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「喫煙所、寂しくなったな」
係長の嫌味にもめげず(というか馬耳東風)、今日も我らが塩崎は通常運転だ。
課長と鈴木さん、双方ともヘビースモーカーだったからな。
ていうか、喫煙所繋がりだったりして。
「係長の奴、塩崎目の敵にしてるね」
ひょっこり耳打ちしてくるのは、野々村。
「あの突っかかった一件からかぁ…」
「私のせいじゃないとは言え、なんか心苦しいわ」
野々村も私も、内心分かってる。
塩崎は誰かの為に動くのではない。
自分の中の規則で動いてるんだ。
「別に課長も係長も、多分浜さんですら嫌いな訳じゃないと思うんだけどな……」
「おっ流石塩崎ファン、肩持つね」
「違うけどさぁ、、なんか、勿体ないよね」
彼女はただ、素直なだけだ。
言い換えれば不器用。
計算ではなく、裏表もなく。
そこが好きだし、憧れるんだろうな。
「えっ憧れ」
自分で口にしてしまった。
驚いたのだ。
「えっ誰が誰に」
「何でもない忘れろ」
「無理」
野々村と給湯室で無駄にじゃれてる場合ではない。
ーーー結婚式、結局行かなかったのは。
我慢が無駄と、気付いたのは。
クリーチャーズの事に触れたのは。
私の知らない私が、どんどん顔を出している。
そのきっかけは、紛れもなく彼女だった。




