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団子食べたい  作者: 社容尊悟
2本目

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29/65

テルの本音

「いっくん、かわいー」

 口元を引きつらせたテルが気味悪そうに、小さい友達に向かって言った。

「可愛いって……」

 小さい友達は両拳を口元に当てて、輝かせた目で腰を振る。

「だって、かわいくない?」

 もし、テルが女子だったら、おまえのほうが可愛いと口にしていたはずだ。


 テルはノーマルなので、こういう男子に対して可愛いという感情よりも、気持ち悪いという感情が湧き上がってくる。

 自分がしているあのオカマ口調も、気持ち悪いのを承知でやっている。

 そんな感情を持っているのに友達。

 彼も、己の気持ち悪さを理解しているのだろう。

 でも『自分を持っている』ことは、素晴らしいとテルは思っている。

 小さい友達は柔和に微笑んだ。


「テルちゃんは、いっくんが大好きなんだよねぇ」

 テルは面食らったような顔をしてから、神妙な顔つきになって本音を言った。

「どっちかと言うと、オレは壱のこと嫌いなんだけどな……。いちいち真面目に考えるし、よくあろうとするし、オレには理解できないタイプの人間っていうか。頭はいいくせに鈍いところあるし。そういうところうざいよな。でも、放っておけないやつだって、思ってる」

「わかる。全面的に同意。でも、テルが本音言うなんて、珍しいこともあるもんだな」

「団子山が聞いてたら、どんな風に考えるだろうな」

 二人は頷いていたが、小さい友達だけはびっくりしていた。


「えー、みんなはそうなんだ。いっくんかわいいのに。ぼくはいっくん好きだけどなあ。そういう不器用なところがある普段完璧な人ってさ……一人になったら、さみしくて死んじゃうんだよ」

「……おお……。何か、黒い……」

「えー、ぼくは黒くないよ。純白の天使だもん」

「おれは、団子山くんは完璧なんかじゃないと思うけどな」

 友達の何気ない一言に、テルは問う。

「それは要するに、努力家ってことか?」

「あー、そういう意味じゃなくて。無理して完璧なやつを振る舞っているような感じがするんだよなー。ナルシっぽいし。結構傷つきやすいやつなんじゃないかと」

 テルは友達の顔をじっと見つめた。

 友達は、顎に手を当てつつ、的確な言葉を吐いている。

 壱が完璧なやつを振る舞っているとは同意しかねるが、見事なまでに当たっている。

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