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がっくり肩を落とした私がそれに気付くのに、数秒かかった。
更衣室ロッカーに、『クリーチャーズ』のツアー限定グッズである、バッヂが貼りついていた。
誰だ。
ネームプレートを見る。
どうか浜派閥じゃありませんように。
だが『K- POP以外は音楽じゃない』とすら豪語する浜さんの前で、邦楽ロックバンドのファンだなんて言う強者がいる筈もなく。
心配するだけ無駄だった。
「ーーーうそ」
塩崎。
たしかにそこは、塩崎のロッカーだった。
嘘々ヤバい、超話しかけたい。
古参かな、最近ハマったのかな。
バッヂは今年のもの。今年ライブ行ったばかりと言うことだ。
私も本当はツアー行きたかった。
だがそこは国民的ロックバンド、チケットは発売当日完売。
業後でいいやとタカを括っていた私は激しく後悔した。
塩崎に仕事上の接点もなければ、SNSもメールも知らない。
でも嬉しい。気にかけていた彼女が同じバンドのファンだなんて。
浮き足立って更衣室を出た。




