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団子食べたい  作者: 社容尊悟
2本目

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自分がされて嫌なことは、人にしない



 壱は調べがついたのでテルのいる個室に向かう。

 テルにあやのを呼んでもらって、解散する予定だ。

 テルはもう調べ終わっただろうか。

 壱は個室のドアをノックして、テルを呼ぶ。

「テル……?」

 返事がない。小声で再度呼んでみる。

「おい。照三、返事しろー」

 壱が呼んでも返事をしないのは、喧嘩をしているときくらいなのに。

 身体に悪いものでも食べたのだろうか。

 テルなら、毒キノコくらいは容易に口にしそうだ。

 壱は目を細めて、鼻息を荒くした。

「開けるぞ」


 外から開けられる作りになっているので、戸を押すと開けられる。

「何だ。起きてるじゃないか。何で返事しないんだよ。腹痛起こしてるのかと思った」

 テルは顔を机に乗せて、だらけている。

 顔をこちらへ向けて睨んできた。

 壱も睨み返す。

「しかもやってないし。手伝うとか言っといて、それはないだろ。言ったことは守れよ?」

「あーうるせーのがきた……」

「うるさくない。声は抑えてるし、俺は当たり前のこと言ってるだけだ」

「そういう当たり前のことが一番うざいって、壱さんは知らないわけぇ? 正論ばっか言ってるやつはな、嫌われるんだよ。ま、壱さんは心配しなくてもぉ? 嫌われ者ですけどねー」

「……嫌われる、嫌われるって何だよ。その言い方」

「何か言い返してみろよ。オレを傷つける言葉、頭のいいおまえだったら、どんどん出せるはずだろ。何で言わないんだよ。何で腹ん中にずっと秘めたままなんだよ。気持ちわりぃんだよ」

 テルがまくし立てる。

 壱は眉を下げて、テルに言った。


「お前は十分傷ついてるじゃないか」

「……はっ?」

 鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして、テルは素っ頓狂な声を上げた。

 壱は穏やかな顔で、穏やかな声で語る。

「言葉っていうのは、その人の人生が現れるもんなんだよ。俺もたくさん傷ついてきたけど、俺は人を傷つけたくない。自分が傷つくことは、したくない。そうやって人を傷つけても、お前の性格じゃ、虚しいだけだぞ。そんなんで勝った気になって、悲しくないのか? もし、お前がそういうやつだったとしても、何もいいことなんてないよ。言葉は人を貶めるだけから」

 壱は、悪口は言わない。陰口も叩かない。

 自分がされて嫌なことは、しない。

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