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週明け、いきなりの人事異動に皆が驚いた。
しかしながら、その理由を皆が知っていることに、私は驚いていた。
「また塩崎か……」
「黙っててあげりゃいいのに」
「逆恨みじゃないの」
皆の丸聞こえな内緒話が飛び交う中、静かに彼女は着席した。
課長と私達と同じ事務職である、鈴木さんの異動。
塩崎は彼らの不倫を突き止め、問い質したのだ。
鈴木さんは、浜派閥の一番年配の人で(浜さんに続いてだけど)、影の実力者。
逆恨みと取られても仕方のない取り合わせだ。
ちら、と浜さんの方を見た。
いつも笑顔の浜さんが、笑っていなかった。
それだけで何か、背筋の冷たくなるような感覚がした。
ーーー放っておけばいいのに。
自分には何も関係ないところでの、不倫なんて。
出世、狙ってるんでしょ。
何故彼女はどんどん自分を追い詰めるようなことばかり。
敵を作ってばかり。
『嫌いです、そういうの』
彼女の声が蘇る。
嫌い、だって。向こうに嫌われたらどうしようもない。
だけど私はまだ、彼女が気になるんだ。
あの言葉には、『嫌い』以外の意味が含まれている気がして。




