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団子食べたい  作者: 社容尊悟
2本目

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26/65

テルはあやのが好き!?

 武道の心得もない一般人を連れていくわけにいかない。

 どうしたものかと机に突っ伏して、のの字を書いていると、テルが訊ねてきた。

「やいやい、壱さーん! あやのちゃんとはどうだった? ホの字? 惚れたか?」

 テルの問いに、壱は目を見開いて顔を上げた。

「……お前、名前知ってるのかよ!? もしかして……俺だけ? 教えられてなかったのは?」

 テルは言いにくそうに目を逸らしつつ、後頭部に手をやった。

「それはオレの情報網と言いますかー、まあ、可愛い子はチェックしておくに決まってんでしょー! オレは年下好きなもんでね。あやのちゃんはもろタイプなわけだ」

「そうか……。お似合いだよ、テルとあの子。話が合いそう」


 好きなものを否定されなかったのが嬉しかっただけで、恋愛感情を持ったわけではない。

 壱は相手のことをよく知ってから好きになる傾向なので、一目惚れはあまりしない。

 テルも、顔だけで相手を選ぶようなことはしない。

 冗談はよしてくれとばかりに、テルは机を叩いて大笑いする。

「あやのちゃんとオレが? 確かに、オレみたいにお喋りな子だけどさー、オレはあの子を彼女にとは考えてないわけよ。タイプなのは事実だが、あの子はオレよりも壱を選ぶだろうな」

「何で俺?」

「あー、そういうとこは鈍いのね壱さんはー」

 茶化すときのオカマ口調になって、テルは壱を睨む。


「……何だよ……」

「あやのちゃんの態度わかんなかったか? あやのちゃんがおまえについていきたいって言ったのは、おまえが好きだからに決まってるじゃないか。好きじゃなきゃ、そんな危ないとこについていきたいなんて、言ったりしねーよバーカ」

 吐き捨てるように罵倒されて、壱はちょっとだけムッとした。

「だから、それは刀が好きだからだろ?」

「好きなものに命賭けるような、おまえみたいな特殊な人間じゃないって。あやのちゃんはちょっと変わってるけど、壱ほど狂ってないからな」

(聞いてると、テルは春日井さんを好きな気がする……。気のせいじゃなく)

 壱は腕を組んで、思案する。

 暫くして、壱は口を開いた。

「テルは……春日井さんが好きなんだよな」

 壱が言い辛いことをはっきりと言えば、テルは見るからに不機嫌になった。

 まるで、壱が次に言わんとしていることが、手に取るようにわかるとでも言うかのように。

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