしたんですか?」

 あやのが心配そうな顔で、テルを見つめる。

 テルは疲れた顔をしている。

「何か、元気ないみたいだな。理由はわかんないけど、そっとしといてやってくれ」

「そうなんですか……。テルさん、優しいから……心が疲れちゃったんですね」

 あやのがそう言うと、テルは蚊の鳴くような声で毒を吐く。

「オレは、そんなんじゃねえよ」

 壱は眉を寄せたが、あやのは首を傾げた。

「テル! ほら、帰るぞ」

 テルの首根っこを掴んで、壱はカウンターで会計をすませてさっさと出ていった。

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