心を劈(つんざ)く言葉
「……今日はオレ、他のやつと食うわ。おまえは一人で食ってろ」
「ぼっちか! 何で! 俺そんな悪いこと言った?」
腰に手を当てて、テルはため息をついた。
怒髪天を衝かれたような顔をしている。
「自覚がないなら、オレは今回……手伝わないからな。じゃあな壱」
「ちょ……!」
席を立って手を伸ばすが、空を切るだけだった。
壱は額に手を当てて、力なく首を振った。
「やっちゃったな……」
体育の授業中、考え事をしていたので壱は顔面に豪速球を食らった。
「うごっ」
高校生にもなって、ドッヂボール……ではない。
バレーボールだ。
当たると相当痛い。
壱は約一m吹っ飛ばされて、床に頭を打つ。
脳震盪を起こしてしまい、眩暈がした。
保健委員に担架で運ばれて保健室に連れていかれた。
救急隊員みたいだ。
何が武道の心得だ……と壱は自分自身に心中で皮肉を言った。
武道の心得があったとしても、この精神状態じゃ自分すら守れない。
人に迷惑をかけるだけだ。
(……ダメなのは、俺のほうだよ……)
目元を腕で覆って、壱は唇を噛んだ。
精神的に参ってしまったのだ。
保健室のベッドが空いていたので、ベッドに寝かせてもらった。
「……あ、ありが……」
動かしにくい口を無理に動かして礼を言おうとしたが、
「ったく、何で俺たちがこんなこと……」
「なあ。団子山って、ずるいよなー。スポーツできるくせに、ズルしてサボるなんてさ。あいつが不注意なんて起こすわけないし狙ってやったんだろ。すかした態度しててムカつくよなー。明るい性格とか嘘だよな。自称だよなー」
「だなあ。まじでこのままずっと眠っててくんないかなー」
背筋も凍るほどの胸糞悪い悪口に、言えなくなった。
保健委員はかなり苛々しているようだった。
本人に聞こえるような大きな声で言う。




