二子の目覚まし、ちょっとうるさめ
団子ベッドですやすや眠っていると、目覚ましがきた。
耳元で二子が叫ぶ。
「にーにー! あ、さ、で、す、よー!」
「おぅわっ!」
壱は飛び起きた。
団子布団を蹴ってしまい、あたふたする。
朝起きたら、二子の可愛い顔が見られて幸せなのは山々だけれども。
「おはよー、にーに」
「お、おはよ、二子……。起こしてくれるのはありがたいけど、兄ちゃんびっくりするから、耳元で大声出すのはやめような?」
壱に優しく注意されると、二子は口を尖らせて拗ねた。
「ぶー。にーにおこすの、たのしーのに」
「兄ちゃんだってな、ぐっすり寝たい年頃なんだよ。中学生だぞ? 夜更かしだってしたいし、できれば登校三十分前くらいまで寝てたい。ふぁーあ」
壱は頭をわしゃわしゃとかき回し、胡坐をかく。
「二子は可愛いから許されるけど……、もし俺が低血圧でものっそい機嫌悪かったら、幼気な二子に暴力振るってたかもしんないんだから……。そのぐらい、すやすや寝てるのに、起こされると人は苛々するんだよ。そうなって欲しくないから、言ってるんだけどな」
「むむむ……」
二子は言葉を理解するのに難航しているみたいだ。
ちょっと難しい単語を使いすぎたか。
二子が唸っている間、壱は未だに寝ぼけている頭を精一杯回した。
「あーそうだ。二子、母さんに言っといて欲しいんだけど」
「おねがい?」
「そだ。依頼きた。団子パーティいってくるって」
「ひにちはー?」
「それが、わかんないんだよな……。近日っていうのはわかってるんだけど、場所もわからないから俺が調べるしかないし……。今日は、ちょっと調べてくるから帰るのが遅くなるって」
「わかった! にこ、まーまにいう!」
二子は元気な声で敬礼する。
壱も照れ臭そうに笑って敬礼した。
「ありがとな、伝えてくれ」




